株式投資と税金
投資で得た収益には税金が発生します。投資を始めたばかりの方は、この事実を知らない場合も多いので、投資をする際は必ず税金を頭の片隅に入れておいてください。
投資は大きなキャピタルゲインを生み出すこともあります。ここ数ヶ月の株式市場の上昇の恩恵を受けている方も多いのではないでしょうか。
税金面を知らずに投資を始めると、後々知ってから、「なんか損した気分・・」となることもあります。株式投資、為替投資、仮想通貨投資・・ など投資内容よって若干変わってきますが、今回は株式投資と税金について、少し掘り下げて見たいと思いますのでどうぞお付き合いください。
NISA口座運用、税金ゼロ
通常株式・投資信託の配当金(分配金)や値上がり益に対しては、20.315%の税金がかかります。100万円の値上がり益が出たのであれば、約20万円は税金として支払う必要があります。しかしNISA口座運用の場合は非課税となります。ただし制限もありますのでチェックしてみてください。
■つみたてNISA
対象者:口座開設する年の1月1日現在で満20歳以上の個人
投資方法:積立方式
年間投資上限額:40万円
非課税で保有できる期間:20年
対象商品:国が定めた基準を満たした投資信託
■一般NISA
対象者:口座開設する年の1月1日現在で満20歳以上の個人
投資方法:積立方式
年間投資上限額:120万円
非課税で保有できる期間:5年
対象商品:国内株式・海外株式・投資信託
つみたてNISAは、年間投資上限額がやや低めですが、100円からコツコツとつみたてられるので、初心者の方におすすめといえます。つみたてNISAの投資可能期間は、2018年〜2037年までです。仮に2037年からつみたてNISAを始めた場合は、2056年まで非課税で保有することが可能となります。
定期預金するのであれば、、という考え方で始める方もいますが、注意点は元本保証ではないことです。あくまでも積み立てることに意味があると個人的には考えますが、途中の損失や相場上昇時に撤退してしまいがちです。コツコツと毎月つみたてることに意味があり、さらに税制面で優遇されている国の後押しがあるということです。一般NISAは、投資上限額が広がりますが、非課税保有期間が5年と短めですね。
確定申告を避けたい方は、特定口座(源泉徴収あり)
株の場合は、値上がり益によって得る譲渡益課税と、配当によって得る配当課税がかかってきます。どちらも税率は20.315%で確定申告をする必要がありますが、正直めんどくさいという方や全く税金のことなど考えたくないという方もいらっしゃると思います。
そういう方は、証券会社に税金を源泉徴収してもらう方法があります。
特定口座(源泉徴収あり)を口座開設の際に選択することで、税金に関しては証券会社が行ってくれるので、ノータッチで済むということです。
しかし便利な反面デメリットもあります。会社員の場合、給与所得以外の収入が20万円以下であれば免除されます。源泉徴収ありを選択している場合は、このような確定申告が必要のないときも源泉徴収されてしまいます。
その場合は、支払いすぎた金額を還付する必要があります。このような事態を避けたいのであれば、特定口座(源泉徴収なし)にしておいて、申告が必要な際に、証券会社が作成してくれた年間取引報告書を持ってご自身で確定申告をするという方法もあります。
税金は3年間は損失繰越しが可能
株取引で、税金が免除されるNISA、確定申告の手間が省ける特定口座(源泉徴収あり)などをご紹介しましたが、最後は株式投資で損失をした際の確定申告について説明します。
損失が出た場合には、その損失は翌年以降に3年間持越し、利益や配当と相殺することができます。
例えば、今年100万円の損失をしたとします。翌年利益、配当金が50万円出たとします。相殺され−50万です。その翌年も利益が50万円出たとします。まだマイナス分がありますので、相殺しここでようやくプラスマイナスゼロ状態となります。これは、特定口座(源泉徴収あり)の場合、自身で申告する必要があります。
NISAは口座で損が出た場合は、確定申告をしても他の口座との損益通算や損失の繰越ができないのでご注意ください。損失が出た場合も確定申告を意識することは重要です。
確定申告時期
確定申告は、今年でいえば2020年1月〜12月までの損益に対しての申告が必要で、申告期間はよく年2月16日〜3月15日となっています。今年でいえば、新型コロナウイルスの影響で特別に延長されましたが、毎年混雑が予想されます。
ギリギリに税務署に行くと大混雑で聞きたいことも聞けないということもありますので、できる限りスムーズに行うには、年が明けたらすぐに申告するのがオススメですし、それまでに不明点を聞いておくと、税務署、証券会社ともに余裕がある時期ですので、ゆとりを持って知識に入れることが出来ます。
投資をする上で、知っておいて損はない知識ですので、ぜひご自身の投資スタンス、現在の収益に対してどうなのか?個別で情報を早めに得ることを心がけてみてください。
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