恐慌特集

【マイナス金利は大失敗】金融経済破綻のリスクが高まっている

マイナス金利 失敗

現在、世界ではマイナス金利になっている国々はヨーロッパを中心に下記13カ国にも及ぶ。

スイス、ドイツ、デンマーク、オランダ、オーストリア、フィンランド
日本、フランス、アイルランド、スゥエーデン、ポルトガル、スペイン、イタリア

マイナス金利は効果がなく、失敗だと言われ、やめろという声も多数上がってきているが、もう歯止めは効かなくなっている。

利回りがマイナスの債権の残高は2019年1月段階では900兆円、9月段階ではその倍の1,800兆円、約17兆ドルまで急増し、更にその額、規模は急拡大している。

世界的な金融緩和が進む中で全体の25%以上の債権がマイナス金利になっている。

マイナス金利の債権とはどんなものか?

債券を金利収入と満期時に戻る元本の合計額を超える高値で購入すれば利回りはマイナスになる。

マイナス金利の場合、債権を購入する側が金利を負担するという異常な状態にあるわけだ。

なぜ、そのようなことが起こるかといえば、その背後には債券の一段の値上がり(利回りの低下)を見込む短期的に考える機関投資家、ヘッジファンドや他にお金を置く場所がないと考え、損失覚悟で債券を買う機関投資家がいるからだ。

マイナス金利で利息ゼロ。それでも債権を買いたい人がいる

トヨタグループで2019年にゼロ社債が発行され、債権総額の2倍の申し込みがあった。

世界でも有数の優良企業のトヨタグループだから、期間内に破綻するリスクはほぼないと多くの投資家は考えているのだろう。

そして、金余りが続く中で、マイナス幅が拡大すれば、社債自体が購入した価格よりも高く売却できることも考えられる。

世の中を見渡してみて、他に投資をする先がなかなか見当たらないからこそこれだけの申込みになる。

EU内の多くの国がマイナス国債を発行しても資金が集まるのは、ユーロを持つという意味で分散資産として所有する国家規模の機関投資家などの必要性がある。

住宅ローンを組めば利息をもらえるという異常事態

スイスでは45年という超長期の残存の国債金利もマイナスになっている。

デンマークでは大口の預金者から年間0.6%を預かり手数料を取り、マイナス0.5%という、借りることで利息がもらえる住宅ローンもスタートした。

これによりデンマーク統計局のまとめる住宅価格指数は2015年の100と比較して、2019年1〜3月には115.6と過去最高値を更新した。

マイナス金利による不動産バブルが発生しているのだ。

マイナス金利の国々では、預金者に手数料という形で預金金利を実質マイナスにする銀行が増えてきている。

預金をすることで手数料を取られるのでそれを避けようにも、自宅に多額の現金を置くことはそれ以上のリスクがつきまとう為、銀行に預金せざるを得ない。

結果的には国民は今まで以上に消費に慎重になり、お金を貯め込む心理が働く。

バブル崩壊後の日本では預金金利利息がゼロに近づくたびに、消費意欲は抑えられ、誰もが現金を口座に溜め込んだ。

マイナス金利は永遠に成り立つのか?

2020年の日本の国家予算は102兆6600億円となり、2年連続して100兆円の大台を超えた。

2020年度予算案の税収は63兆5130億円であり、不足する39兆円程度の多くは国債発行によって賄われる。

歳出全体の8.2%、8兆4,200億円は国債利払費等にあてられ、14.5%、15兆円弱は国債債務償還費用にあてられる。

発行済国債には支払い利息がかかり、新規発行国債はマイナス金利で発行できるから、国債をどんどん発行しても安全、安心なのか?そのようなことなどありえない。

本来、入ってくる税収の中で収めるべき国家予算は年々膨張しているのだ。

国がマイナスでいくらでも借金を刷ることができるとすれば、モラルハザードは加速していくことになる。

消費税が度々値上がりしても国民の生活は一向に改善されない。

マイナス金利の矛盾を何度も言うが、あなたも真剣に考えてほしい。

借金しても利息を取られることがなく利息を貰えるのだ。

たくさん借金をしてより多くの利息をもらえるのであれば、どんどん借金を積み重ねたくなるのが心理であろう。

これがまかり通るのであれば、国民から税金など取らず、全て国が新規で国債を刷り、借金を積み重ね、そこから得られる利息で国家を運営すべきである。

世界中がそんなことをしたらどうなるのか?

当たり前の事だが、誰もそんな国債は買わなくなる。

欧州債務危機 ポルトガルの国債金利は17.39%

ギリシア危機から始まった欧州債務危機のあった2009年年以降、EU各国の金利は跳ね上がった。

・アイルランドの国債金利 14.08%
・スペインの国債金利    7.62%
・ポルトガルの国際金利  17.39%

これだけの利息を支払わなければ新規国債は発行できず、既存債権はこれだけの利回りがでる価格まで暴落したわけだ。

現在これらの3つの国はマイナス金利で国債を発行しているが、これらの国々がそこまでの財政健全化が図れたなどとは到底考えられない。

マイナス金利が広がる現在の環境下だからそうなっているだけで、世界の何処かの国でリスクが表面化したときに、財政基盤の安定しない国からは、資金が逃避し、国債が暴落するリスクは非常に高い。

そして、そこから広がる形でマイナス金利各国の国債は暴落し、金利は急上昇し、その時は当然のことながら株式市場は大暴落をする。

日本を始めとした各国の借金は最後に誰が返すのか?

満期になるたびに新たに借金を積み上げるのか?

お金が余り、行き場がないからこそ、マイナス金利国債であっても運用対象になる。

マイナス金利による暴落は目の前まで来ている

マイナス金利によるリスクは理解できただろうか?

マイナス金利で運用難の金融機関は、より大きなリスクを取りながら、運用先を世界中で探し、運用を行っており、今考えられるだけでもこれだけある。

・サブプライム層へのローンの拡大
・リスクの高い債権の購入、運用
・新興国、途上国国債、債権の購入、運用
・デリバティブ商品での運用拡大

リーマン・ショックでは金融業界のグリードがその後の株式市場の暴落をもたらしたが、今回の場合、マイナス金利の浸透拡大が金融市場の暴落リスクとなっている。

マイナス金利で資金が引き上げられた時、何が起こるか?

お金の流れが逆回転した途端に資金は何処かで詰まる。

リスクに対して敏感なお金は世界中で急激に引き上げられ、世界中で資金不足が起こることになる。

どこか1箇所が詰まることで世界全体にそれは波及し、市場を暴落させる。

現在のマイナス金利はプラス金利になり、一気に国債金利は跳ね上がり、既存所有国債を持つ機関投資家は多額の含み損を抱えることになる。

決済期日に資金がなければ機関投資家はリーマン・ブラザーズのように破綻することになる。

日本の国債を最も持っているのは日銀なわけだが、日銀が最も多くの損を抱えることになるが、日本中の銀行も同様に多額の損失を抱える中、既に日本という国家は借金まみれにある。

世界中の多くの国が同様にある時に金融システム自体が今のままで継続できるのか?

これも大きな疑問であり、マイナス金利の抱える最大の問題だと考えている。

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