暗号通貨

ビットコインキャッシュ(BCH)がハードフォーク

2020年11月15日、ビットコインキャッシュ(BCH)はハードフォークが行われ2つのブロックチェーンに分岐されました。

元々、ビットコインキャッシュ自体がビットコイン(BTC)からハードフォークして誕生したコインではありますが、今回BCHが分岐してビットコインキャッシュABC(Bitcoin Cash ABC:BCH ABC)とビットコインキャッシュノード(Bitcoin Cash Node:BCHN)となりました。

BCHとしての最後のマイニングはブロックナンバー661647でバイナンス(Binance)によって行われ、分割後の最初のブロックとなったのはBITMAINが運営するAnt Poolによって行われ、マイニングされたのはビットコインキャッシュノード(Bitcoin Cash Node:BCHN)の方でした。

その後も複数のマイナーが続けてBCNHをマイニングしていることから主流は明白で、BCH ABCと呼ばれるものは消滅の道を辿ることになるでしょう。

なぜビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークが行われたか

今回のビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークが行われたのはブロック生成による対価、つまりマイニングすることで得られるフィーに対して8%を開発資金に充てるアップデートを行うというものでした。

いわゆるマイナー税と呼ばれるもので、このアップデートを支持したのがビットコインキャッシュABC(Bitcoin Cash ABC:BCH ABC)、そのアップデートを反対しマイナー税をソースコードから外したのがビットコインキャッシュノード(Bitcoin Cash Node:BCHN)です。

これはマイナーにとってマイニング報酬が明らかに減るアップデートだったため、分岐前から80%のマイナーがBCHNを支持していました。結果、その比率通りBCHNが主流となり、今もマイニングされています。

ハードフォークとは

ハードフォークとは、暗号資産のアップグレードを示す言葉としてよく使われるものです。
その名の通り、ブロックチェーンの分岐(フォーク)のことですが、分散管理されるブロックチェーンはたびたび改良(アップグレード)が求められます。

このアップグレードを受け入れる派と拒否する側に分かれることになり、この分かれる二つに分岐することをフォークと言います。

フォークされる際に、この分岐に互換性がなく完全に分かれてしまうことをハードフォークと言い、逆に互換性を保ったままアップグレードすることをソフトフォークと言います。

暗号資産においてはバグの修正やルールの改正などによるアップグレードは度々行われるため、このような処置が必要となるのです。

さらにハードフォークは大きく分けて2つ存在します。

合意形成される場合とされない場合です。暗号資産はそのコミュニティによって開発方針が決められたりしますが、そのコミュニティにおいて方針がまとまっている場合はアップグレードをしても皆がそちらを支持しているので、それが主流となり逆に支持されない方は分岐はするものの消えていくことになります。

今回のハードフォークはまさにそれでBCHNが支持され、されなかったBCH ABCが消えることになります。合意形成が取れずに意見が真っ二つに割れてしまうと、完全に2つのコインになるわけです。

今回フォークが行われたBCHもまさしくそれで、ビットコイン(BTC)で合意形成されずに意見が分かれ誕生したものです。もう一つ大きな例を挙げると、ETH(イーサリアム)とETC(イーサリアムクラシック)も完全に分かれたパターンとなります。

ビットコインキャッシュ(BCH)はどうなるか

そもそもBCHが誕生した背景は、ビットコインの欠点を改善するためのものでした。

ビットコインはブロックチェーンであり、そのブロックの中に取引内容、トランザクションのデータが納められています。それをチェーンのようにつないでいき、ブロック内の暗号化された情報を解析・処理することで、取引が成立していますが取引量が増えると容量過多となってスピードが低下してしまいます。

これがスケーラビリティ問題ですが、これらを解決してるのがBCHになります。さらに今後もアップデートを繰り返していくため、決済通貨としての役割ならビットコインを上回る可能性はあります。

しかしながらデジタルゴールドとして、アセット(資産)として認識されているビットコインに対して、デジタル人民元をはじめとする中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)が台頭してくる中において、その位置を確立するのは厳しいかも知れません。

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Hiroki Kato
早くから暗号資産(仮想通貨)に携わり自宅にてマイニングを行うなど豊富な経験を持つ。また海外でも活動しアジア、特にカンボジアに精通する。