コロナ特集

【特集】新型コロナ 悲惨な状況が予想されるアフリカ

アフリカコロナ

新型コロナがアフリカで広がっている

3月25日時点での新型コロナウイルスの感染者は世界で417,966人、死者は18,615人に増加している。特にここに来て、インド、パキスタン、中東、アフリカへの感染拡大が進み、衛生面に問題があり、医療体制が整わない中での感染拡大が心配される。

アフリカの人口は13億3,000万人おり、ウイルスは一度広がり始めれば急拡大を止められないであろう。貧困と食糧不足、さらには民族間衝突・紛争が続いている開発途上国が大半のアフリカ各国であり、新型コロナがさらなる問題を引き起こすことになる。

アフリカの大半の国は医療崩壊している

ウイルス感染予防には頻繁に手を洗うことやマスクの着用が奨励されているが、アフリカの大半の国では手を洗う水道水も完備しておらず、地域によっては病院などの医療施設が全くないところもある。

米主要シンクタンク、戦略国際研究センター(CSIS)のアフリカ問題政策部長、ジャッド・デバーモント博士は、3月18日緊急論文を発表したが、その中で「アフリカにとっての新型ウイルスは住民の生命・健康問題や経済問題だけでなく政治危機である」と警告を発した。

論文から引用
(サハラ砂漠以南の地域)サブサハラのアフリカ諸国は新型コロナウイルス感染拡大に直面している。これは住民の生命・健康に対する脅威やそれに伴う経済上のカタストロフィー(大惨事)を生じさせるだけではなく、政治的危機をアフリカ大陸にもたらしかねない。アフリカ諸国のリーダーたちやメディアは新型ウイルスの脅威について気づくのがかなり遅かった。アジアや欧州では感染拡大が続く中で、2月から3月第1週まではアフリカ大陸への感染進度が極微だったことなどがその要因だ。しかし3月に入り、感染はじわじわと増え始め、3月18日段階ではサブサハラ25か国で感染者が次々と出始めた。
感染者は南アフリカ、ケニヤ、ナイジェリアで多数続発し、陸封の中央アフリカや人口小国の赤道ギニアなどにまで拡大している。サブサハラ諸国の経済は新型ウイルスの直接侵入する前からすでにスローダウンし始めていた。最大の貿易相手国である中国がウイルス禍に直面したためこれら諸国にインパクトを与えていたからだ。中国は貿易相手国だけでなく、アフリカの天然資源獲得の見返りとして資本投資やインフラ整備を行ってきている。特にサブサハラ諸国46か国にとって、中国は最重要なパートナーになっている。それだけに中国を震源地とする新型ウイルスはアフリカ諸国にとっては最悪の事態を招いたと言っていい。

国際通貨基金(IMF)は今回のウイルス禍発生直後からアフリカ諸国の経済的リスクを警戒していた。中国向けの石油など天然資源を輸出してきたナイジェリア、アンゴラ、コンゴ民主共和国、ザンビアなどは原油価格下落で経済は混乱状態に陥っている。こうした状況は実際に新型ウイルスが上陸し、感染拡大したことで公衆衛生上の危機で一層悪化、アフリカ諸国はウイルス禍だけでなく、それに伴う経済ショックをまともに受けてしまっている。

アフリカには抜本対策実施の能力がない

デバーモント博士はアフリカ諸国政府には大規模な感染者の隔離措置や出入国制限など欧米アジア諸国が行っているような抜本対策を実施するだけの能力はない点を指摘しており、世界の先進各国が自国内の感染拡大阻止で手一杯なだけにひとたび感染者が出れば、感染拡大を止める手は全くない事になる。

さらに内政不安定なナイジェリア、ガボン、モザンビーク、ザンビアなどでは野党勢力との政治闘争や反政府武装勢力によるテロも起こりうる可能性も指摘している。

新型ウイルス感染拡大は、サブサハラ諸国ではただ単に感染拡大阻止だけではなく、政治・経済的カオスすら招きかねない危険をはらんでいる。

欧州ではすでに新型ウイルス感染者が7万4,000人に上っている。これに対してアフリカでの感染者は19日現在250人程度だ。その理由はアフリカでの感染検査数が極めて少ない為か、あるいは新型ウイルスをウイルス性肺炎と誤って分類しているのかのどちらかだ。

これが現在のアフリカ諸国での新型コロナの現状であり、実際の感染者数は10倍から100倍まで広がっている可能性もある。

アフリカでの感染者の重篤患者化率が非常に高い

医学専門誌ランセットによれば、感染者の約3分の1はICU(集中治療室)に移送され、そのうち29%が呼吸困難に陥っているという。

アフリカの場合、目下感染者数は少ないが、3月18日には233人だったのが、このところ1日ごとに急増している。また感染国も25か国に増えている。

国によっては外国から入国した人が持ち込んだのではなく、国内で感染者が増えている『市中感染』が感染の中心となっているようだ。諸外国の例では検査数を増やせば増やすほど感染者を見つけ出せるが、アフリカの場合、検査数が適切でないと判断する材料がありすぎる。

アフリカ諸国は今もなお結核、HIV、マラリアなどの各種伝染病への対応を迫られており、飲むには不適切な水や完備していない衛生・下水設備がこうした伝染病撲滅の障害になっている。こうした状況下で新型ウイルス感染が拡大すれば、アフリカ諸国政府が厳しい立場に追い込まれるのは必至だ。感染拡大を阻止する財政的な資源は全くない。

世銀やIMFはアフリカ諸国に対する資金提供を約束しているが、それだけでは足りない。アフリカに深く関わり合いを持つ、中国や欧米からの多額の援助が必要なことは言うまでもない。

難民がヨーロッパを訪れたとすると・・・

新型コロナのアフリカでの蔓延による政治不安、テロ、そして難民が再度ヨーロッパを目指した時、既に新型コロナが蔓延しているヨーロッパ各国にはコロナ感染リスクも高い難民を受け入れられる余裕などなく、ヨーロッパを再度コロナパニックに陥れることになるだろう。

コロナテロが行われるリスクも

そして溜まった不平不満は先鋭化し、感染者自体、自らが新型コロナテロと言う形で蔓延が落ち着いた世界中の大都市の繁華街に現れれば、ワクチンが開発されるまでは、延々と蔓延は繰り返されることになり、そのたびに移動制限がかけられるとすれば、経済がどこまで落ち込むかなど、誰も計算することなどできなくなってしまう。

世界各国は、現在、アフリカ諸国のことまでかまっていられる状況ではないかもしれないが、新型コロナ蔓延による最もリスクの高い問題のひとつがここにあることは間違いないのである。

アフリカを通貨暴落とインフレが襲う

新型コロナの蔓延により、アフリカの経済活動の多くが停止し、外貨はアフリカ各国から逃げていく。これにより各国の通貨は下落が続くことになり、物不足は深刻化し、インフレ、ハイパーインフレが各国を襲うことになる。政権転覆、内戦増加も予想され、アフリカは10年は経済成長が遅れることになるであろう。

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【AI TRUST編集部】大泉
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AI TRUST編集部の為替担当大泉です。FX、為替歴は11年。今までにトレーダーとしても活躍。最近は為替の自動売買ソフトのアドバイザーなども務めており、為替のプロフェッショナル。
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