経済ビジネス

スーツが必要とされない時代になる?

スーツを着る機会が減っている

これは多くのサラリーマンにとっての実感だと思います。OLの人たちも同様に、カチッとした服装でいる機会が減っていることは間違い無いでしょう。

新型コロナ禍により、テレワーク化が進み、オフィスに勤務する日数自体が大幅に減りましたし、オフィスでの仕事姿も以前より比べてカジュアル化が進んでいます。

ZOOM会議やZOOMでのお客様とのミーティングに堅苦しいスーツ姿というのも、かえって相手とのスキンシップを取ろうと思えば邪魔なものとなりかねません。今日は世界のスーツのニーズ自体が急激に減り、関係する業界の受けている現状について書いていきたいと思います。

スゥエットパンツが人気

世界のホワイトカラー労働者のほとんどは在宅で仕事をしており、いま衣料品で新たに人気化しているのは、気楽に作業ができるスウェットパンツだそうです。

世界中の専門家の多くは、新型コロナのパンデミックが終息した後も、在宅勤務のトレンドはそのまま残っていくと予想しています。行動様式の劇的な変化は、スーツやフォーマルウェアのサプライチェーン全体に甚大な影響を与えており、すべての大陸にまたがるファッション産業を混乱に陥れているのです。

メリノウール生産量世界首位のオーストラリアでは、ウール価格が急落し、数十年ぶりの低水準に沈んでいます。牧羊業者は厳しい苦境に追い込まれ、価格回復を願いつつ、空きスペースを探してはウールの在庫を積み上げている状況です。

牧羊業者からウールを買い取り、高級スーツの生地を織り上げるのは北部イタリアの工場です。ここでもアパレル小売企業からの注文が急減しています。

米国・欧州では、ここ数ヶ月のあいだにメンズウェアハウスやブルックスブラザーズ、TMルーウィンなど、ビジネスウェアを得意とする複数のアパレル小売チェーンが、店舗閉鎖や経営破綻に追い込まれており、その流れはさらに続く可能性があると考えられます。

ウール生産者の苦闘

オーストラリアの高級ウール価格は新型コロナにさいまれた過去18ヶ月間で半分以下に下落しました。通常ならばイタリアの製織工場がメリノウールを安定して購入してくれるのに、それがほぼ停止状態にあるからです。

入札結果を見ると、2019年初めにはキロ当たり20.16豪ドルだったメリノウールの基準価格は、9月初めには1キロ当たり8.58豪ドルまで下落しました。その後はやや回復したものの、辛うじて10豪ドルを上回る程度で落ち着いています。現状は多くのバイヤーにとって供給過剰となっており、ウール価格の上昇は当面見込めるあてはありません。

イタリアと並んでその大半を購入している中国が、今となっては市場に残っている唯一の買い手ですが、その中国のバイヤーも、ウール購入量を減らしているそうです。

中国は新型コロナ後の経済回復という意味では世界をリードしていますが、その内情を見ると、政府による巨額のインフラ投資が主となっており、個人消費は未だ活発化したとは言えない状況にあります。

カジュアル化への移行への対応

カジュアルウェアに移行していく動きは、世界でもここ数年にわたって進んでいました。2019年には、オーダーメイドのスーツ姿がひしめくことで有名なゴールドマン・サックスでさえ、社員のドレスコードを緩和しています。

シリコンバレーに集まる人々の個性あふれるファッションスタイルについてはご存知のとおりでしょう。そしてこうした変化をいっそう加速したのは新型コロナです。ビジネスウェアの苦境を尻目に、ゆったりとした衣類やスポーツウェアは売上高を伸ばしており、日本のユニクロの足元の業績も好調です。

大手ファッション検索サイトであるLyst(リスト)によれば、世界の大半がロックダウン状態となった今年第2四半期、最も多く検索されたブランドはナイキだったそうです。

注目ブランドと商品のランキングを示す「Lyst Index」が誕生して以来、高級ファッションブランドが首位にならなかったのは今回が初めてだそうです。8月1日までの3ヶ月間で、Lystで最も人気の商品とされたシリーズは、ギャップ傘下でタイツやジョギングパンツ、スウェットシャツやワークアウト用のトップスを販売する「アスリータ」だそうです。

今後もアパレルは冬の時代が続く

衣料品関連事業者の淘汰はこの後も継続的に続くことになるでしょう。スーツ、フォーマルな洋服の市場規模は今後も縮小し続け、完全に元に戻ることなど二度と無いかも知れません。自己変革ができない企業は株式市場から退場していきます。

ただでさえ業績不振の衣料品事業者は多くありましたので、春先からの政府の金融支援により今は何とか息がつけている状態であっても、早々に資金が尽きる可能性も高いですので、株価がいかに安くなろうと、新規で買うにはリスクが高いと考えるべきでしょう。

人に会う機会が継続的に減れば、衣料品そのものへのニーズ、市場も小さくなると見るべきでしょうし、ファッションそのものへの多くの人の関心も減っていくのかも知れません。そうなれば、無難であることが一番の優先順位となりますので、ユニクロは継続的に強みを発揮するのかもしれませんね。

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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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