失っていい資金などない
最近、投資を始めた方と話す機会が増えているのですが、気になっているのが、「投資資金に対しての姿勢」。投資は爆発的に資産が増えるというイメージからか、身の丈に合っていない金額を投資している方が多く見受けられます。
自己責任の世界と言ってしまえばそれまでなのですが、投資で一番重要なのが資金管理です。今回は、大切なあなたの資金を投資に使う上での向き合い方について解説します。
努力せずに資金が増えるとの勘違い
SNSが普及され、「収益を公開する人」が増えて来ました。中には、画像入りで夢のある数字を見ます。もちろんそれに色めきだって投資する人がいるのは事実でしょうが、その画像が使い回されているときなども見受けられますので注意は必要です。
そして、イメージ的に”投資=ラクして儲かる”というイメージが強いと思いますが、正直だれもが1度や2度、多い人であればもっと、大きな損失をだし、それでも勉強を積み重ねて経験値をあげて生き残るか消えるか、、このような世界です。努力なくして栄光得ずではありませんが、まずはなにも分かっていないときには大きな資産を投じないことをおすすめします。
利益はすぐ利確、損失は大損まで切れない
昨年末よりビットコインなどの仮想通貨が大きく上昇していますが、新規参加者は「長く保有できない」人が多いといわれています。これは、確実に投資資金を「オカネ」と認識して、目先の利益欲しさに利確をしてしまっていることが考えられます。
オカネと考えてなにが悪いんだ?と思われると思いますが、投資での資産は数字と捉え、少し感覚を麻痺させる必要があります。チャートが見れる人であれば、指値・逆指値を入れてそこまではなにがあっても見ない、これくらいの徹底をしない限り、「利確欲」に振り回されます。利確欲が出ている時点で、投資での資金が日常生活で使うオカネの感覚と一体化しています。
投資での資金を数字と捉え向き合わないと、長い投資生活は送れません。当然、損失に関しても受け入れたくない数字であってもスパッと切ることができるようにならなければ、一発退場が待っています。投資資金は、ただの数字と捉えられるようになるまで、無茶な金額を投資することは避けるべきです。
元本回収後に攻めるべき
投資で資産が増えるとさらにその資産を回転させて、もっと増やそうという欲が働きます。例えば、100万円スタートで110万円に増えたとします。次は、110万円を使って150万、200万、300万とどんどん上を狙いたい欲が働くでしょう。そうなると、自然とリスクが高まり、全てを失う可能性もあります。
長く専業でやっているトレーダーでも退場がある業界で、生き残り続けるには、まずは元本回収しておくことは重要です。例えば、200万円まで達したらスタート時の100万円を出金しておいて、再度100万円でスタートするとどうでしょう。
その後全てを失ったら、また100万円からやり直せばいいですし、そう考えるとメンタル的にラクになります。大きく攻めるのであれば、元本回収後が理想です。その頃には、知識や経験値も格段と上がっていると考えられます。
イージー相場が分かるようになる
マーケットは、あなたの都合で動きません。ドル円でいえば現在大きな動きを出していますが、トランプ・安倍政権のときは狭い動きでした。憶測ですが、両者で口裏合わせでもしていたのでしょう。
急騰を続けるビットコインも同様です。いきなり大トレンドは始まります。しかし、理解なく慌てて周囲の言うがままに飛び乗ると、2017年の仮想通貨バブルと呼ばれた年の出川組(220万円の最高値で飛びつき参加)のようになり、その後痛い損失を被ることになります。
ただ、日々マーケットをチェックする、学びを深め、情報を得続ける中で、イージー相場が分かってきます。しかし、それまでに資金が尽きてしまっている人も多いのが現状。いくらアドバイスを受けても、いくらいい情報を得ても最終的にあなたの判断で投資し、あなたの判断で利益、損失を確定し続けることが出来なければ意味がありません。
勘違いしがちなのが、仕事が減ったから投資、、家族が増えるから投資、、家を買ったから投資、、など。マーケットは、あなたの都合に対応してオカネをくれる打ち出の小槌ではありません。
地味な習慣を繰り返すことである日突然、あれ?という感覚が降りてくることがあります。これも絶対ではありませんが、これは、感覚から覚えるイージー相場です。あらゆるパターンを経験していると得られますので、投資は、一喜一憂するものではなく、気長に取り組むべきことと覚えておいてください。
増えた資産にご褒美を
数年前に投資の基本を伝えた知人からお礼のメールがきました。「お陰様で新しくピアノを購入することができました。」と。上手に資産が増えたということですね。投資には、運もつきものですが、基本的な内容を徹底することが重要です。
・無茶な資金でいきなりやらない
・増えたら元本は回収する
・経験値、学びは必要
・いつでも全てを失うと自覚する
そして、ピアノを購入した方ではありませんが、「数字」と捉えていた投資での資産をたまにご褒美として、モノやサービスに替えることは自分へのご褒美にもなりますし、経済効果にもなります。身もふたもない話ですが、投資で増えた資金でGDP(国内総生産)は1円も増えません。
でもそれを消費に回しモノやサービスを購入した時点で、消費となり日本経済を潤していることになります。日本経済というと規模が大きい話ですが、自分へのご褒美プラスアルファで覚えておくといいですね。
常に謙虚に、淡々と
投資=派手なイメージをもたれる方もいますが、実際はそうではありません。真剣に向き合うのであれば、はじめは、あらゆることを犠牲にしてマーケットと向き合う必要があります。
資産が増える、増えないの前に覚えるべきことやタイミングが多く存在しますので、仕事をしながら行う方は特に意識的に時間を割くべきと考えます。なんとなく上手くいった、、という投資は後からシッペ返しがきます。計画的に上手くいく、そしてそれを継続させるのが投資の本質です。
さらに、周囲の投資家の知り合いをみて思うのが、謙虚で素直な人が多いです。これは、僕自身も意識したいことですが、大切なオカネが絡みすぐに数字に現れる世界なだけに、あらゆる人間像が出てきますので、たまに自身のスタンス、他者に対しての態度等を振り返ってみることも大切ですね。
接点がなく、人のブログやメルマガ、SNSなどを参考にされている方も同様です。いつの間にか感情移入してしまい、上手くいけば自分の成果、失敗すれば人を恨む、このような投資にならないように心がけたいところです。
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