中国の覇権主義が進んでいるが、覇権主義とは一体何か?
wikipediaから引用ですが、
覇権主義とは、特定の国家またはそれに準ずる政治体制が、外交・軍事における覇権を目指す傾向のことである。具体的には、当該国の実利的利害関係にのみ基づいて他国に対する対応を決定し、敵対国に対する侵略戦争や先制攻撃によって(若しくは挑発を行なって相手に攻撃させ開戦の正当性や大義を主張し)領土の拡大や自国の安全保障を行い、同盟国や敵対国の反対勢力に対する軍事・経済協力を進める外交政策を取ることになる。それを実行し、覇権を獲得した国を覇権国家と言う。
※WIKIPEDIAより
中国が世界のリーダーを目指していることは間違い無いだろうが
WHO,国連等、世界の様々な機関への中国の影響力はますます強まっている。新興国、途上国各国に対しては借金漬け外交を行い、がんじがらめにしている。新型コロナではマスク外交を行い、人道的支援を体外的には見せている。
しかしその本当の狙いは何処に在るのか? 世界にとって大きなリスクとなりえないか?最近の中国の行動をまとめてみることにしよう。
軍拡化を推し進める中国
全人代で2020年国防予算を前年比6.6%増の1兆2,680億元(約19.2兆円)とする方針が発表された。世界的なコロナ感染拡大が続く中でも、中国の軍拡路線に変化は見られず、これに対して周辺各国は警戒を強める必要がある。
国防費は日本の3.6倍
当初、今年は新型コロナ感染拡大による経済の悪化で、国防予算が減額されるとの見方も出ていた。しかし、伸び率は前年の7.5%を下回ったものの、6.6%となった。そして額は過去最高を更新し、日本の2020年度防衛予算である、5.3兆円の3.6倍に上っている。
新型コロナによる中国経済の傷は深く、全人代では今年の経済成長目標も公表できなかった。そのような中で、国防予算を約1.1兆円も増やすのは明らかにバランスを欠いていると感じる。中国の軍事費は過去10年で倍増し、今は米国に次ぐ世界2位になっている。
南シナ海での強硬姿勢
南シナ海で国際法違反である軍事拠点化を進め、習近平国家主席が台湾統一に向け武力行使も辞さない方針を示すなど、中国の覇権主義的な動きは目に余る。沖縄県・尖閣諸島沖の日本領海でも今月、中国公船が日本漁船を追尾する事案が発生した。
軍拡によって、こうした動きを強めることは本来許されないものだが、どの国も批判はしても、それを止めることができず、中国が好き放題進めているのが現実である。
米国への対抗姿勢強化
米国への対抗姿勢も露骨に示している。昨年10月には、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイルを軍事パレードで初めて公開した。
米ハワイの攻撃も可能な最新鋭ステルス戦略爆撃機も開発中である。核戦力増強も急いでおり、米国への攻撃力は一気に向上しており、これがアメリカのトランプ大統領の、中国に対する強硬策にも繋がっているのは間違いない。
香港では国家安全法を
今回の全人代では、香港に適用する新たな国家安全法に関する審議が行われた。国家分裂や政権転覆をたくらむ行為を禁じる内容だが、香港の一国二制度を形骸化させるものとなり、香港では日々デモが繰り返されるが、警察隊の強硬姿勢も変わらず、香港の自由は奪われていくだろう。
欧米各国は中国の行為に対して反対意見を言いつつも、アメリカの黒人圧死から始まる人種差別問題デモは欧米各国で広がる中、アメリカ国内でのトランプ大統領の対応ミスにより、香港に対する中国の行動への批判が、全く説得力のないものにしてしまった。
貿易戦争から覇権争奪戦へ
今回の米中貿易戦争が覇権争奪戦に転化しているように感じられる。米国は、中国のウイグル人迫害を非難し始め、人民解放軍を制裁し、台湾への軍事支援を強化している。中国は、GDPでも軍事費でも世界2位の大国となっているが、今回のこの派遣争奪戦で中国が勝利することはできないだろう。ただしアメリカが勝つというわけではない。
中国経済がこのあと悪化していくのは必然で、中国のGDP成長率は2008年9.6%、2009年9.2%、2010年10.61%、2011年9.5%となっている。中国は2008年に起きたリーマンショックの影響が皆無であるかのような成長を続けていた。
ところがその後を見ると、2012年7.9%、2013年7.8%、2014年7.3%、2015年6.9%、2016年6.72%、2017年6.86%、2018年6.6%と、着実に鈍化している。
日本より30年遅れの中国
日本と中国の国家ライフサイクルを比較すると、様々な数値から、中国は日本から約30年遅れていることがわかり、日本がバブル崩壊後に経験したことが、このあと中国を襲う可能性が高いのだ。2020年代は中国の暗黒の20年に突入する可能性も高いと考えられる。
様々な国内問題が一気に表面化することで、その問題解決が最優先され、覇権主義など言っていられる状況では無くなる可能性もある。
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原状の共産党体制自体が維持できるのか?この大きな不安もある。
外資が中国から加速して逃げ出す
日本政府が尖閣を国有化した2012年、日中関係は戦後最悪になった。それで日本では、生産拠点を中国の他にもつくる、チャイナプラスワンという考えが一般化した。日中関係の悪化が直接的原因だったが、中国の人件費が高騰し、利益が出にくくなったことが長期的理由だった。
今多くの外国企業が中国から逃げ出している。これは、国家ライフサイクル論では、まさに成長期後期の典型的現象なのだ。つまり、米中貿易戦争が始まらなくても、中国経済の栄華は終わりつつあったと考えられるのである。
国家ライフサイクル通り、中国の経済的繁栄は終わりつつあるのであれば、米中貿易戦争は、この繁栄終了のプロセスを加速させることになるだろう。そして結果的に、中国は今回の覇権争いには勝てないということが言えるわけだ。しかし、更にその先を読み解いたときにはまた違う予想もできる。
中国政府にはトランプ政権が都合良し
中国政府はトランプ政権の継続を支持する方向に傾いていると、9人の現・元政府関係者が明らかにしている。トランプ政権は対中強硬策を取り、貿易摩擦の継続や地政学的な不安定で中国は打撃を受けるが、それ以上に、米国が戦後築いた同盟国のネットワークの信頼関係が崩れることにより、欧州や新興国、途上国との関係強化ができ、大きな利益が得られると考えているためである。
中国の覇権主義にとっては、目先のアメリカとの関係よりも、世界各国の中での自国地位向上が今は優先されるということだ。
日本は何処を向いて進んでいくのか?
トランプ大統領の下で、アメリカが世界のリーダーの地位を放棄してしまう中、次の時代を日本はどういう立ち位置で世界の中で在るべきなのか?何を目指していくのか?より具体的なビジョンと行動が必要とされている。
欧米はEU全体としてアメリカとは一定の距離を保ち、中国との適度な距離感での関係を構築している。日本がその場しのぎの風見鶏であっては、何処の国からも信頼されない。かといってアメリカに追随しようにも、世界のリーダーの地位からアメリカが降りるのであれば、日本はアメリカにとって都合のよい対中国の防波堤の役割としての扱いを受けることになりかねなく、リスクだけ高まることになる。
そして中国に寄り添えば、今の韓国のように、中国にいいようにやられてしまうのは過去の様々な事例を見ても明白である。
台湾を始めとするアセアン各国との対中国協調対策を日本のリーダーシップの元で強化していくことが、一番正しい選択と考えられるが、そのリーダーシップを今の日本がとれるのか? これは全く別問題の話になってしまい、様々な問題を抱える日本には、今はその余裕さえ無いように感じられる。
現在起こっている日本の様々な問題。これは個人個人にのしかかってくる問題でもある。こちらから内容を改めて理解し、個々、できる解決を実践していってほしい。
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