経済ビジネス

人工知能が金融市場を安定化させている

フラッシュクラッシュ

フラッシュ・クラッシュとは?

フラッシュ・クラッシュとは短期間の間に株式市場や為替市場で一方的な価格変動が起こることを言う。人工知能、アルゴリズムを利用し、クオンツトレードという超高速トレードが行われ、一方的な売買が偏り、市場を大きく変動させる。人工知能、ディープラーニングが進化した現在、フラッシュ・クラッシュは度々市場でも起こっている。

過去に度々起きているフラッシュ・クラッシュ

2010年5月6日、ニューヨーク証券取引所のダウ平均

2010年5月6日、ニューヨーク証券取引所では41億ドルのクオンツトレードでダウ平均は1,000ポイントを超えて下落し、その後15分で元の価格に戻った。米国司法省はこの取引を行ったトレーダーに対し、株価操作を含む22の刑事訴追を行った。

2017年6月22日、GDAX取引所のイーサリアム

2017年6月22日に、時価総額2番目の暗号通貨のイーサリアムの価格は、GDAX取引所で、数分で300ドル以上から0.10ドルまで下落した。最初は市場操作またはアカウント乗っ取りの疑いがあり、GDAXによるその後の調査では不正行為の兆候はないと主張している。

フラッシュ・クラッシュは数百万ドルの売り注文によって引き起こされ、価格を317.81ドルから224.48ドルに引き下げ、800口座のストップロスと証拠金取引精算を起こさせた。

2016年10月7日、イギリスポンドが急落

2016年10月7日に、イギリスポンドが急落し、米ドルに対して2分間で6%以上下落した。ポンドはその後数分でその価値の大部分を回復したが、ハードブレッドの影響に関する市場の懸念により、その日の取引は終了した。フラッシュ・クラッシュは英国政府に関する否定的なニュース記事に反応するアルゴリズムが原因であると推測された。

2019年1月2日、USDJPYとAUDUSDが4%以上低下

2019年1月2日、USDJPYとAUDUSDでフラッシュ・クラッシュが見られ、数分で4%以上低下し、その後、数分でその価値の大部分を回復した。フラッシュクラッシュの原因は、中国での販売予測の低下がAppleによって報告されたためではないかと推測されていたが、実際のクラッシュの1時間前にレポートが発表されたため、原因は違うのではないかと推測されるが、原因は判明していない。

大きな価格変化を巻き起こすフラッシュ・クラッシュだが、2020年に入ってからの株式市場に対しては、市場を安定させる要因となっている可能性が高い。

市場下落を長期化させない役割

現在、株式・債券・為替・商品いずれの市場も売り局面が短くなる傾向にある。

例えば米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害し、イランが報復のミサイル攻撃に動いた1月の状況は、株式市場の大暴落、為替の大きな変動をもたらしてもおかしくない要因だった。

しかし、実際のところは、一時的な大きな市場下落はあっても、予想外に短期間に市場は元通りとなった。

どちらの場合も円が瞬時に買われ、株価は数時間下落したが、その後市場はすぐにもとに戻った。

新型コロナウイルスにより、経済成長を阻害する恐れが出てきているが、数日間の下げはあっても、それでも株価は世界的に高値圏からの下落は思いのほか小さい。

マイナス金利の広がりによる運用難により、よりリスクを取る資金が世界中にあり余り、下がった場面での押し目買いに繋がっていることも確かだが、アルゴリズム取引の増加も、その要因の1つとして関連づけられそうだ。

外国為替市場のおけるアルゴリズム取引のシェアは過去6年間で2倍以上に膨らみ、全体の27%に達している。

アルゴリズム取引は、商いが薄い休日などに相場の不安定要因になりうるが、その反面、昼夜を問わず超高速かつ低コスト、正確無比に売買ができる利点も持っている。コンピューターが取引を行うため、トレーダーが取引を行うときに起こる心理的、衝動的な行動とも無縁となる。

アルゴリズム、AIを活用したクオンツトレードは、結果的に市場では、大きな地政学的ニュースにすら短期間しか反応せず、比較的速く安定を取り戻す要因となっているのだ。

金融市場を揺るがすようなニュースが発生した際、アルゴリズムはニュースを素早く精査して反応できるだけでなく、そうしたニュースが資産価格にどれだけ影響するかを推計することが可能になっている。最も高度なアルゴリズムなら、経験から学ぶようにディープラーニングを繰り返し、次のショックに備えることができる。

個人利用できるAI、アルゴリズムが待ち望まれる!!

ディープラーニングによるAI、アルゴリズムを活用したトレードが株式市場でどのような売買を行うかといえば、例えば今回の新型コロナウイルスのニュースの場合は、「500人の新規感染者11人の死亡」なら通常は買い、「3,200人の新たに感染220人が死亡」なら売りを行う。

大きなニュースの見出しが流れれば、クオンツトレードに主導された市場がすかさず反応するわけである。

アルゴリズム、AI,ディープラーニングを活用したトレードがますます増える中、個人が活用できるAI、アルゴリズムが待ち望まれる。AI TRUSTでは、世界中から最新のAI,EAを精査、検証を続け、記事の中でも今後紹介していく。是非期待してほしい。

2020年に世界恐慌が必ず来る4つの原因とは?未来にやってくる世界恐慌をある程度予測する方法があるのはご存知だろうか? 世界恐慌は、リセッションが始まりの合図になる場合が多い。...
世界恐慌
【2020年最新版】世界恐慌へのリスクを紐解く恐慌、次の金融市場の混乱はいつ訪れるだろうか? あなたが思っているよりも早く、そしてサブプライムなど過去に恐慌よりも大きな恐慌にな...
ABOUT ME
【AI TRUST編集部】大泉
【AI TRUST編集部】大泉
AI TRUST編集部の為替担当大泉です。FX、為替歴は11年。今までにトレーダーとしても活躍。最近は為替の自動売買ソフトのアドバイザーなども務めており、為替のプロフェッショナル。
AI TRUSTメルマガへ登録しませんか?

毎週1回情報をまとめてお送りします。

AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!