恐慌特集

バブル崩壊のきっかけ ② 日銀株の急騰・暴落

バブルの最中はボラティリティも高く、右肩上がりの相場では、多くの人が利益を出しやすい環境にあります。投資の初心者であっても、ただ買ってさえおけば、右肩上がりの相場では利益を得ることが容易くできます。しかしこれは本人の実力などではなく、単に相場環境が良いだけの話です。

しかしこれがしばらく続くと、多くの人は自分の実力だと過信します。そして相場が下落する状況になると、起こっている状況に理解できず、フリーズ状態に陥るか、投げ売りをします。そして投げ売りが増えれば、売りが売りを呼ぶ状況になり、相場は暴落します。重要なことは何度も繰り返していいますが、バブル崩壊を予知し、崩壊前に逃げることにあります。

バブル崩壊に関する様々なチェックすべき指数とは?

バブル崩壊前には様々な指数で変化があり、ここをうまく捉えることでバブルをある程度予知することが出来ます。

その1つが日銀株です。

日銀株

バブル崩壊のタイミングを読み解く鍵のひとつとして、日銀株を見ておくことをお勧めします。日銀株はバブル期には4年間で、株価が40倍になった経緯があります。この時代を知る投資家にとっては投機対象の1つとして認識されています。

日銀株は1984年の8月に付けた上場来安値1万8000円から1988年12月の上場来高値75万5000円の上場来高値まで約41倍に上昇しました。

ジャスダック市場に上場している日銀株は、正確には株式ではなく政府が55%出資する出資証券ですが、1980年代のバブル期には最安値から、40倍以上の上昇を記録した経緯があるだけに直近の急騰は過剰流動性相場を象徴する動きとの見方も出ています。最近でも、2月末は2万円台だった株価が3月4日には54000円まで急騰しました。

商いが少ないだけに一つの方向に動きやすいのも特徴です。投資家の心理を反映し、取引の需給関係に押される部分があります。昨年以降は下落基調で割安の水準に放置されていましたので、そこに着目した個人投資家が今回はいたのかもしれません。取引量が少ないため、すぐに急騰し、さらに買い進む材料がないため利益を確定する売りで急落もしました。

このあと継続的に日銀株が上昇するようであれば、過剰流動性バブルの余った資金が集まっているからであり、バブルの最終局面は様々な金融市場は急騰、急落を繰り返しますので、バブル崩壊を見計らうには必要なものになると考えておきましょう。株式投資をしている方であれば、チェックポートフォリオを作成し、日々チェックする株銘柄のひとつとして、日銀株を加えておくことが良いでしょうね。

日銀の総資産は膨張し続けている

新型コロナウイルス対応による資金供給で日銀の資産が急激に膨張しています。2020年12月末時点で702兆円となり、1年前に比べ129兆円も増えました。これは1998年以降で最大の増加額です。欧米の中央銀行でもコロナ対応の資産購入が膨らんでいますが、日銀の総資産の内容はかなり歪な構造となっています。

コロナ禍で上場投資信託(ETF)を年12兆円まで買い入れできるようにした結果、日銀の持つETFは前年比25%増の簿価で35兆円となりました。2020年の買い入れ額は約7兆円で過去最高でした。日銀の買い入れ効果もあり、コロナの感染拡大で株価が急落した3月に比べ、東証一部全体の時価総額は130兆円程度増えましたから、市場の下支えの大きな効果があったことは確かです。日銀の保有するETFは時価で45兆円を超えているもようで、ETFに関して言えば、大きな含み益を持った状態にあります。ただし、日本株の最大の保有者になっていますので、このEFTをどのように市場で売却をしていくのか? 非常に難しいさじ加減が必要となります。

日銀の売りが始まれば、それがきっかけとなり相場を急落させる恐れもあります。

国債保有額も急増中

一番の問題だと考えられるのは、国債保有額の急増です。国債の残高も535兆円と11%増えています。特に償還まで1年以下の短期国債は41兆円と4.4倍に急増しました。政府が新型コロナ対応で補正予算を組むため、短期国債を大量発行して日銀がこれを吸収した形です。巨額の財政ファイナンスが実質的に行われているのです。

財政ファイナンスとは?

中央銀行が通貨を発行して国債を直接引き受けることをいいます。「マネタイゼーション」とも呼ばれます。日本では、極端なインフレを引き起こす恐れがあるとして、財政法第5条によって特別の事由がある場合を除き、日銀による国債の直接引き受けは禁止されています。しかし現状は、財政ファイナンスが恒常的に既に行われており、日銀は既に日本国債を535兆円という途方もない額を保有しているのです。

米10年債金利が今後2%を超えて急騰するような状況に陥れば、日本国債の金利も釣られて上昇することが考えられます。そうなれば、国債価格が急落しますので、日銀の保有する535兆円の国債は巨額な含み損を抱える状況になります。日銀の持つ純資産など、国債急落時の損失から考えれば吹き飛んでしまい、実質的な債務超過の状況に陥ることになります。簿価で保有するために損失が出ることはないというのは完全な屁理屈ですし、上場企業は時価会計が当たり前であり、大きな矛盾点でもあります。

米国債の急騰から日本国債の金利が上昇。そして日銀が持つ潜在的な含み損を嫌気され、日銀株が急落する。これにより、今の過剰流動性バブルの危険性を多くの投資家が認識し、パニック売りにつながれば、バブル崩壊に繋がる恐れがあると考えておいた方が良さそうです。

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チャーリーTAKA
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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