FTX、アラメダが破綻して早くも1週間がすぎました。破綻後の暗号通貨市場の動きは割合落ち着いていますが、まだまだ余談を許さない状況です。
FTXのオーナーであるバンクマンフリード氏が行った一連の行為がこの1週間で大体理解できましたので今回はこれをまとめてみたいと思います。
バーナード・マドフ事件
暗号通貨市場最大の詐欺行為というか、過去の金融市場での詐欺行為と比較しても市場最大のねずみ講と言われたバーナード・マドフ事件以来のことだと思います。この事件も当時金融市場に衝撃が走りました。
リーマンショック後に表面化した事件でしたから、まさに今の暗号通貨市場の昨年後半からの下落状況とも一致するのです。
マドフ事件はこちらの日経の記事がわかりやすいです。
史上最大のネズミ講詐欺師 マドフ受刑者死去
史上最大のネズミ講詐欺とされる事件の首謀者で元ナスダック・ストック・マーケット会長のバーナード・マドフ受刑者が米ノースカロライナ州の連邦刑務所で死去した。82歳だった。事件は日本の金融機関も含む米国内外の著名投資家を巻き込み、被害総額は含み損ベースで650億ドル(約7兆円)に上った。禁錮150年の判決を受け、服役中だった。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14E4N0U1A410C2000000/
今回のFTXの行為:時系列
① FTXとアラメダでFTTトークンの85%以上を保有し、幾つかの口座を使いキャッチボールでFTTの価格の釣り上げ
② 0.1ドルから80ドルまで上昇させる中で少し売り抜き、更に出来高を作ることで売買手数料を搾取、FTXの顧客もFTTトークンを購入し売買することで手数料も大量に稼げるわけです。
③ 市場での売買板が薄く売り抜けできない段階ではFTTトークンを担保にしてFTXからアラメダは借入、これは実質的に顧客資産の使い込みを行っているわけです。
④ 更にはFTXからアラメダはFTTを担保で多額の借入。ここでも多額の顧客資産の流用を行っているわけです。
⑤ アラメダからバンクマンフリードは個人として10億ドルを無担保で借入しています。
⑥ FTTトークンが暴落する段階で既に財務的には破綻、そのため無理なトレードをハイレバで繰り返し
LUNA:UST価格を崩壊させたのはアラメダの可能性大??
バンクマンフリード自身がFTX&アラメダ&FTTを使って行っていることとある意味似通っており、裏側を理解していたのではないかと推測しています。LUNA:USTの価格崩壊を理解し大量にショートを行い、大きな利益を得た可能性が高いです。この時は既に自らの、そしてFTX、アラメダの資金繰り自体も火の車なのですが。
⑦ 既に財務・資金的にはとうの昔に債務超過に陥っていました。その中で繰り返し巨額の資金調達をVCから行って穴埋めしました。しかしこれでは到底足りません。
⑧ コインデスクのすっぱ抜き記事からバイナンスのCZが保有FTTを急きょ売却をツイートしたことでFTTトークンが暴落しました。
⑨ バイナンス買収話も財務ズタズタで手の施しようもなく、翌日には破談。そしてNFT,アラメダは破綻となりました。
↓CTRではバイナンスの破談前に市場暴落を警告しています↓
これ以外のFTXが行っていた大きな問題点
① FTXの残り資金が内部犯によりハッキングして流出したこと
② FTXが企業に出資する条件として顧客資金をFTXに預ける義務を課していた事が判明
これにより FTXが出資した企業は全部ダメージを受けており、ここからの連鎖破綻が
懸念されます
③ 500億円分の大量のFTTトークンが勝手に発行されています。
これも絶対にあってはならない行為です。トークン価値の裏付けが根本的に崩れます
④ バックドアが意図的に作られていて、監査に引っかからないように資金を引き出せる
ようになっていた。明らかな犯罪行為です
⑤ FTXのアプリにマルウェアが仕込まれていた
⑥ FTXにおけるアラメダのアカウントだけは、大きなマイナスがでても清算されない特別仕様になっていた
FTXが出資した企業はFTXに資産を預けさせる構造になっています。この構造だと破綻連鎖はこれからになります。
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