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IPFSとは一体何?IPFSの使い方や将来性についても分かりやすく解説

現在注目を集めているIPFSについて解説していきます。

IPFSについてはまだまだこれからどんどん良い形になっていきますので、なるべく分かりやすい形でIPFSの使い方など具体事例もあげて説明していきます。

IPFSとは一体何?

IPFS(InterPlanetary File System)とは簡単に一言で言うと、「情報を分散して管理できるサービス」です。

IPFSはインターネットでコンテンツを見る際に、より速く,より安全で,よりオープンなものにするためにJuan Benet氏によって開発されました

IPFSはなぜ作られたのか

現在、インターネットの主流はHTTPですが、HTTPはもうすでに時代遅れとも言われ始めています。

HTTPは問題が多い

HTTPの仕組み自体非常に古い手法で、HTTPが策定されたのは1991年になります。

例えば、あなたがアメリカのサイトのコンテンツを見たい場合、アメリカまでデーターを取りにいって、それが表示される形になっています。

しかし、IPFSの場合だとコンテンツ自体が様々な場所で管理されているため、そのコンテンツを見たい場合、一番近い場所にあるコンテンツをすぐに見ることができます。

プライバシーが守られる

また、IPFSの場合、コンテンツを指定してアクセスできるようになっているために、IPアドレスで誰がアクセスしたかも分からない形で情報の入手が可能です。

今後は、全てのウェブページがHTTPからIPFSに変わる可能性は十分にありえます。分散型ストレージというのはプライバシーを守る観点で圧倒的に優れています。

IPFSの使い方【10種類の具体事例を公開】

では、IPFSは実際にどのような使い方ができるのか?

そのIPFSの使い方、具体事例を10個ご紹介します。

①ファイル共有
②コラボレーション
③データー資産の保管
④インフラストラクチャとしての利用
⑤ストレージ使用量の削減
⑥データの分散化
⑦DAppsの構築
⑧Webの分散化
⑨ブロックチェーンのユースケース
⑩分散型ID

では、それぞれ説明していきます。

①ファイル共有

ファイル共有は、利用者間でファイルを共有する方法で、IPFSの最も簡単な使い方です。

例:IPFSが公式でリリースしているIPFS Desktopでは、IPFSのノードにファイルをアップロードし、特定の誰かと共有するためのリンクを発行することができます。

Arboreは、無料のオープンソースのファイル共有アプリケーションで、写真、ドキュメント、ファイルを連絡先に無制限に私的に送信することができます

②コラボレーション

コラボレーションは、誰かとオンラインで共同作業することを指します。

例:PeerPad.orgは、ドキュメント編集の共同作業をすることができるサービスです。複数の編集者が、ブラウザ上からMarkdownドキュメントを共同編集することができます。

Berty.techは、サーバーを必要としないメッセージングのアプリケーションです。デバイス間で直接接続が確立されます。

③データ資産の保管

データ資産の保管は、著作物や資料などの有用なデータを保管する用途です。

例:D.Tubeは、SNS用のSteemブロックチェーンを利用した動画投稿サービスです。動画はブロックチェーン上に保管することができないため、IPFSを使います。

Decentralandは、ブロックチェーンを利用した仮想世界のゲームです。すべてのアセットがIPFS上に保管されます。

④インフラストラクチャとしての利用

IPFSは、データを画期的に安全に保存できる技術で、裏では複雑な仕組みが動いています。しかし、実際に利用する側はそのようなことを一切感じることなくIPFSを利用することができます。

例:CDN(コンテンツ配信ネットワーク)は、利用者に物理的に近い場所にコンテンツを保管・配信できるネットワークです。IPFSは、よく使われるものがキャッシュされていくため、CDNとして動作します。

NPM(パッケージ管理ツール)は、IPFSにミラーリングされており、専用クライアントを使用するとIPFSからパッケージを引っ張ることができます。これにより、ネットワークトラフィックにかかるコストを削減することができます。

⑤ストレージ使用量の削減

IPFSでは、重複データを削除することができるため、結果的にストレージ使用量を圧縮することができます。

例:テレメトリデータ*は、データが構造化されており重複している部分が多くあります。IPFSの重複排除技術により、ストレージ使用量を削除できます。

※テレメトリデータ:ソフトウェアやアプリケーションがパフォーマンス改善や品質向上を目的として収集するユーザーの利用状況データ。

⑥データの分散化

IPFSは、データを分散化してサービスの可用性を向上させることができます。

例:OrbitDBは、サーバレスの分散型P2Pデータベースです。データストレージにIPFSを使用することができます。DAppsやブロックチェーンアプリケーションなどと連携することができます。

 

Textileは、開発者に分散型データベース、IPFSベースのストレージ、コンテンツホスティングなどを提供します。

⑦DAppsの構築

IPFS上で分散型アプリケーション(DApps)を構築することができます。

例:SecureMyStateは、コロラドにおける運転免許証や事業登録などの、行政データを管理することができます。このDAppsは、ハッカソンによって作成されました。

AUDIUSは、IPFS上に構築された音楽ストリーミングのプラットフォームです。リスナーはプラットフォーム料金を負担することなく、音楽を聴くことができます。

⑧Webの分散化

Webの一部のコア部分は中央集権化されているため、改ざんや検閲される可能性が高くなります。一方で、IPFSではこれらに耐性をもつWebを構築することができます。

例:The InterPlanetary Waybackは、IPFSでWebをアーカイブするためのツールです。Webのアーカイブの殆どは重複データになるため、IPFSの重複排除技術が大きく寄与します。

トルコ語Wikipediaのスナップショットは、検閲でアクセスできないトルコ語のWikipediaをIPFS上に保存する試みです。これにより、政府の検閲を回避することができます。

⑨ブロックチェーンのユースケース

IPFSは、ハッシュでコンテンツを管理するため、ユーザーは改ざんされていない正しいデータを取得することができます。これは、ブロックチェーンアプリケーションで利用される事実上の標準(デファクト・スタンダード)となっています。

Filecoinは、IPFSを開発したProtocol Labsのブロックチェーンプロジェクトです。空きストレージを第三者に貸し出すことにより、インセンティブを得ることが出来るようになります。

IOTAは、Tangleと呼ばれる有向非巡回グラフ(DAG)を採用するチェーンです。IOTAで扱うデータを、IPFSで保管することができます。

⑩分散型ID

分散型IDは、Googleのように特定のサービス会社ごとにIDを格納するのではなく、分散ネットワーク上に個人データを保管し、個人の権限のみで認証を行うことができる技術のことを指します。

Elementは、コンテンツのアドレス指定とイーサリアムのスマートコントラクトを組み合わせて、ID管理を提供する取り組みをしています。

3ID Connectは、外部サービスにおけるFacebookやGoogleログインのようなOAuthと同様に、サービスにログインすることができるようになります。IDはIPFS上で保管されます。

IPFSでよく聞くFilecoin(ファイルコイン)とは?

Filecoin(ファイルコイン)は、画期的なファイル保管の方式であるIPFS(InterPlanetary File System)ネットワークを自立分散的に維持し、拡大するための仕組みです。

ファイルの保管先に対し、暗号資産のインセンティブを出すことによって、これらの仕組みを実現します。

このインセンティブ=Filecoinで配布される形になっており、IPFSを使うためにはFilecoin(ファイルコイン)が必要となります。

IPFSの将来性

では、次にIPFSの将来性について説明していきます。

IPFSがBraveと提携!IPFSでコンテンツに直接アクセス可能に!

2021年1月、月間2400万アクティブユーザーを誇るBraveブラウザはIPFSとの統合を発表しました。

今までは、IPFSのコンテンツにアクセスする場合、WebブラウザでいったんHTTPを使い、IPFSゲートウェイにアクセスし、そこからIPFSのコンテンツにアクセスする必要がありました。

今回の統合により、Braveブラウザの利用者は「ipfs://<URI>」を使い、IPFS上のコンテンツに直接アクセスできるようになります。

IPFS上のコンテンツに直接アクセスできることにより、利用者は検閲回避や高速アクセスのメリットを享受することができるようになります。

Braveブラウザのダウンロード先:https://brave.com/ja/

ソーシャルメディアの分散化標準にIPFSを採用か

ジャック・ドーシー率いるTwitterが主導する「ソーシャルメディアの分散型標準」を目指すブルースカイでも、今後はIPFSを採用する発表しています。

IPFSが次世代ソーシャルメディアで使われる可能性が出てきており、今後注目は高まっていくのは必須です。

まとめ:IPFSは今後必須の技術となる

IPFSの技術は本物であり、5Gの時代には必ず必要とされるものなのです。

アフターコロナの時代、テレワークは定着し、ウェブサービス、活用はさらに増えることになり、HTTPの限界が来ることは明らかなのです。

ぜひこのIPFSは今後も注目しておいてください。