経済ビジネス

欧州ソブリン危機とは?

欧州ソブリン危機

イギリスのEU離脱、新型コロナウイルスのイタリアでの広がりによる国債の急落、ドイツ経済の落ち込みなど、ヨーロッパ経済に黄信号が灯っている。

今このタイミングで、改めて欧州ソブリン危機を理解してみよう!

欧州ソブリン危機とは?

2010年に起こった欧州ソブリン危機は、2009年10月のギリシャ政権交代による国家財政の粉飾決算の暴露から始まる経済危機の連鎖のことをいう。

スペイン、ポルトガルなどユーロ加盟諸国(PIIGS)、あるいはハンガリーやラトビアなど中東欧諸国へ波及した場合、世界的な金融危機に発展するかもしれないと懸念され、2011年以降にはユーロ圏第三位のイタリア情勢が深刻化するなど、欧州不安は広範囲に拡大した。

EU加盟国がヨーロッパ全体に広がるなかで、PIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシア、スペイン)と呼ばれる国々の経済の弱さが浮き彫りになった。

ドイツ、フランスのお金がこれらの国に大量に投資されているため、欧州全体のマネーフローの問題になったことである。

また、世界金融危機後のけん引役の1つである欧州経済の不調が、リーマン・ショック後の脆弱なアメリカや日本に対して、改めて経済危機の引き金を引くのではないかという懸念があった。

欧州ソブリン危機の根本的な要因は、経済の規模、内容、政治が異なる国々による欧州通貨統合という実験が失敗に終わるのではないかという考え方がEU加盟各国を始め、世界に広がり始めたことにあった。

なぜ私たちの金がどぶに捨てられる!?

ドイツやフランス国民には、自分たちの稼いだお金が放漫財政の救済の為にどぶに捨てられると考え始め、またPIIGSにとっては稼いだ金を金利などによって吸い取られていると考え、EU全体の遠心力の爆発という大きな政治危機の引き金になりかねないとされた。

「欧州統合は戦争か平和かの問題であり、ユーロが平和を保証している」(コール独元首相)という考え方が根底にあり、英国のように通貨統合を単なる経済上の試みとはとらえず、安全保障上の政治的意思とEUに加盟する大陸諸国は捉えている。

主要10カ国(G7+スペイン、韓国、スイス)の2000年と2008年の数字を比較すると、名目GDPは22.5兆ドルから33.8兆ドルへと11.3兆ドルの増加だったが、債務総額は70.8超ドルから111.5超ドルへと40.7超ドル増加した。GDP増加の4倍債務が膨らんでいるのだ。

金融危機の度に多額の資金が供給され、それは国債という政府の負債としてたまっている。余剰資金は金利や期待利益率の高い新興国に流入する。ギリシャは欧州金融危機を米投資銀行のアドバイスで欧州中央銀行 (ECB) からの融資で乗り切ったと言われる。

いつまでも多額の借金を背負ったままでいられないので「ソブリンリスク」として、国家のデフォルトの危険は増していると考えられた。当時、2011年9月にはギリシャの長期国債の金利は20%を超えた。

欧州ソブリン危機は予測されていた

マネタリズムの祖であるミルトン・フリードマンはユーロの見通しの悪さを予見していた。

適切な金融政策がとれるのは変動相場制があるからであり、統一通貨ではそれは不可能である。さらに悪いことに、ユーロ圏のように為替レート変動による経済の調整メカニズムを放棄している場合には国内の価格や賃金あるいは資本移動によってでしか調整メカニズムが働かないので、ユーロ圏各国が各自独立した文化や規制を有している状態のままユーロを導入すれば、ユーロ圏各国の政府が各々異なる政治的圧力にさらされ、それら政府同士での政治的軋轢が生じると説いた。

これはまさに当時のPIIGSとドイツのように、救済される側とする側とで異なる政治的圧力が働きユーロ圏政府間での交渉が行き詰まる状態をさしており、このような経済的困難が現れることは既にフリードマンによって危惧されていたのである。

PIIGS諸国などが抱える欧州債務問題の原因はユーロ圏ではドイツにあるECBだけがユーロ紙幣を発行する権限を有しているために、ユーロ圏の各加盟国が紙幣増刷によって自力で債務返済できないシステムをとっているからであると説明される。

自国通貨を発行できる中央銀行を有する米国や日本は、政府債務額は巨大であるが、その額に比例して深刻な金融危機に陥ることはなかった。

解決されない本質の問題

欧州ソブリン危機の本質的な問題は何ら解決されておらず、経済基盤、財政基盤の弱い南欧諸国でさえ、マイナス金利で国債を発行できるような債権バブルの状態が崩壊すれば、改めて欧州ソブリン危機は表面化することになるであろう。

世界各国政府、中央銀行が既に巨額の負債を抱え、マイナス金利で国債を発行する中、今後打てる財政手段は限られており、経済危機は誰も予測できない形、結末に繋がっていく恐れも高い。

歴史は繰り返される

過去の歴史は必ず繰り返されるが、欧州ソブリン危機、ギリシャ危機、リーマン・ショック、サブプライム危機のそれぞれは、2007年以降に起こった、つい最近のことだと改めて理解すべきである。

問題の解決が出来たわけではなく、各国、中央銀行が債務を膨らませる中で、問題の先送りをした結果、今があるだけなのである。

借金により紙幣がジャブジャブ刷られ、それによって起こった資産インフレで世界では二極化が更に広がり、大きな歪ができた。

その歪により世界の若年層の失業率は20%を超え、ニート化が進んでいる。

過去の歴史は繰り返される。歪は必ず何処かのタイミングで補正されることになる。

欧州ソブリン危機が再発すればユーロは大きく売られ、欧州市場の株価は下がり、それは世界の株式市場に激震を走らせることになる。

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