35歳:連続してパートナー社長と会社を立ち上げる
顧問をしていた1社の営業部長から友人を紹介したいと話があり、一緒に食事をすることになりました。
独立したのだけど、儲けられるビジネスがほしいと相談を受け、それであれば、社長として会社をひとつ作り、株は半分ずつ持ち、そこにひとつビジネスを自分からつなげることを約束し、会社を新たに作りました。社長は紹介された彼が行い、自分は裏方に回りビジネス作りです。
個人の持つ利権を会社に
この会社では中古メディアパッケージの卸及びヤフオクでの販売という、個人でそれまで行っていたものを、そのまま移行する形にしましたから、最初から一定以上の利益が見込めていました。
なぜわざわざ儲かっている利権を会社につけるのか?そう考える人も多いかと思いますが、自分にとっては断捨離のようなもので、より大きな展開を行う上で必要なことだったのです。
この会社ではこの事業を専任して行い、更にはスタッフも入れることで業務拡大させていきました。営業スタッフが増えることで、より積極的な展開が図れたわけです。個人では手が回らなかった全国のパッケージメディアを扱う店舗、DVDレンタル店に取引先を広げていきました。
そしてその後、上場企業に売却
オフィスは最小に、そして経費も最初に抑えました。スタッフの給与等を差し引いたあとの利益をシンプルに社長と折半しました。この会社が設立後数年で、飲みの席で上場企業に売却が決まる会社となりました。
このときのパートナー社長とは今でもよく話もしますが、彼もライブドア・ショックで新興株市場が弾ける前には、15億円程度まで金融資産を膨らませたそうです。そのお金は株価の暴落で多くを失いつつも、新たなビジネスで資金を作り、金融市場にも再挑戦していますので、チカラのある人間というのは、失敗があってもそれを跳ね返すだけのチカラを持っているのだと思います。挫けても立ち上がり、新たに挑戦しつづけるからこそ、その先に成功があるのです。
起業心得18:ビジネスの展開力
このあと一気に幾つもの会社を立ち上げていきます。もともとのビジネスに関連する形、つながりを持つ形で展開を広げました。新たなビジネス、収益を上げる方法をテストし確証を持てたとき、もともとの会社ではなく常に新たな会社を立ち上げて、そこで行いました。
既存の会社のパートナー社長には今できている成功の形、ひとつのことを徹底して深め、成功を大きなものにする必要があるわけです。中途半端な形で新たな事業を取り入れれば、下手をすれば両方ともが駄目になってしまいます。
そして会社を横展開に広げることは、自分自身にとってのリスク分散につながります。自己破産を経験したあとだからこそ、慎重に事を運びました。大胆でありつつも慎重に慎重を重ねることは、起業家にとって重要な資質、条件だと思います。
36歳:M&A
最終的には日本でパートナーと作った会社の全ては売却するのですが、なぜ売却が進んだのかといえば、当時の多くのインターネット企業の持つ問題を理解できていたことにありました。当時は特にインターネット関連企業の多くが、ビジネスは作ったけれども、なかなか安定した利益を上げる事が難しい。成長をお金に変えることが難しいという問題を抱えていたのです。そのため、日々の利益を上げる仕組みを持っていることが大きな価値があり、M&Aの対象となったのです。
当時は儲ける仕組みを作る事自体が一番の自分にとっての得意分野でしたし、オンラインビジネスとオフラインビジネスをともに行っていたことで、両方のビジネスの仕組みを理解し、利益を上げるポイントを見つけられる事が強みとなったのです。インターネット黎明期のあとの成長段階でしたので、自分からすれば、お金はそこらへんに転がっているという感覚がありました。
34歳で自己破産をしたときに、40歳で引退するという目標があり、その時までに10億円の金融資産を作るという具体的な目標もありましたので、M&Aはウエルカムでした。当初は現金との交換で会社を売却し、途中からは現金と株と合わせてもらい、最後は全部株式交換で売却しました。新興株市場が大きく上昇したことで、当初の目標を速く、そして大きく達成させることにつながったわけなのです。
起業心得19:育てた会社を売るという判断
これからの起業家にとり、事業の売却というのは最初からゴールの中のひとつとしてイメージしておくと良いでしょう。アメリカではFAANG企業への売却を最初から目標としているベンチャー企業も多くあります。ゴールが近ければ近いほど、集中することも出来ますし、事業を一気に伸ばすための具体的な目標もイメージできます。
スタートアップ企業へ投資をする投資家の多くも今はそれを望んでいたりもします。上場を目指すことも重要ですが、大きな組織の中でこそ、大成功するビジネスになることもあります。選択肢を持ち進めていくことが大切なのです。
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