株式

【株価の上昇が止まらない】TESLA、Apple株に見るNASDAQの狂騒

株式分割再上昇

8月31日の米株市場では、株式分割後の最初の取引となったiPhoneメーカーの米Apple、米電気自動車メーカーのTESLAの株価が急上昇し、いずれも株式分割調整ベースでの最高値を付けました。その後も株価は堅調でNASDAQも日々過去最高を更新する状況が続いています。

Appleは7月30日に1株を4株に株式分割すると発表し、TESLAも8月11日に普通株1株を5株に分割すると明らかにし、分割で購入単価が下がったこともあり、値頃感が出た株式に投資家の買いが殺到しました。これによって市場全体を大きく盛り上げることにもつながりました。今日はこの2社についての最新の動向も含めて話を進めていきます。

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Apple株価の安定感

Appleの株価は8月末時点で129.04ドルで終了し、年初来の上昇率は76%に達し、米上場企業で唯一株式時価総額が2兆ドル(約212兆円)を上回っています。Appleでは今年秋にiPhone12シリーズの発売が見込まれていますが、Appleは最低でもシリーズ全体で昨年と同規模の7,500万台の生産をサプライヤーに指示した、とBloombergが伝えています。

同社の最重要製品の需要が新型コロナのパンデミックやリセッションのさなかでも持ちこたえている兆しと言え、世界経済の落ち込みへの不安心理が払拭されることで、株式市場の継続高への後押しになっているとも言えます。

AI TRUSTでは3月にはWBL(ウォーレン・バフェット・ロング)の中で、最も中心に置くべき銘柄としてAppleをあげ、そこからわずか5ヶ月で倍以上までの上昇を見せることになりました。

WBL指数」はこちらからご確認下さい

TESLA株の上昇が止まらない

8月28日に2,000ドルを超えたテスラの株価は、31日の株式分割調整ベースの取引で一時500ドル台に乗せました。分割前の価格では2,500ドルをこえたことになります。

売買高は約1億1500万株でした。年初来では496%上昇し、時価総額は約4,640億ドルとウォルマートやビザ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど既存の大手企業を既に抜いていますし、日本の上場する全ての自動車メーカーの時価総額の合計よりも上回っています。

過去半年の放物線を描くような継続的な株価の上昇を考えれば、株式分割の決定はTESLAの取締役会による賢明な判断だったと考えられますし、他の大手テクノロジー企業が今後数カ月で同様に株式分割の動きに追随する可能性が高いのではないでしょうか。高単価株価の大手テクノロジー企業の株式分割を予測し、今のうちに投資をしておくというのもひとつの賢い選択肢になるかもしれませんね。

最大50億ドルの資金調達

TESLAは、最大50億ドル相当の株式を売り出す計画を発表しました。工場の数を増やし、EV分野のグローバルマーケットリーダーの地位固めを目指す同社は、成長資金確保に動いています。

1日の規制・監督当局への届け出によれば、TESLAはゴールドマン・サックスやBofAセキュリティーズを含む金融機関10社を通じて、普通株の売却を随時行います。リテール投資家からの株式への需要拡大を最大限利用し、売却収入はバランスシートの強化と一般的使途に充てるといいます。

需給関係の悪化に伴う株価の下落も予想されますが、過剰流動性資金を上手に取り込もうとする戦略、意図が明確に見えますので、暫くはTESLA株についてはもみ合いの展開も続くことも予想されますが、イーロン・マスク氏のことですから、大きな話題性があるニュースを市場に投げることも考えられますし、調達した資金をもとに事業を大きく成長させることができれば、株価も新たな成長曲線に入ることも十分に考えられます。

イーロン・マスク:世界3位の富豪に

TESLAのイーロン・マスク最高経営責任者は、Facebookの共同創業者マーク・ザッカーバーグCEOを抜き、世界3位の富豪に浮上しました。テスラ株は株式分割後の取引開始となった8月31日も勢いが続き急騰し、イーロン・マスク氏の純資産は1,154億ドル(約12兆2,300億円)に膨らみ、ザッカーバーグ氏の1,108億ドルを抜きました。

マスク氏の純資産は今年に入ってからだけで878億ドル増加したことになります。テスラ株は年初から約500%上昇しており、世界中の富裕層を一気に抜き去り3位となりました。

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ロビンフッターの動きが株価上昇を加速させる

強気ぶりがより先鋭的に表れるのがオプション市場です。オプション市場で上昇相場をうまくとらえれば、レバレッジをきかせてより大きな利益を確保できます。米国では個人とみられる少額のオプション取引が市場を席巻しています。市場推計では、個別株オプションの売買高は現物株の売買高を上回りました。

ゴールドマン・サックスによると、とくに満期までの期日が1~2週間程度と短い取引が急増しています。それだけ短期勝負の投機的な売買が多いことを示し、大手取引所のロビンフッドなどでは取引の手数料自体はタダだにしていることで、個人投資家、ロビンフッターの人気が偏って現れています。

アップルやテスラ株の場合、人気はプット(売る権利)よりもコールの買いに偏っており、取引は過熱しています。テスラ株では通常とは逆の、行使価格が高いコールほど値段が高くなる珍事も起きています。株価より大幅に高い行使価格でコールを大規模に購入する動きも話題になり、株価変動率の上昇と株高は同時並行で進んでいます。株価が上がるほど買いを誘発しやすくなくなる状況にもなっていますが、少し加熱し過ぎているとも見えますし、このあとの乱高下には注意する必要がありますね。

AI TRUSTでは年初から、更にはACB(アフターコロナバブル)でTESLA株の上昇については伝えていましたが、今後の価格動向についても定期的に記事の中で推測していきます。

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