バブル崩壊はいつ起きるのか?バブルが崩壊するきっかけの理由として、今までに下記の4つをお伝えしてきましたが、
本日は、バブル崩壊のきっかけ5つ目の理由「プット・コールレシオ」についてお話させていただきます。
プット・コールレシオとは?
コール型=相場上昇時に利益を狙うタイプを売買が多いのか、プット型(相場下落時に利益を狙うタイプ)を売買が多いのかの割合を意味するもので、次の式で表されます。
プットの売買金額 ÷ コールの売買金額 (5日移動平均)
プット・コールレシオ(PCR)とは、オプション市場の相場観の強弱をはかる指標です。オプション取引は、満期に一定の価格(権利行使価格)で株価指数などを売買する権利を取引しますが、買う権利「コール」を買えば上昇局面で値上がりが期待でき、売る権利「プット」を買えば下落局面で値上がりが期待できます。
PCRはプットの売買代金(5日平均)をコールの売買代金(5日平均)で割って計算します。PCRの上昇はプットの人気上昇、つまり今後の下げを見込む弱気派の優位を示し、PCRの下落はコールの人気上昇、つまり今後の上げを見込む強気派の優位を示します。PCRは逆張り指標として使われることが多く、PCRの急激な上昇は大底局面、急激な下落は天井局面となることが多いです。現在のオプション市場でも市場の熱狂ぶりは顕著になっています。
シカゴのPCRは異常値で既に危険水域
シカゴ・オプション取引所のプット・コール・レシオは8カ月にわたっており、これはドットコム・バブル崩壊直前以来の低水準で推移しています。これはロビンフッターがオプション取引を徹底利用していることも影響していますが、素人投資家が市場に参加してすぐにオプション取引を行うこと自体がバブルだと考えられます。
「人が売る時に買い、人が買うときに売れ」
「悲観を買って楽観を売れ」
こんな投資の格言がありますが、今の市場は完全な楽観状況が多数を占めているように感じられます。ロビンフッターは一方方向に動く傾向が強く、相場の急落を引き起こす要因になると考えるべきでしょう。
アメリカでは既に一人当たり15万円程度の助成金が配られていますが、多くの専門家が予想したような、この資金の流入による金融市場の上昇は起こっていません。少し風向きが変わってきているとも考えられます。
ゲームストップ株あたりの乱高下は大した問題ではありませんが、ロビンフッターの投げ売りでテスラが大暴落するようなことがあれば、過剰流動性バブルの崩壊につながるかもしれません。
米国債10年もの金利が急上昇することがあれば、テスラ株は急落する可能性は高いです。そしてテスラ株の急落はレバレッジ取引をする多くの個人投資家に直撃し、売りが売りを呼ぶ状況に陥るでしょう。日本のライブドアショックの時のように、急上昇したIT系を中心とした銘柄が急落する恐れがあります。
もし投資家が株式市場より先にオプション市場に一斉に向かえば、市場はそうしたオプション購入に反応して動くという本末転倒の状況ともなりえます。オプション取引の急増自体が金融市場に自体に大きな悪影響を及ぼすでしょう。
金融市場の発展
そして、誰もが簡単に扱えるプラットフォームの浸透。
これらにより、金融市場の暴落が起こるリスクが急激に高まっていることを、意識しておくと良いでしょう。これを理解をしておくことで、
今なぜ市場が動いているのか?
このあとどうなっていくのか?
大まかな予測は立てられやすくなります。経済規模の拡大ということそのものがバブルである。
この意味合いも是非理解してみてください。規模拡大という面では注意しなければいけないのが、中国の不動産市場です。
中国不動産バブル崩壊にも注意を
中国の各金融機関から貸し出されている不動産関係の融資残高は昨年の段階で約775兆円に達しています。日本経済が1990年代以降低迷を続けている理由は不動産バブル崩壊にあると考える中国政府は、あらゆる手段を講じて不動産バブルの崩壊を回避してきましたが、不動産価格の高騰が出生数の大幅減を招く事態となっています。このような事情から中国では4月から全国の金融機関が住宅ローン業務を全面的に停止すると噂されています。
中国の社債市場では、当局の引き締め策の影響を受けて、今年に入りすでに100億ドル規模のデフォルトが起きています。3月19日に開催された米中外交トップ会談での非難合戦を嫌気して、中国株式市場でもパニック売りが起きています。
もし中国で不動産融資が急速に締め付けられる自体になれば、そこからの中国不動産価格の暴落、中国株の暴落。それが世界に飛び火していく。このリスクも理解し、備えておく必要がありますね。
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