経済ビジネス

電力エネルギーの地産地消が求められる時代

東日本大震災や昨今の大型台風の激甚災害を契機に、エネルギー供給の制約や集中型エネルギーシステムの脆弱性が顕在化され、こうした状況に対して、地域の特徴も踏まえた多様な供給力(再生可能エネルギー、コージェネレーション等)を組み合わせて最適に活用することで、エネルギー供給のリスク分散やCO2の排出削減を図ろうとする機運が高まっています。今日はエネルギーの地産地消に焦点をあててみたいと思います。

日本での再生エネルギーの現状の問題点は?

日本では、2016年4⽉の電⼒⼩売全⾯⾃由化以後も、従来の地域独占型の電力が中心のままです。さらに、2020年上半期の再生エネルギー比率は全体の23.1%と、全体の4分の1にも達していない状況です。

地域で使う電力を「買う」電力から「地産地消」へと移行させることができれば、電気代を安くすることが可能になります。地産の発電量が増えれば、発電事業者へ支払う発電料金が減ります。また、電気代には電力会社が持つ送配電網の使用料金である「託送料」が含まれているため、もしも、作った電気を離れた場所に送らずにその場でためたり使ったりできれば、託送料は支払わなくても済むことになります。

再生エネルギーを活用することでCO2も削減できます。度重なる災害での停電対策としてもエネルギーの分散化は、異常気象が恒常化する社会では、重要課題であることは間違いありません。

しかし実のところ、地産地消は単に太陽光発電や風力発電などの設備を増やしていくだけでは実現できません。再生エネルギーは火力発電と比べ、場所や自然の影響を大きく受け、発電量の管理が難しいことが要因です。電気は「生もの」と言われるように、その扱いは簡単なものではありません。電気の使⽤量は需要の変化とともに⼤きく上下するため、恒常的に平均的に発電し続けられることも重要なのです。太陽光発電や風力発電の最大の弱点はここにあります。

電力エネルギーの地産地消に必要なサイクル

電気がいつどのくらい必要かを予測し、 不足しないようにするためには、常に予想必要量の20%ほど多く発電しておく必要があります。使われるかわからない電気のために、常に余分に発電し続けなければならないわけです。そして現状では、使われなかった電気はそのまま余剰電⼒として消えていきます。電力の「地産地消」には、これらの不安定要素を管理し安定化させていく必要があるわけです。

電力エネルギーの「地産地消」事例:創る・貯める・配るが重要

・電気を創る 再生可能エネルギー発電事業

・電気を貯める EVカー活用、家庭、地域での蓄電

・電気を配る ブロックチェーンを活用した最低移動距離での余剰電力利用

電気を創る・貯める・配るのサイクルを地域地域で回すことができれば、電力の地産地消が可能となりますし、現在の電気料金を圧倒的に引き下げることにつながるでしょう。

屋根の上や駐車場、農地などに太陽光発電システムを設置し、太陽が出ている時間にソーラーパネルでできた電気をそのまま使うと同時に家庭用蓄電池へ充電します。さらにヒートポンプ技術を利用した電気給湯器でお湯をためておきます。

そして、エネルギー管理システムを活用し、発電されない時間も貯めたエネルギーを使い、需要と供給のバランスを調整、管理していきます。エネルギーを効率的に管理、使用することで、買う電力を最低限に抑え、余剰電力を電力会社や、他の契約者に売電することで設備費と利益を確保するビジネルモデルができあがっていきます。家や店、工場、農場というミニマムなコミュニティでの地産地消が出来上がります。そして個々の地産地消のコミュニティをつなげていけば、町ごとの電力の地産地消が完成していくわけです。

災害時に備えた電源供給施設

災害時の電源供給基地を兼ねた、ソーラーチャージャー付きカーポートの需要は今後日本中で広がる可能性が高いです。普段はあまり活用されていない⼟地を、発電基地として使うことができれば、新たに⾃然を壊すことなく地産のエネルギーを増やしていくことができます。既にあるコインパーキングに設置していくこともできますね。災害時の電力供給にも活用でき、屋根の下は臨時の避難所にすることもできます。避難所を町の様々なところに点在させることはコロナウイルスなどの感染症対策にもつながります。

電力エネルギーの一番の課題、問題点は蓄電

電気を創るという点に関しては、ソーラーパネルや設備の価格が下がったことで、日本中に普及してきています。しかし蓄電部分についてはまだまだ課題や問題点が大きいのが現状です。テスラの蓄電池のパワーウォールは本体価格99万円で、今までの他社の製品に比べて圧倒的に価格が下がりました。蓄電容量は13.5kWhで、停電時には合計1kWの家電を13.5時間利用可能な優れものです。テスラの進出により競争原理が働くことで、今後蓄電池の価格は継続的に下落をし、電力の地産地消はより実現化していくでしょう。

水力発電や風力発電などに比べて、太陽光発電は取り組むことができる地域を選びません。しかし、夜間や曇りの日などは十分な発電量を得られなかったり、発電自体ができないといった欠点もあります。地産のエネルギーを安定管理するために、夜間の電力を補う蓄電池が重要になってくるわけです。蓄電技術の向上がこの後進むことで、中小企業や個人にとっても、地域地域に役立つビジネス、投資につながっていくことになるでしょう。この分野の進展には引き続き注目していきましょう。

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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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