経済ビジネス

成長IT企業の収益一極集中化が大きなリスクに

クックパッド収益

脚光を浴びた企業がどこも苦境に立たされている現実

IT企業の多くは、ひとつの商品、製品、サービスが大当たりすることで、業績を大きく伸ばし、注目を浴び、株価も高騰し、人気化する。しかし、最近あまりその企業を聴くことがなくなったと感じていると、業績も総じて大きく落ち込んでいる場合が多い。

ディー・エヌ・エー(DeNA)が2020年3月期、上場以来初めての通期赤字を出す見通しであることが明らかになった。第3四半期(10〜12月期)にアメリカ子会社ののれん代など、減損損失493億円を計上した影響という。

株価は発表前(2月5日)の1,769円から1,555円(10日)へと10%以上下落した。

DeNAの今回の業績の不振の一番の要員はゲーム事業にあった。ゲームビジネスは人気タイトルが流行っている時は好業績となるが、それがなくなった場合、業績は一気に大きく落ち込むリスクが有る。

それでも、ゲーム業界は高収益のために、キャッシュが潤沢にあるから、他の業界に比べればいくらかましではある。

同じゲーム業界のグリーは2019年6月期通期の売上高は前年比9%減となった。直近の四半期(2019年10〜12月)も、子会社ポケラボの好調にもかかわらず前年同期比7.3%減となった。DeNAと違って、ゲーム・エンタメ関連の新規事業立ち上げやベンチャーキャピタル投資を積極的に行っているが、ゲーム事業の不振から売り上げを支えきれていない。

現在のゲーム業界は、ゲーム事業に売り上げを依存したままの会社群と、新たな事業分野の開拓を模索する会社群とに二分されている。

ただし、脱ゲームを進めたくても、新たな事業分野への先行投資が進む中で、既存事業の業績が悪化すれば、株式市場、投資家からの厳しい目もあり、容易な道のりではない。

クックパッドもまさに正念場に

IT企業の新たなジャンルを切り開いた企業でも苦戦が続いているところが多い。

料理レシピ検索サイト大手のクックパッドも、今がまさに正念場である。

2月7日に発表した2019年12月期の連結決算は、9億6,800万円の最終赤字となった。前年の黒字決算(最終利益4億700万円)から、上場以来初の赤字決算となった。

売上高は1%減の117億5,300万円と横ばいだが、本業の儲けを示す営業利益は前年比82%減の3億600万円と大幅減に。

国内外の新規事業のため人件費が増加した事、海外事業ののれん代を計上した事などが影響したという。国内の平均月間利用者は3年前から1,000万人近く減少し約5,200万人となった。

海外事業での利用者は約4,000万人台で横ばいだ。依然として巨大なユーザー基盤を持ちつつも、有料のプレミアム会員が伸び悩み、広告収入も減少するなどレシピ事業が苦戦している。

クックパッドのビジネスモデルは、レシピ事業を中核に個人課金と広告モデルのハイブリッド型である。1カ月あたり、国内で5,251万人が利用し巨大なユーザー基盤を持っている。しかし、その数は2017年時点の6,134万人からは1,000万人近く減少してきた。

売り上げの柱は、有料のプレミアム会員によるものだ。しかし、その数は2019年第4四半期で198万人。2017年第1四半期の195万人からは増やしているものの、この3年間のピークの204万人からは下り坂だ。

国内レシピサービスの広告売り上げもこの3年間で縮んでいる。食品業界での広告が、クックパッドのようなレシピ事業からテレビCMや店頭販促へシフトしていることが影響しているようだ。

YouTuberに市場を奪われる

レシピサービスは幾らでも真似ができるジャンルであり、個人がYouTuberのような立場で自らチャンネルを持ち配信し、人気化するものも増えている中で、新たな領域での収益強化が行われなければ、このまま沈んでいくことも十分に考えられる。

これ以外もどの企業にも言えることであるが、従来モデルが伸び悩む中で、どのように収益を広げていくのか? 脚光を浴びた企業群の中でも二極化は進むだろう。

選択と集中というフレーズは、それこそ耳にタコができるほど当たり前に言われるようになっている。特に日本全体が苦境に陥った1990年代以降、ビジネス社会では、この戦略が当然のように受け止められるようになった。

選択と集中:リスクはますます高くなる

しかし、選択と集中には2つの点でリスクがあると考えられる。

第1は、当たりはずれが大きいという点にある。成功している事例も多数あるが、その陰にはそれ以上に失敗している企業も多い。リターンが大きいということは、それだけリスクも大きいということだ。

特定分野に特化して先鋭化させるということは、それだけ外部環境の変化に大きく左右されるわけで、当たれば大きいが外れるリスクも大きいということになる。

個別銘柄への投資を行う上で、収益分散が先々どのような形で見通せるかという点は、今まで以上に必要になると考えられる。

このあたりも投資予測人工知能が、世界中の流行、ブームを読み取り、新たな成功を掴みつつある企業を選定し、最新の情報を発信してくれれば、これほど投資家にとって心強いものはない。

AI TRUSTでは、引き続き精度の高い投資予測人工知能を世界中にアンテナを張り、見つけ出していくので期待してほしい。

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チャーリーTAKA
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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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