黒田日銀によって10年間続けられた超金融緩和策 そもそもの目的はなんだったのか?
長らく続いたデフレから脱却し、2%の持続的なインフレを目指すことでした。日銀が資産を膨らまし国債、日本株を買い続け、日本円という紙幣をばら撒き続けたことで、円安、株高は起こりました。
政治家としてみれば、ばら撒きは方々に予算を振り分けられるため、地元の選挙民からの受けは良いので当然支持します。
その後何か問題が起こったとしても、その時は既に議員を辞めている政治家がほとんどですから目先の表欲しさに金融緩和を支持します。
ゼロ金利になれば国民生活はどうなるか?
仮に定期預金の利息が2%だとして国民の預貯金が2,000億円あれば、国民は40兆円(税金はここから引かれますが)の利息を受け取ることができます。
しかし、ゼロ金利になって定期金利もゼロになれば受け取れるはずの40兆円はなくなります。
政府としてみれば国債の利息の支払いが金利が下がることで減りますから、実質的に国民の懐から国にこのお金が移っています。実のところは税金と何ら変わりません。
インフレが続けば紙幣の価値は年々下がる
インフレを目指す政策を行っていますから当然最後にはインフレになります。今は日本のインフレ率も4%を超えましたが、4%のインフレが続けばどうなるか?
紙幣の価値が年々4%減っていきます。そして、国の借金も実質的に毎年4%減っていきます。積み上がった借金もこれであればある程度圧縮できるかもしれません。
このあと金融政策は変更されることになりますが、YCCを解除すればどうなるか?
当然金融市場には激変が走ります。その辺りはこちらの記事で理解してください。
↓↓金融政策変更で投資市場への影響は?↓↓
↓↓日銀の保有資産の増加が暗号通貨を押し上げる↓↓
長期金利は急上昇することになりますが短期金利については、まだマイナス金利を継続するでしょう。これも段階的に取りやめることになるでしょうが市場へのショックが強過ぎます。
この段階で何が起こるのか?
住宅金利は上昇します。金利が上昇すればローンの利払いに苦労する人も増えてきます。
新規不動産の売り上げは低迷し、中古不動産の価格も下落します。
↓↓住宅ローンの借り換えはお早めに↓↓
金利が上昇することにより日米間の金利差が減り、一時的な円高が進みますので、外国人にとっての日本の不動産の割安感は為替面で減ることになります。
円高が長期安定化すれば不動産価格の下落基調は長引くでしょうが、短期的な円高となり、再度円安が進めば外国人からの割安感での買いが入り、都心のタワマン等の保有者はどんどん外国人比率が高まります。
企業倒産の増加、失業率増加
金利が上昇すれば支払い利息が増えますので、企業の倒産は急増します。そして失業率も当然急増します。といっても日本も全体的にみれば人手不足の状況ですので、失業率が大きく増加するというよりも、失業者は今までと違う職につくという流れになるでしょう。
ただし、残念ながら所得は今までよりも下がるでしょう。サービス業、介護等、人材不足の業種は基本的に所得が低いです。
日本人の所得を上げようと政府も躍起になっていますが、今年は一時的に全体的には所得が上昇したとしても継続的な上昇の可能性は皆無だと思います。
そして、注意すべきは犯罪率の急増です。今も日々、日本では過去ではあり得なかったような犯罪が多発化していますが、これがさらに増加することになります。日本の治安は悪くなります。
預金金利はどうなるか?
短期金利のマイナス金利は続きますから、金利がつくとしてもスズメの涙程度にしかならないでしょうね。預貯金を持つ層にとってのメリットはまだ出てきません。
国家の利払い負担は増え、日銀の財務状況は悪化する
長期金利が上昇することで、国債価格は暴落します。日銀の保有する500兆円を超える国債で大きな含み損が出ます。
↓↓日銀 実質債務超過に↓↓
↓↓日銀降参 実質利上げでどうなる?↓↓
政府の利払い費用は年々増加することになります。財政はさらに悪化することになりますから社会保障費用、社会インフラにかける予算は削られます。
国民が今まで無料で受けられていた当たり前のことが徐々に受けられなくなります。
例えばゴミの回収が週2回だったのが1回に減ったりとか。公園の整備にかける予算が減り、近所の公園が以前より汚くなったりとか。
インフレは収まるのか?
インフレを抑えるためには金利を上げなければなりません。そしてもうひとつ、市場にばら撒いたお金を回収しなければなりません。
しかし、欧米の行っているような利上げは日本にはできません。そんなことをすれば、国債価格は大暴落し、銀行も生保も、そして日銀も損失が拡大して破綻してしまいます。
ばら撒いたお金を回収するには日銀が保有する資産を減らす必要があります。
日銀が保有する国債を買う買い手はいない
しかし、残念ながら日銀が大量に保有する国債を日銀に代わる買い手など世界中を探してもどこにもいません。買い手を見つけるにはそれなりに魅力の高い利息をつける必要があります。
アメリカの10年債の利息は4%程度です。
日本の10年債の利息は0.5%です。
3.5%も魅力の低い国債を長期間大量に保有しようとする、お人好しは世界中どこを探しても残念ながら存在しません。
日銀の保有する日本株も同様です。買い過ぎました。売るには市場への悪影響が強過ぎます。
結果的にばら撒いたお金の回収はできません。
円安になり、日本のインフレは高止まりする
そして、欧米は構造的な高インフレ状況にあると考えていますし、日銀のYCC撤廃による円高は一時的だと考えていますので、再度円安の流れになる中で、日本のインフレは高止まりすることになると考えています。
↓↓日本の行く末はトルコのような状況に向かうのかなと感じます↓↓
悲しい結論、未来しか見えませんがこのような状況に向かうのだろうなと考えています。
今まではゆっくりと下落が進み、真綿で首を絞められている状況でしたが、これがさらに苦しく、厳しくなっていくということです。安易なばら撒き政策を繰り返した政権・政治家を応援し続けた日本国民の自業自得ということです。
既にそのレベルにない国力なのに、過去の栄光にしがみつき、無理をし続けた結果が今の状況です。
家庭に置き換えて考えてみれば簡単なことです。
所得が1,000万円あった時の生活を所得が300万円になって続けていれば?
借金ができるときにはできるだけ借金を積み上げて見栄を張って同じ生活ができても、借金ができなくなれば生活の質を落とさざるを得ません。
本来であれば現実を受け入れて質素になるべきだったのに、ゼロ金利、マイナス金利にし金融では絶対にタブーの財政ファイナンスを行うことで無理なことを今まで続けてきたわけです。
日銀のサイトでも日本銀行における国債の引受けは財政法第5条により、原則として禁止されています。と書いてあるのですが・・・・・・・・
日本銀行における国債の引受けは、財政法第5条により、原則として禁止されています(これを「国債の市中消化の原則」と言います)。
これは、中央銀行がいったん国債の引受けによって政府への資金供与を始めると、その国の政府の財政節度を失わせ、ひいては中央銀行通貨の増発に歯止めが掛からなくなり、悪性のインフレーションを引き起こすおそれがあるからです。
そうなると、その国の通貨や経済運営そのものに対する国内外からの信頼も失われてしまいます。これは長い歴史から得られた貴重な経験であり、わが国だけでなく先進各国で中央銀行による国債引受けが制度的に禁止されているのもこのためです。
この状況を日本に住む日本人は受け入れて、将来に備えてください。
これは緩やかなシナリオです。激変するシナリオについては別でまとめてみたいと思います。
日銀問題は出口がなく、インフレが進む中でもらえる年金は減り、様々な形で実質的な税・国民負担がますばかりの日本。
本当にこのまま日本に住み続けて良いのか?
どのように対応すればリスクを逃れられるのか?
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