世界最大の政治リスク専門コンサルティング会社
ユーラシアグループ。1998年に政治学者のイアン・ブレマー氏によって設立された、世界最大の政治リスク専門コンサルティング会社ですが、年始に2021年のリスクを発表しています。世界情勢がそれほど詳しくない方も、なんとなく聞いたことがある内容も含まれていると思われますが、日頃何気なく報道で耳にしていることが、大きなリスクとなり襲いかかることは過去にもなんども起こっています。
特に投資をされる方は、ブレマー氏が注目している、リスクを理解して情報収集をする、というのも合理的です。また、日本にとってもリスクが高まる年とも述べらてています。今回は、10大リスクを紹介しますのでぜひ参考にされて見てください。
2021年リスク・4位まで一挙ご紹介
まずは、2021年のリスクとされている内容を10位から4位までご紹介します。
4位:米中緊張関係の拡大
5位:データ競争
6位:サイバーリスク、転換点
7位:孤立無援のトルコ
8位:原油価格低迷で中東に打撃
9位:ドイツのメルケル首相退陣、欧州情勢
10位:混乱が続く中南米
米中問題は、貿易から始まり、通貨覇権争いまで続いていますが、昨年の新型コロナウイルス感染拡大で米国だけではなく、中国に対して不信感を抱く国はあります。そして戦争は常に起こっているのが、サイバー空間です。民間だけでなく、政府としてもサイバー空間の扱いは問題視されています。
トルコは昨年も通貨安で苦しんでいますが、今年も打破できない見方が強いようです。原油価格の低迷は、コロナショックの引き金ともなりましたが、エネルギーのシフトなどが出てくると中東の打撃は続きます。
個人的に気になっているのがドイツのメルケル首相の退陣です。これは、ドイツだけのリスクではありません。現在不安定な欧州全体にとってリスクです。EUを牽引し、ギリシャ問題などあらゆる苦難を15年にも渡って乗り越えて来た強者が抜けるということ、英国がEUから抜け新しく立て直す必要がある中での、新型コロナウイルスの大打撃など課題は山積みです。
欧州情勢、ユーロ通貨は意識しておきたいところです。最後に混乱が続く中南米、パンデミック以前に直面していた政治・社会・経済問題が、一段と厳しくなるリスクがあります。
2021年リスク・トップ3
4位から10位までを見ただけでも、いやになるほどのリスクがありますが、それ以上のリスク、トップ3が以下の通り。
1位:米国の分断、バイデンリスク
2位:コロナ問題長期化
3位:グリーン化
1つずつ見て見ましょう。
グリーン化
国内でも菅政権下で取り上げられている「デジタル」と「グリーン」。これは世界で力を入れていこうという流れですが、「より野心的な気候変動対策による企業や投資家のコスト」と各国・地域の計画協調を「過大評価することによるリスク」があるとユーラシアは指摘しています。耳障りのいい分野だけに注意が必要です。
コロナ問題長期化
昨年の今頃はまだ新型コロナウイルスについて知っている人は少なかったのではないでしょうか。2020年は、新型コロナウイルス(COVID19)に感染、経済と苦しめられましたが、すでにワクチンが開発されて接種も始まっています。ただ、次なる変異種も発見され、COVID20、COVID21なども懸念されており、世界のロックダウンや日本では緊急事態宣言など長期化がリスクとなります。
米国の分断、バイデンリスク
これも新型コロナウイルス同様、突如出て来たリスクともいえます。昨年11月の大統領選でバイデン氏がトランプ氏を破って大統領に・・というところまでは良かったのですが、トランプ陣営は、不正選挙があったと訴えています。そして1月になった現在でも分断はおさまりを見せていません。
不正選挙があった、なかったも重要ですが、世界のリーダー国である米国が、大きく分断しているということはリスクですし、それをバイデン氏がまとめる器があるのか、というところが未知数です。
日本も軽視出来ないリスク
日本視点で見ると、特に1位の米国の分断や米中問題は軽視出来ないリスクです。米国が分断すると中国側がなにをしてくるか分からないのが、尖閣諸島問題などを見ると分かるでしょう。現に今年100年を迎える中国共産党は、法律を変えてまで尖閣を取りに来る動きも見られています。米と中の間に入って日本がどうバランスをとるのか、菅政権の柔軟な対応と強い姿勢に注視したいところです。
投資面、急落、暴騰警戒
世界のリスクは投資をする上で常に意識しておく必要があります。現在株価は堅調な動きとなっていますが、これはコロナ禍において金融緩和により資金がマーケットに流れていることが考えられますが、突然のリスクオフ的要因では行きすぎたマーケットはリセット、調整する動きが出ます。資産を株や為替等に替えている際は、過信せずに常に冷静にマーケット、世界情勢と向き合うことをオススメします。
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