経済ビジネス

テスラの株価は今後どうなるのか?

テスラ株価は今後どうなる?トヨタを追い抜く

テスラ株が6月10日の米株式市場で急騰し、時価総額で自動車業界世界首位のトヨタ自動車に迫った。創業20年に満たない自動車メーカーが、ハイブリッド車を推し進めてきたかつての提携先を抜き、自動車メーカーの時価総額で世界トップの座にのし上がろうとしている。

テスラ株は10日、米株式市場で上場後初めて1,000ドルの大台に乗せ、時価総額は1,902億ドル(20兆3,780億円)に達した。トヨタ株の11日終値は前日比2.7%安で時価総額は約22兆5,310億円とその差は縮小している。

まず最初に、AI TRUSTに2月27日にアップされたこちらの記事をお読みいただきたい。当時の株価は594ドルで、新型コロナでの市場急落もありながら、株価は継続上昇した。

テスラの広告戦略

テスラは過去に広告を出したことがない。これまでのところ、それが功を奏しているようで時価総額は、フォード、ゼネラルモーターズ、フィアット・クライスラー、ダイムラーを合わせたものを上回っている。

イーロン・マスクの給与はゼロだが・・・・

Teslaの取締役会は、CEOのイーロン・マスク氏に数十億ドルが支払われる空前の報酬パッケージの第1回分、7億ドル以上の価値を支払う重要財務事項を承認した。同氏はこれまでに給与を受け取ったことがない。

代わりに、株主の承認を得て、株式ベースの報酬制度を選んだ。前の株式報酬制度で同氏は、2012年に約7,800万ドル相当のストックオプションを受け取ったが、テスラが生産台数と時価総額のマイルストーンを達成したあとに与えられたものだった。

2018年のCEO報酬制度は、マスク氏が次の10年間テスラに所属することを保証しただけでなく、重点が置かれているのは時価総額と売上であり、必ずしも利益ではない。

電動大型トラックもいよいよ始動

イーロン・マスク氏は、3年近く前に発表した電動大型トラックであるクラス8のTesla Semiについて、全力を尽くして大量生産を開始するときだと述べている。

電動トラックの分野では新興メーカーが台頭しつつあり、テスラは参入を急ぐことで競争を優位に進める考えとみられる。車載電池とモーターの生産は米ネバダ州にある既存の工場で手掛け、その他の作業は別の州で行うとしている。

トラックの車両組み立てのために米国内に新たな工場を建設する方針とみられる。テスラは2017年11月に電動トラック「セミ」の試作車を公開し、商用車市場に参入すると発表していた。当初は19年に生産を始める予定だったが、量産は遅れていた。20年4月の決算発表では21年までにセミの生産を始めると説明している。

環境意識の高まりを背景に、米国の小売業や運輸業では走行中に排ガスを出さない電動トラックへの関心が高まっている。燃料電池で駆動する大型トラックなどの開発を進める米スタートアップのニコラは6月上旬、ナスダック市場に上場している特別買収目的会社(SPAC)との合併によって上場を果たしている。

中国でモデル3の生産開始へ

6月11日、テスラは、中国政府からリン酸鉄リチウム電池搭載のセダン、モデル3の生産の認可を受けた。中国工業情報省のウェブサイトに掲載された文書で明らかになった。

韓国:テスラの独走を防げ

韓国の完成車企業が、電気自動車を購入する顧客のための特典を競って次々と打ち出している。韓国の電気自動車市場がテスラ独走体制の兆しを見せる中で、電気自動車の顧客を捉えるための競争がますます激しくなっている形となった。

新型コロナでの消費減による落ち込みを防ぐためのキャンペーン、政府主導のエコカー助成金等も今後世界各国で行われる可能性も高く、電気自動車メーカーには追い風となる可能性がある。

電動バンがトンネルを走る

カリフォルニア州が承認したトンネル建設計画に向けて、テスラでは12人乗り電動バンを開発中である。この情報は、イーロン・マスク氏のトンネル掘削会社The Boring Companyが新たな高速トンネルを建設する提案を推進するために、同郡の交通局が採決にかけた計画の一部として明らかになった。

100万マイル寿命のバッテリー開発

テスラが開発した新たなバッテリーのテクノロジーは、同社の電気自動車の動力源として100万マイル、約160万Kmの使用に耐え、低コストで生産できるという。

これは同社が同等のガソリン車と同じかそれ以下の価格でEVを販売できることを意味しており、価格が大幅に下がることで、需要が急増し、将来的な売上が急上昇していくことも予想できる。

スペースXが追い風に

イーロン・マスク氏はスペースXの創業者でもあり、スペースXが民間初となる有人宇宙船打ち上げ成功が、テスラにとっても追い風となっている。

イーロン・マスク氏は今回の有人宇宙飛行を成功させた後の目標について、次世代宇宙船Starshipの開発に全力を挙げると述べている。

マスク氏は現在軌道上でISSに接続されているCrew Dragonカプセルと乗員であるNASAの両宇宙飛行士を無事に帰還させることを別にすれば、Starshipの完成がSpaceXにとって最重要の目標だと述べている。

話題性に事欠かず着実な成功は大きな発展につながる

有限実行を繰り返すイーロン・マスク氏。テスラ社だけでなく、スペースXを含めた総合的な告知力、話題性に事欠かず、加速度的な成長も期待でき、時価総額の上昇率という面においては非常に大きな魅力・可能性を感じる。

しかし、これは大成功が前提の元での話であり、ライバル他社の成長による市場シェア率の減少や、スペースXでの打ち上げ事故などがあれば、株価は大きく下落するリスクも高い。上がり続ける株価を追うのではなく、じっくりと押し目の場面を狙っていくことが正しい投資につながるだろう。

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