経済ビジネス

消費行動の多様化による上場企業への影響とは?

渋谷建設ラッシュ

開発ラッシュが続く渋谷

オリンピックを夏に控え、東京では街開発が急ピッチで進んでいる。

特に渋谷では、Googleの日本本社が入る渋谷ストリーム、昨年11月に開店した渋谷スクランブル、渋谷パルコのリニューアルオープン、12月には東急プラザ渋谷、2020年春には宮下公園跡に三井不動産が開発する商業施設のオープンまで大手デベロッパーが開発する商業ビルのオープンラッシュが続く。

しかし、それぞれの商業ビルに入るテナントの様子を見ていると、アパレル業界の置かれる厳しい状況が見て取れる。

昨年のアパレル業界ではファストファッションのフォーエバー21が破産し、アメリカのバーニーズ・ニューヨークも破綻した。

日本国内でもオンワードホールディングの大幅な業績の下方修正、更には不採算ブランド及び国内600店舗の閉鎖などショッキングなニュースが続いた。

ユニクロは独自の機能性衣料品の開発により過去最高益を続けるが、他のアパレル大手は厳しい決算状況が続いている。

インターネット、スマートフォンの普及により、この10年の間に消費者にとっても購買チャンネルは大きく変化、多様化し、アパレル業界自体がこの変化についていけていない状況にある。

若者の価値観が変わった!

15年前は衣料品を何処で購入するかといえば、百貨店、ショッピングセンター、アウトレット、駅ビルだった。

しかし、現在は様々なECモール、Amazon、それぞれのブランドのサイト、そしてこの数年大きく伸びているのはインフルエンサーによる直接販売など買い方が本当に多様化しているのだ。

それに加えて、メルカリなどのフリマアプリでも様々な衣料品を低価格で購入でき、サブスクリプションモデルで毎月定額でのレンタルで、服を借りることもできるようになり、買い物に行くよりも自宅や職場から手軽に注文できるようになってきている。そして、アパレル業界自体がここに追いつけていないのだ。

10代、20代の若い世代は、買うこと自体を避け、無駄なものを買うことへの罪悪感を感じているようにも感じる。この世代の親世代もバブル時代のような好景気を味わったことがなく、倹約することを子供のころから身についているのではないだろうか。

環境活動家のグレタトゥーンベリさんの行動に共感する若者も多く、金融資本主義、既存の消費社会とは違う価値観が若い世代に広がっているようだ。

株式投資を行う上での投資戦略

消費行動の多様化、販売チャンネルの多様化は、アパレル業界だけの問題ではなく、例えば金融業界も同様であり、それ以外も旧態然とした業界に、IT企業が新たなコンセプトで参入してくると、そこに既存企業はついていけず、あっという間に業績を大きく低迷させることになる。

株式投資を行う上では、ITの進化、活用方法、進化するスマホアプリなどに常に着目していれば、これから成長する企業を見つけることができるし、衰退が予想される企業を見つけることも容易いことになる。

アパレル業界の話に戻るが、リアル店舗での消費者離れが続けば、アパレル業界と同様に苦戦するのはビル運営側となる。

日本各地の多くの百貨店も不採算店のクローズを続々と決めている。とくに地方都市では駅前の一等地の退店が相次いでいる。徳島そごう、伊勢丹相模原店、かつては地域の最高級の百貨店だったところの閉店が相次いでいる。

地方百貨店の閉鎖と同様、地方のアウトレットや大型モールでも一部ではすでに空床化が問題になっている。上記のようにメーカーがブランドの閉鎖や店舗の削減をする中、かつて何百ものショップが詰まっていた売り場が埋まらなくなってきた。

既にアメリカでは大量のショッピングモールの閉鎖が続いているが、今後は日本でも同様の状況が起こりそうだ。

テナントの撤退による空床の増加は、アウトレットやショッピングモールの魅力を減らすことになり、客離れは加速し、それによって更に採算の合わないテナントの撤退と、悪循環が続くことになる。

特にスペースが大きかったフォーエバー21やアメリカンイーグルなどの大型SPAブランドの撤退など、ファッションテナントの減少は進み、どこも苦戦している。

地方不動産のさらなる下落の可能性!

地方の象徴的な集客施設がなくなれば、街の魅力は下がることになり、これは不動産価格にも大きく影響する。地方の不動産価格は、高齢化、人口減少の中で、継続的に下落することが予想される。

参考記事:2020年、日本の不動産価格はどう推移するか?

Amazonは設立当初から利益度外視し、圧倒的なスピードでの成長、会員の囲い込み化に成功した。そしてクラウドサービスなど、新たな事業モデルの収益を更につぎ込む形で事業領域、商材範囲を拡大している。

中国のアリババやタオバオは12億人を超える中国マーケットのおかげで同様に急速な成長ができた。

少子高齢化が進む日本の中で旧態然とした業態の中で勝ち上がったIT企業も、海外展開では何処も苦戦し、大手プラットフォーマーには敵わない状況にある。

1年、2年という単位で考えた場合、旧態然とした企業に対して、国内IT企業は勝利し、業績を伸ばし、株価を上昇させていくだろう。

しかし、中長期的な視点でみた場合、世界のトップ企業との競争になったとき、多くの国内企業は苦戦をするどころか、事業そのものが大きく傾く可能性もある。個別株の投資ではこのあたりの見極め、投資戦略が重要となるだろう。

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【AI TRUST編集部】大泉
【AI TRUST編集部】大泉
AI TRUST編集部の為替担当大泉です。FX、為替歴は11年。今までにトレーダーとしても活躍。最近は為替の自動売買ソフトのアドバイザーなども務めており、為替のプロフェッショナル。
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