投資

【 メリット・デメリットを理解する 】ソーシャルレンディングとは

近年話題のソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングとは、皆さんの資金を他者に貸すことによってお金を得る投資です。「ネット上でお金を借りたい人、企業」と「ネット上でお金を貸したい人、企業」を結びつけるともいわれています。

個人投資家、ソーシャルレンディング業社(仲介業者)、中小企業(お金を借りたい人)の三者で成り立ちます。ソーシャルレンディング業社が、個人投資家からお金を集めて、それを中小企業にたいして貸し付けるという仕組みです。

個人投資家はなにで利益を得るのか

ソーシャルレンディング業社は、中小企業からお金を回収する際に、利息をつけて回収します。それを上乗せして個人投資家に支払います。年利でいえば5%〜10%程度の利益を得ることが出来ます。非常にシンプルな仕組みで年利5%〜10%といえばかなりのリターンではないでしょうか。

ソーシャルレンディング業社は、融資先を見つけ仲介することですから、個人投資家から手数料を数%支払うことで成り立ちます。これだとかなりおすすめの投資に見えますが、デメリットもあります。

要注意!ソーシャルレンディングのリスク

ソーシャルレンディングは、安易に投資することで簡単に利息を得ることが出来るように見えますが、潜むリスクにも注意しておく必要があります。それは、ソーシャルレンディング業社の不正です。過去の不正でいえば、ポンジスキームなどが業者によっては行われ、実際には運用が行われていない実績なども見られます。

ポンジスキームはあたかも資産が増えているように見えますが、詐欺ですので、この辺は注意が必要です。そして、嘘をついてファンドを募集したりと不正が多く見られます。投資家から45億円集めていたソーシャルレンディング業社「みんなのクレジット」では、アフィリエイターやブロガー、インフルエンサーを使い高い報酬を支払うことで、宣伝してもらい投資家から資金を集めていました。

その他も重大な誤解を生じさせる表記をして、行政処分を受ける仲介業者があったりとリスクが高いのが現状です。まともなプロジェクトでソーシャルレンディングとして成り立っている会社もあるでしょうが、業界全体がかなり厳しく、リスクは大きいです。ですので、よく分からない会社にたいして利息がいいからといって、簡単に大切なお金を預けてしまうことには十分注意が必要です。

そして、投資対象になっている中小企業ですが、よくよく考えると不思議な内容が出てきます。理由は、低金利で銀行から融資を受けられるこのご時世に、なぜわざわざ高い利息が必要なソーシャルレンディングを使っているか?ということです。普通に考えれば「金融機関に相手にされないから」という答えが出てくるのではないでしょうか。

リターンは限定的、リスクは無限大

ソーシャルレンディングは、ここまでお伝えしたように、「ハイリスク、ローリターン」であることという認識が必要かと思われます。年利5%〜10%といえば、魅力があるようにみえるかも知れません。

しかし、ソーシャルレンディングを利用する中小企業の貸し倒れリスクは大丈夫でしょうか。投資で意図的に「ハイリスク、ハイリターン」を狙うのが本人が認識していれば問題ないと思います。極端にいえば、ゼロか百かというくらいのリスクです。

そういう意味では、ソーシャルレンディングは、投資としての旨味はどうか?は疑問点が多く感じられます。仮に、それでもソーシャルレンディングを利用する場合は、目先の安定したリターン(利息)の良さが本当にどうなのか?を検証してみる必要はあると考えられます。

融資の新しい形

ネガティブな内容ばかりをここまで上げてきましたが、ソーシャルレンディングは仕組みとしては面白い内容だと考えられます。仲介業者が審査してくれますので、手間もかからず、融資の新しい形として利回りを得ることが可能です。

新しい形としては、だれから借りているか、だれに貸しているかが匿名化されていて分からなくなっています。これは貸金業法を回避する形となります。投資家が直接企業にお金を貸し利息を得ることは貸し金法上出来ませんが、ソーシャルレンディングが入りお互いを匿名化することで成り立ちます。

ですので、新しい形であること、そしてソーシャルレンディング業社(仲介業者)がかなり重要となってくるということです。これは、メリットにもデメリットにもなることを理解しておく必要があります。

クラウドファンディングとの違い

勘違いされがちなのが、クラウドファンディングです。個人投資家が仲介業者に出資するという仕組みは同じですが、ソーシャルレンディングは利息を受け取りますが、クラウドファンディングは投資(応援)することで、物やサービスとして返ってきます。

当然元本は返済されません。クラウドファンディングは、人や事業を応援する仕組み、ソーシャルレンディングは投資することで利息を得る仕組みであるということです。仮に1万円をクラウドファンディングで出資した場合は、その事業が行う1万円分相当の物やサービスが返ってきます。似てるようで全く違います。

投資としては正直おすすめしません

最後に、個人的な感覚ですが、リスクにたいしてのリターンやこれまでの歴史を見る限り、投資としてはあまりおすすめしません。ここから歴史が変わっていくことはもちろん考えられますのでその辺は見守っていきたいところです。

ABOUT ME
Hatanaka
投資歴16年。過去には様々な投資案件を行ってきており、為替FX、暗号資産(仮想通貨)分野に精通しており、現在は、トレーダー講師としても活躍中。