2026年6月12日 過去24時間の市場動向と経済ニュース
過去24時間の市場ダイジェスト
S&P 500:7,394.30(+1.75%)
S&P 500は大幅反発しました。トランプ大統領がイランへの追加攻撃を中止すると表明し、原油価格が下落したことで、地政学リスクとインフレ懸念がいったん後退しました。前日に売られたハイテク株を中心に買い戻しが入り、幅広い業種へ買いが波及しました。ただし、米PPIは市場予想を上回っており、完全なリスクオンへの転換とまでは言い切れません。
ナスダック指数:25,809.66(+2.54%)
ナスダック指数はS&P 500を上回る上昇率となりました。対イラン攻撃の中止を受け、直近で調整していた半導体株やAI関連株に押し目買いが入りました。SpaceXの大型IPOが正式に価格決定され、成長株への関心を再び高めた面もあります。Oracle株は設備投資負担への警戒から下落しましたが、ハイテク株全体では買い戻しが優勢でした。
米国10年債利回り:4.4630(-1.74%)
米国10年債利回りは前日からおよそ8ベーシスポイント低下しました。イラン情勢の緊張緩和で原油価格が下落し、エネルギー高が長期化するとの警戒がやや和らぎました。一方、米PPIは前年比6.5%まで上昇しており、利下げ期待が強まったわけではありません。地政学リスク・プレミアムの縮小が、インフレ指標の上振れを一時的に上回った形です。
ビットコイン:63,277.42ドル(+2.50%)
ビットコインは株式市場と歩調を合わせて反発しました。対イラン攻撃の中止、原油価格の下落、米長期金利の低下が重なり、リスク資産全体に買い戻しが入りました。前日に発表された米CPIでは、総合指数が高止まりする一方、コア指数は比較的落ち着いていたため、暗号資産市場にも安心感が残っています。ただし、6万3,000ドル台は依然として戻り局面の範囲であり、反転の確認には継続的な資金流入が必要です。
過去24時間の重要経済・金融ニュース
トランプ大統領、イラン追加攻撃を中止 和平合意の可能性に市場反発
トランプ大統領は、米国が準備していたイランへの追加攻撃を中止すると表明しました。数時間前にはイランの主要原油輸出拠点であるカーグ島への攻撃や占領に言及しており、市場は軍事衝突の拡大を警戒していました。その後、高官級協議に進展があったとして方針を転換し、和平合意が近く成立する可能性を示唆しました。米国による海上封鎖は、合意条件が確定するまで継続される見通しです。発表を受けて原油価格は下落し、米国株、ビットコイン、世界の株式市場は反発しました。ただし、合意内容や署名時期は確定しておらず、情勢が再び反転する可能性は残ります。当面は軍事行動そのものより、ホルムズ海峡の通航状況と原油輸送の正常化を確認する必要があります。
米PPIは前年比6.5%上昇 エネルギー高が企業コストを押し上げ
米労働省が発表した5月の生産者物価指数(PPI)は、前月比1.1%、前年比6.5%上昇しました。前年比の伸び率は2022年11月以来の大きさで、市場予想を上回りました。エネルギー価格は前月比10.7%上昇し、ガソリン価格は23.4%上昇しました。中東情勢とホルムズ海峡を巡る混乱が、企業の仕入れコストに波及しています。前日に発表されたCPIに続き、企業側でもインフレ圧力が強まっていることが示されました。原油価格が今後下落すれば一部は巻き戻されますが、輸送費、化学製品、農産品などへの二次的な波及には時間差があります。FRBにとっては、早期利下げよりも金利据え置き、場合によっては追加利上げを検討しやすい環境が続きます。
ECB、約3年ぶりに利上げ 景気停滞下でもインフレ抑制を優先
欧州中央銀行(ECB)は主要政策金利を0.25ポイント引き上げました。預金ファシリティ金利は2.25%、主要リファイナンス金利は2.40%となります。ECBによる利上げは2023年以来で、中東情勢によるエネルギー価格上昇が物価全体へ定着することを防ぐ狙いがあります。ECBはユーロ圏のインフレ率について、2026年を3.0%、2027年を2.3%と予測し、従来見通しから引き上げました。一方、2026年の経済成長率は0.8%と低く、欧州経済はスタグフレーションに近い難しい局面にあります。利上げを急ぎすぎれば景気後退のリスクが高まりますが、対応が遅れればインフレ期待が固定化しかねません。米国だけでなく欧州でも、金融緩和への転換が遠のいている点に注意が必要です。
SpaceX、史上最大のIPO価格を決定 1.77兆ドル評価でナスダック上場へ
イーロン・マスク氏率いるSpaceXは、IPO価格を1株135ドルに決定しました。売り出し規模は750億ドル、企業価値は1兆7,700億ドルとなり、米国史上最大のIPOとなります。株式は6月12日にナスダック市場で取引を開始する予定です。ロケット事業や衛星通信網Starlinkに加え、AI関連事業の成長期待が高い評価額を支えています。一方、同社は前年に赤字を計上しており、現在の評価額が将来収益を先取りしすぎているとの見方もあります。個人投資家向けの割当比率が約30%と通常より大きく、初日の値動きが不安定になる可能性があります。SpaceXの初値形成は単独銘柄の問題にとどまらず、AI・成長株全体の投資家心理を測る試金石となります。
