24歳 中古CD卸業のスタート
レンタルCD店の閉店物件の買取は当初は引き上げた店舗から直接、愛知県の指定先に運んでいましたが、取引先をどんどん紹介されたことで、全国の著名レンタルチェーン店への納品が続くことになりました。その中にはツタヤやゲオ、地域地域のチェーン店があります。
この当時はまだブックオフも創業間もない頃で、ブックオフとのお付き合いはその先のこととなります。
多くのチェーン店本部との取引拡大に伴い、商品の検品も必要となり、倉庫を借りることになりました。最初は10坪ほどの倉庫を借り、半年で60坪の倉庫へ移動し、さらにはその倉庫の中にオフィススペースも作り、倉庫作業のパートさんも5名ほど採用しました。
そして更に手狭になったため、30坪ほどの事務所がついた80坪の倉庫へ移動し借りることになりました。事業は順調に拡大期に入っていったのです。
付加価値をつける
前の店舗のシール等を剥がし、傷のあるCDについては全て傷をとるクリーニング作業を行い、割れたケースは新品に変えて、きれいな状態にして納品することで、より高価な価格で納品できるようになり、収益率も拡大していきます。
独占事業を作り上げる
中古ビデオの卸会社というのは全国に多数あったのですが、中古ビデオは1本の納品価格が当時5,000円〜8,000円に対して、中古CDはせいぜい800円〜1,200円ということもあり、そのくせ内容についてのチェックが厳しいために、どの中古ビデオ業者もCDは触らず、レンタルビデオ&CD店の新規開店があると、CDについては数多くの先から納品依頼されるようになったのです。
同様に閉店物件の引き上げについても、中古CDを在庫として持つリスクをどの中古ビデオ卸問屋も避けたため、買取依頼が各社から入り込み、更に自社で数多くの中古CDの在庫を常に持つことで、中古CD卸業という分野において、ほぼ独占に近いビジネスが出来上がったのです。
起業心得8:ブルーオーシャンを見つける
最初から事業が独占化できると思ってスタートしたわけではありませんが、中古CDショップを持ちながら、店舗の売上を安定させるために思いつき実践した幾つかのアクションがうまくいき、そしてその先にブルーオーシャンが見つかり、大きな収益を上げる事業を作り出すことができました。
試行錯誤の前進の中にこそ、ブルーオーシャンは見つかりますし、他の人がまだ気が付かない新たなジャンルにこそ、数多くのブルーオーシャンが生まれるのです。
26歳 多店舗展開へ
島田市の隣町である藤枝市で好調な売上を上げるRADIO STATIONは、その後4倍ほどのスペースの場所に移転しました。駅前からすぐそばの好立地で認知度もアップし、まだブックオフのようなリサイクル専門店もない時代で、周辺に中古CDを扱う店がないため、かなりの遠隔地からも多くの車でお客様に来て頂きました。そのような中で次の店舗の出店を行うことになりました。藤枝市の隣街である焼津市郊外への出店です。
焼津店は小川というエリアでしたが、駐車場も在るロードサイド店が並ぶエリアです。良い土地が売りに出ていたため、銀行に相談にいったところ、全額融資をしてくれる事になり、土地を購入し、建物をゼロから建てることにしました。
店舗のイメージはもともと持っていたため、それを設計士、デザイナーに伝え、かなり当時としてはカッコいい店ができたと思います。天井高も入口側は6m以上の吹き抜けで、壁面は4m近くまでCDが飾られ圧巻でした。音響も閉店物件から引き上げた良いスピーカーを揃えました。
開店時には銀行からも支店長もお祝いに来てくれ、大手レンタルチェーン店のトップも数多く視察に来てくれました。この店は音楽ファンからはかなりその後も贔屓されることになり、県内では有名なショップとなったのです。
27歳 美容室を譲る
中古CD店舗の多店舗化、中古CD卸事業の拡大が続く中で、美容室は徐々にスタッフに任せるようになっていました。途中からは平日は完全に任せ土日のみにし、最終的には土日も完全に任せ、お店を譲り、美容業からは完全に引退したのがこの頃になります。
もともと美容の仕事はせいぜい40歳までしか出来ないだろうと20歳のころから考えていました。センスや技術がどんどんずれていき、若い客層を開拓出来ないようになれば、ビジネスは尻窄みになっていくと考えていたのです。
その危機感が投資を学ぶことに向かわせ、投資の原資を作るためにビジネスに向かわせたのです。中古CDという他に競争相手も殆どいない中で、更に万全な体制を作り上げるためにも、集中する必要があったのです。今でも美容室の当時使っていたハサミや櫛は手元に大切に保管をし、自分の髪やヒゲを整えるために使っています。
起業心得9:選択と集中
何事も中途半端はいけません。ひとつに集中させるべきときは集中させなければ、全てが中途半端になりうまくいきません。人は最初に成功したものについつい執着もしがちですが、元の場所にしがみつき、次に進まなければ、どんどん衰退していってしまいます。成長のためには常に前進が必要なのです。
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