恐慌特集

中国社債デフォルトによる経済混乱が加速中【地方政府の隠れ債務も表面化】

中国 社債 デフォルト

2019年12月、中国では天津市所有の商品取引会社、天津物産集団が発行するドル建て債がデフォルト(債務不履行)に陥った。

中国の地方政府が直接、間接的に関わる企業のデフォルト(債務不履行)が相次いでいる。

中国民間企業の社債デフォルトが過去最高に!

中国の経済成長率が過去30年間で最低になったことも影響し、2019年は中国の民間企業の社債デフォルトが過去最高の4.9%になったわけだが、2020年は更にこの規模が拡大、悪化することが予想される。

中国 社債 デフォルト
※画像引用元:Fitch Ratings/Financial Times

中国では資金調達が厳しくなる中、国内債とオフショア債市場の両方で今年はデフォルト(債務不履行)が増加する可能性が高く、比較的脆弱な国有企業や地方政府系投資会社はかなりの数が危うくなるであろう。そして、これは同様に不動産市場にも大きく悪影響を及ぼす可能性が高い。

オンショアで債券を発行した中国の民間企業のうち、2019年11月までにデフォルト(債務不履行)が発生した比率は過去最高の4.9%となり、12月で5%を超えた。

つまり、2018年のデフォルト率4.2%から20%以上上昇したことになる。

オンショア社債市場の規模は2兆7,000億ドルと推定されるが、今後2年以内に満期を迎えるオフショア債は2,000億ドル超あり、2019年が890億ドルからだったことから考えても非常に高いリスクが継続することになる。

2020年は3兆円を超えるデフォルトが発生する!

2019年は海外で資金調達ができるある程度以上の大手国営企業6社、大手民間企業42社が2019年10月末の段階でデフォルトを起こした。

2020年には新規デフォルトは40〜50社は見込まれ、総額は3兆2,000億円程度と見込まれているが、中国経済の落ち込みが予想を上回ればこれを大きく超える可能性も高くなる。

今後、中国企業が海外での資金調達が難しくなることが予想されるが、中国内での資金調達しか打つ手はなくなれば、借入利率は高くなり、さらなるゾンビ企業が発生するリスクも高く、地方政府が大きな負債を積み重ねることに繋がる。

習近平体制の中で地方の不正、不良債権の浄化を目指していて、日本のバブル崩壊を相当深く研究し、慎重に進めているようには見えるが、コントロールに失敗すれば、中国内の金融市場は大混乱に陥るリスクも高い。

巨額な借入を行う企業の多くに不動産開発会社も含まれているため、これらの企業の財務状況の悪化は、手持ちの不動産在庫の投げ売りに繋がり、そこから不動産バブルの崩壊にも繋がる可能性は高いわけだ。そして、それに合わせる形で経済成長の恩恵を殆ど受けなかった地方住民の不満が高まり、地方部での暴動は更に輪をかけて酷いことにもなることも予想できる。

共産党体制維持のために、国民の不満を外部に向けさせるため、仮想敵国は必要となり、落ち着いている米中貿易戦争は再度激化する可能性も高くなる。

香港に対しての姿勢もより強固になる可能性も高くなるであろうし、日本に対しても同様にその目が向けられることになり、現在ある様々な日中間の問題は解決など到底難しく、悪化することも予想される。

中国企業、政府の社債問題は、2020年の大きなリスクの一つである事は間違いなく金融市場の大混乱が起こる可能性も高く、様々な投資に注意が必要となる。

中国企業のデフォルトが広がるとどうなるのか?

習近平主席は明確な姿勢でゾンビ企業に対しての金融引締指示を出し続けている。

日本のバブル崩壊も日銀の金融引締がその発端となったわけだが、日本のバブルを研究している中国当局がバブル崩壊を回避することができるのか?

バブル当時の日本の民間債務は221%まで上昇したが、中国は既に230%を超える状況にあり、他の先進国と比較してもこの数字は異様に突出している状況にある。

中国企業のデフォルトから広がるリスクとは?

中国企業のデフォルトから広がるリスクについて、中国の一般家庭も含めて分かり易く解説してみることにする。

2020年、2021年に総額2,000億ドル程度、日本円で22兆円程度の社債返済期限が迫っているが、返済する資金がなければデフォルトをするか、さもなければ、資金繰りが苦しくなる企業、家庭は、より高い利息を払ってでも目先の資金繰りのために資金を借りてくることになる。

現在の中国では、新型暴力団による闇金融が広がり、社会問題化しており、闇金融からの借入金利は最終的な時点では年率2000%にもなる。

このような高い金利を借りて継続支払いなどできるわけなどなく、多くの家庭が破綻をし、支払いのためにアンダーグラウンドの世界で強制的に働かされる事例が増えている。

企業の場合は中国国内でシャドーバンキングを通じた融資を受けるという選択がある。

シャドーバンキングは既に1,000兆円を超える状況にあり、シャドーバンキングの利息は年間12〜15%が相場だが、資金調達が苦しい事情を見透かされることで、更に高い利息を要求される。そして資金繰りが回らない企業にそれを返せるあてもなく、遠くない先に破綻の道が待っている。

融資先の破綻が増えればどうなるか?

シャドーバンキングに資金を出している側が資金の回収ができなくなり、破綻企業だけでなく、シャドーバンキングに投資をする資金の出し手もお金が詰まることになる。

総額1,000兆円を超える額のうち、仮に20%が不良債権化しても200兆円の規模となる。

個人であれ企業であれ、資金が返せなくなれば担保となっている資産は全て強制的に売却されることになり、これは不動産価格の下落に直結することに繋がり、不動産市場全体の暴落、不動産バブルの崩壊に直結するリスクが多大にあるわけだ。

日本のバブル崩壊では、株式、不動産とあわせて1,400兆円を超える資産が失われた。

中国の社債フォルト、シャドーバンキング市場崩壊から繋がる形での中国バブル崩壊が起これば、その規模は日本のバブルの比ではなく、数千兆円単位、それ以上の資産喪失が考えられる。

多額の債務を抱える中国企業の多くは不動産開発系でもあり、中国不動産バブル崩壊は、ここからはじまる可能性が最も高いのではないだろうか。

中国の地方政府が持つ隠れ債務が表面化してきている

地方政府の隠れ債務はどのようなものがあるか?

・償還能力がない融資平台の債務
・官民パートナー方式で行うプロジェクト債務
・地方政府が地方調達の形で積み上げる債務
・ゾンビ地方国営企業の債務、未払い社会保証赤字

地方政府はあの手この手を使って債務を積み上げており、財政部は穴が開かないように必死に防いでいる状況にある。

既に中央も含めた政府債務率は国際警戒水準の60%を超える水準になっていると予想され、社会主義国家の中で、経営能力というものをそもそも持たない地方政府の債務であるわけで、今後も状況は悪化し続けることが予想できる。

人類の過去の歴史の中でたびたび発生するバブルだが、問題の先延ばしを繰り返せばするほど、それは先々より大きな形で破裂することは過去の歴史が証明している。

中国地方政府の隠れ負債、企業の社債デフォルト、さらなる問題の表面化により、世界経済への大きな悪影響に繋がるリスクは日に日に高まっている。

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チャーリーTAKA
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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