不動産

投資向けアパート価格の下落が始まる

新型コロナが蝕む賃貸市場

新型コロナ禍により経済は急激に悪化したことは明確であり、コロナ前に戻るには最低でも数年間という期間が必要ですし、純然たるコロナ前の状況には2度と戻らない可能性もあります。人々の生活は確実に変わってきています。ヨーロッパでは1日の感染者数が15万人を超え、各国で過去最高の感染者数が出ており、多くの国、地域で再度の移動規制措置がとられています。トランプ大統領はしきりにコロナは大丈夫だと言い続けていますが、感染拡大が再度広がるアメリカでは、流石に高齢者層、女性層はトランプに嫌気が指しているようです。今日は新型コロナが及ぼす賃貸不動産市況について考えてみたいと思います。

失業率増加、資金繰り悪化で家賃が払えない

今回の新型コロナでは、あまりに急激な経済下落、移動制限が引かれたため、転居によって「家賃」のコストを調整する間もなく、資金繰りに窮したケースが日本人でも続出しています。賃貸住宅に住んでいて、家賃が払えないというパターンだけでなく、給与、ボーナスが大幅に減ったため、住宅ローンが支払えず、自宅を手放さざるを得ないという状況も続出しています。多くの賃貸住宅の家主は、入居者やテナントから、家賃の滞納を受け、家賃の減額の相談を受けており、そして退去も続いています。

賃金が削減、休職、解雇、雇用先の破綻などにより毎月入る給与が減ったり、無くなったりすれば、当然のことながら生活費を切り詰める必要があります。賃貸住宅に住む多くの人は、戸建て住宅に住む人たちと比べ、労働条件はよくない場合がほとんどであり、今回の新型コロナは賃貸住宅に住む世帯により大きなダメージを与えています。

結果的に家賃の不払いも増え、より安い家賃の場所へ引っ越さざるを得ない状況になっていますので、賃貸市場は設定する家賃価格自体を下げざるを得ない状況であることは間違いありません。

民泊需要の蒸発

2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、貸家を民泊に転換する動きが増加しました。民泊という新しい需要が生じたことによって賃貸市場の需給がタイト化したり、収益性の観点から一般的に投資利回りの高い民泊とフェアな水準まで家賃が引き上げられたことにより、今から2年前は、特に都心部、観光地の賃料相場は上昇しました。しかし、新型コロナ禍の中で、海外からの観光客は対前年比で99%程度のマイナスが継続して続くような状況であり、インバウンド消費を中心とした旅行需要の急減により、民泊需要は減少することになり、これも家賃の下落要因になる可能性は高いです。

民泊は住宅の空き部屋を活用する例が多いため、観光客が見込めず、賃貸物件として売り出すケースもでてきています。ローンで物件を取得した民泊のオーナーなどが、資金繰りのために相場よりも安く賃貸物件として市場に出せば、賃貸市場価格全体をさらに押し下げる要因になるかもしれません。

コロナで家賃はまだまだ下がる

失業率の増加、賃金下落、民泊需要蒸発と悪材料が並んでいますので、家賃相場は当面の間は下落する可能性が高いでしょう。そして家賃の下落により、その不動産自体の資産価格も相対的に下落すると考えるべきでしょう。家賃の下落は首都圏を中心に高値圏にあると言われる住宅価格の割高感を一段と強めることになり、資産バブル崩壊のリスクを高める点にも留意をすべきだと考えられます。

今後待ち構える人口減少

日本の人口は既に減少が進んでいます。そして特に地方部では空家率がどんどん高まり、空家問題が懸念されています。人口が増えている首都圏以外では、家賃に対する価格下落圧力が継続的に高まっていき、特に老朽化した物件については、本当に格安な価格設定をしなければ、入居者は見つからないかもしれません。(これはこれで生活困窮者の需要は出てくるでしょうが。)

しかし大幅に家賃を下げる物件が周辺に出て来れば、確実にその地域の賃貸市場を暴落させることになりますし、安い賃料しか取れなければ、戸建てアパート、マンションとも、物件価格も相対的に下がることになるでしょう。新型コロナによる賃貸不動産市場の崩壊は時間の経過とともに、じわじわと日本国内全土に浸透していくことになるでしょうね。金利水準は下がっていますが、人口が継続減少する中での需給バランスを考えた場合、日本の賃貸不動産市場は相当注意を払って行うべきでしょう。

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チャーリーTAKA
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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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