為替

NYオプションカットとは?知っておくだけでFXのリスクが下がる?

NYオプションカット。このような言葉を聞いたことはないでしょうか。

これは、ニューヨーク市場で、通貨オプション取引の権利を行使する最終的な締め切り時刻・時間帯のことをいいます。これだけを聞いてもさっぱり意味が分かりませんね。

今回は、トレーダー必見、NYオプションカットについて深堀りします。

NYオプションカットを知ることで、日々のトレードのレートを客観的に見ることが可能となり、見える世界も変化します。

NYオプションカットとは

NYオプションカットとは、カットオフタイムとも言われ、米国ニューヨーク市場での通貨オプションの権利行使の期限時刻のことです。

もう少し詳しく言うと、通貨の先物取引(通貨オプション)の権利が失効する締め切り時間(カットオフタイム)のことで、そのカット時間が、夏時間で23時、冬時間で24時となります。

この時間帯に値動きが活性化します。

活性化する理由は、NYオプションカットでは、オプション建玉の決済が行われるからです。

東京オプションカットも15時にありますが、NYオプションカットは、東京よりも取引量が多く、値動きへの影響も大きくなるのが特徴です。

NYオプションカットには時間帯がある

NYオプションカットには時間帯があり、NY市場の通貨オプションのカットオフタイムについて知っておいてください。

権利行使のための、最終的な締め切り時間があるということです。

カットオフタイム

・夏時間:日本時間で23:00
・冬時間:日本時間で24:00

マーケットには、夏時間、冬時間があります。これも覚えておきたいところですね。

夏時間の期間
・3月第2日曜日~11月第1日曜日
冬時間の期間
・11月第1日曜日~3月第2日曜日

簡単に3月上旬以降から1時間前倒し、11月上旬以降から1時間後ろ倒しと、ざっくりと覚えています。

その時期付近になれば再度チェックし直します。

さて、時間が分かったところで、この権利行使のための締め切り時間にどのような動きがあるのかを説明しましょう。

買う権利と売る権利を売買する

オプション取引は、買う権利と売る権利を売買します。

・買う権利を買う:コールオプション
・買う権利を売る:コールオプション
・売る権利を買う:プットオプション
・売る権利を売る:プットオプション

権利を売買するというと、よく分からないかもしれませんが、まず上記の4種類の取引があるということを頭に入れておいてください。

権利を取引する

権利を取引するとは、権利を買った買い手側が、「行使」するか「破棄」するかを選択することです。そして、売り手側には、買い手が権利を行使した際に、それに応じる義務が発生します。

買い手は、オプション代金としてプレミアムを支払い、売り手は、プレミアムを受け取れます。1つ例をあげて見ます。

例:ドル円のロングと同時にプットオプションを買う

これは、トレードと同時にオプション取引をしています。ドル円をロングで保有すると同時に、損失を限定する目的でドル円のプットオプション(売る権利)を買います。

この後、ドル円が上昇すればトレードのドル円の利益を伸ばします。その場合は、トレード利益が出る反面で、プレミアムを支払う必要があります。逆にレートが下落したら、ドル円の買いをカット(損切り)し、プットオプション(売る権利)を行使しドル円を有利な価格で売ります。そしてプットオプションで利ざやを得ることが出来ます。

このように、トレードとオプション取引をうまく合わせて取引することも可能です。

為替レートとNYオプションカット

FX会社でよく見るのは、オーダー状況です。

このような内容を見たことはありませんか?

ドル・円:105.00 (5.57億ドル)、 106.00 (11億ドル)
注目のストライク: 105.00 (12億ドル 期限10月21日)、 105.50 (11億ドル 期限10月21日)、 106.00 (13億ドル 期限10月21日)、 106.44 (13億ドル 期限10月20日)、 106.65 (10億ドル 期限10月21日)

為替レートとNYオプションカットには、深い関連性があります。それは、レートがカットオプションのある場所に引き寄せられるということです。

期日に近づけば近づくほど値動きは活発になりますので、この辺りに注目しておくことが重要です。

・ドルコール(ドルを買う権利)
・ドルプット(ドルを売る権利)

105円に注目して見ましょう。105円でドルを買う権利を持っている場合、権利行使のタイミングでどの価格にあるか?に注目します。

105円よりも下⇒ 権利を放棄
105円よりも上⇒ 権利を行使

105円よりも下の場合に権利を放棄する理由は、価格が下がっているのであれば現在の価格で購入する方が利ざやが狙えすからです。

逆に105円よりも上の場合は、権利を行使してすぐに売ることで利益が出ます。

仮に106円になっていれば、1円幅の利益となります。ドルプット(ドルを売る権利)の場合はこの考え方の逆になります。

オプション取引の最大のメリットは「損失が限定」される

オプション取引のメリットは、損失が限定されるということです。

FXトレードで退場する大きな理由の1つは、” 損切りが出来ない ” ことにあります。

自動的に損切りすればいいといえば、それまでですが、人によっては、損切り設定を入れなかったり、入れていてもレートを見てついつい、損切り設定を取り消してしまい損失を引き伸ばしてしまう人がいます。

過去の僕もそうでした。このように機械的にトレードが行えない人は、オプション取引を活用することを検討してみるのもいいですね。

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Hatanaka
投資歴16年。過去には様々な投資案件を行ってきており、為替FX、暗号資産(仮想通貨)分野に精通しており、現在は、トレーダー講師としても活躍中。