経済ビジネス

Appleに残された課題、今後の戦略は?

iPhone7%減もサービス17%増で過去最高更新

新型コロナのロックアップから、世界各国が徐々に経済活動を再開する中、アップルの小売事業もこれに合わせ再開されている。しかし、スマートフォン「iPhone」をはじめとするハードウエア製品の小売事業には大きな影響が及んでいる。

先ごろアップルが発表した2020年1~3月期の決算では、iPhoneの売上高が289億6,200万ドル(約3兆1,200億円)となり、前年同期から7%減少した。同四半期中のほぼ1カ月半にわたり直営店を閉鎖していた中華圏の売上高は同7%減と大きく落ち込んだ。

Apple WatchやAirPodsは順調な伸びを見せる

その一方で、腕時計端末の「Apple Watch」やワイヤレスヘッドホン「AirPods」といった「ウエアラブル、ホームおよびアクセサリー」は同23%増加しており、これらはオンライン販売との相性が良いといえるのかもしれない。

また、アプリや音楽の配信などのサービス部門は17%増加となった。サービス部門の売上高は133億4,800万ドル(約1兆4,400億)で、四半期として過去最高を更新した。これにより、同四半期の全体の売上高は、同1%増の583億1,300万ドル(約6兆2,800億円)となり、わずかながらも増収を維持した。

アップルの株価は3月23日に底をつけ、224.37ドルとなった。そして6月10日時点では、352.84ドルと過去最高値となっている。安値からの上昇率は既に57%を超えているが、この先のアップルの株価がどうなるか?今の状況を検証してみよう。

アップルは今後どうなる?

アップルの主力製品はiPhoneで、売上が最大化した際、実に7割の売上高を占めるほどだった。しかし今回の決算では289億6,200万ドルで、その割合は50%にまで減らしている。その代わり、大きく割合を増やしているのがサービス部門である。

133億4,800万ドルで前年同期比16.6%増と、引き続き高成長を維持している。今回の決算ではMac、iPadも需要減の影響から売上が減少しており、結果としてサービス部門は売上比率23%と過去最高を記録している。

外出自粛の動きが継続する中、モバイルデバイス、あるいはiPad活用が促進されることで、サービス部門は引き続き、成長を続けることになるだろう。そして大切なポイントとして言えることは、サービス部門の収益率は非常に高いということだ。今後アップルの利益率は更に上昇し、収益力が高まる事業構造となるだろう。

ウェアラブルデバイスだけでもフォーチュン130企業レベルの売上高

ウェアラブル・ホーム・アクセサリー部門についても、売上高63億8,400万ドルと、およそ25%の成長を遂げた。驚くべきことは、ウェアラブルデバイスの売上高だけでも、フォーチュン130企業レベルの売上高になっているのだ。

この数字は年間の売上高235億ドル規模であり、クアルコム、テスラ、マクドナルドよりも大きな売上高なのである。ちなみにテスラの時価総額は6月10日の時点で1,900億ドルを超え、株価も1,025ドルと過去最高値をつけている。

インテルとの決別

アップルは自社コンピューター製品であるMacに、インテル製半導体ではなく独自プロセッサーを搭載しようとしている。新しいMacには、iPhoneに搭載されているのと同じ、アームによる設計を基にした自社開発の半導体が搭載されることになる。

パフォーマンスと電力効率が優れていることを理由に、アップルはMacの全ラインアップを自社製プロセッサーに切り替える計画であり、これにより収益性の向上も図れることになるだろう。そしてアップルが離れることにより、インテル社の業績下落リスクも懸念する必要もあるだろう。

アフターコロナ:ソーシャルディスタンスへの提案

アップルは1人で撮影した自撮り画像を複数組み合わせ、一緒に撮影したように合成する技術を考案しており、この技術を米国特許商標庁へ出願し、米国時間6月2日に登録された。

この技術は複数の人がお互いの画像を共有し、1つの画像にすることができ、それぞれが自宅に居つつ、集合写真を作ることもできるし、オンライン飲み会の記念写真も簡単に作ることもできる。

そして背景を居酒屋に変えれば、オンライン飲み会を、オフライン飲み会に変えることもできてしまう。どれだけ需要があるサービスかは現状ではわからないが、共有という視点からの広がりには様々な可能性を感じさせられる。

iPhoneをロボットで組み立てる可能性は?

アップルがなぜiPhoneの組み立てにロボットを導入して完全自動化しないのか?

実は何度もチャレンジはしてみたものの、なかなか上手く行かなかったというのが実態なのだ。アップル製品の利用者であればわかると思うが、iPhoneやMacなど、アップル製品を組み立てる作業はとても繊細で、今のレベルのロボットではこれを組み立てる域に達していないのである。

しかし、それ以外の工程には一定の効果が確認できているようだ。アップルは2018年にiPhone分解ロボ「Daisy」を発表し、iPhoneの中から貴重な素材を一弾と多く回収してリサイクルに成功していると述べているが、組み立てることは無理でも分解することはできる結論に達している。

新型コロナによる世界各国の様々な生産ラインの停止は、AI(人工知能)、ロボットの発達を一気に促し、工場の無人化は進んでいくだろう。

そして新たに登場するロボットにより、iPhoneやMacを組み立てられる時代も早々に訪れるかもしれない。そうなれば、アップルの収益性は更に高まり、盤石な基盤は競合他社には崩せないものになる可能性が高いのではないだろうか。

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チャーリーTAKA
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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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