コロナ特集

【アフターコロナ】負け組企業検証、売れない商品

新型コロナで恩恵を受けるドラックストア業界

ドラッグストア14社が発表した2020年3月の営業概況によると、売上高5,000億円強の上位5チェーンの既存店売上高は、ツルハHD14.5%増、ウエルシア6.1%増、マツモトキヨシ10.6%減、サンドラッグ0.4%増、コスモス薬品6.8%増となった。

3月は、昨年と比較し、日照時間も長く高温で推移したが、雨の日も多く降水量が増加したため、シーズン商品は低調な推移となった。新型コロナに関する報道等により、マスクや除菌関連商品、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、食品などが郊外型店を中心に特需として発生したが、マスクの着用や外出を控える動きなどにより、化粧品関連商品は低調だった。

そしてインバウンド売上は、新型コロナに関する出入国制限の影響により、免税全店売上は昨年比60%超の大きな減少となっている。

負け組ドラックストアは?

勝ち組のドラッグストア業界でも、コロナ特需に乗り切れない企業がある。2021年10月に経営統合を予定しているマツモトキヨシホールディングスとココカラファインの両社だ。3月の既存店売上高の前年同月比が100%を超えるドラッグストアが続出する中で、ココカラは93.1%と低迷した。

マツキヨに至っては89.4%と10%以上も落ちたのだ。まずはドラックストアでどのような商品が売れなくなったのか?この点から話を進めてみよう。

ドラックストアで売れなくなった商品は?

調査会社インテージがドラッグストアやスーパー、コンビニなど約4,000店舗の販売データを基に新型コロナの影響を調べた調査によれば、昨年と比較して売れなくなった商品のワースト30のうち、9品目を化粧品が占めている。

中でも落ち込みが激しいのは口紅で、前年同期比26.3%と4分の3程度減った。他にも頬紅が同48.5%、ファンデーションが同50.7%、アイシャドー同58.4%などと、売り上げが4割以上ダウンした商品が続出している。

化粧品を除くと、ワーストランキングの上位を占めるのは、外出や旅行に関する商品である。前年同期比13.1%の酔い止めや、日焼け止め、制汗剤が落ち込むのも理由は明白だ。

ドラックストアで売れ行きが落ちた主な商品

酔い止め、眠気防止剤、日焼けクリーム、テーピング、ビデオテープ、制汗剤、口紅、アイシャドー、ファンデーション、化粧下地

売れない商品が出てきている理由

外出をしない

外出自粛規制が出たことで行楽に行く機会は極端に減り、車に乗る機会も減ったことで、アウトドア、旅行に関係する商品の売上は大きく落ち込んだ。

アフターコロナで自粛規制が解除されたとしても、常にコロナ感染へのリスクを気にする人も多く、観光、旅行の機会は以前のように戻らない可能性も高く、これらのジャンルの商品の売上は元に戻るには時間もかかるだろう。

テレワーク推奨で

テレワークの推奨により、会社に行く機会もなく、人に合う機会も減れば、そもそも化粧をする必要もない。化粧にかける時間が自由になるわけだし、アフターコロナでは化粧をしないという選択をする女性も増えていくのかもしれない。

インバウンド需要は長期低迷する

そしてインバウンドについては長期的に低迷する事は覚悟する必要がある。それぞれの国内での移動規制は解除されても、国家間での不要不急な移動は引き続き、自粛される可能性が高い。

さらに失業、資産の減少、売上の低下による所得減少などにより、更にはアジア各国の通貨安により、日本へのアジアからの渡航者は長期間落ち込む事が予想でき、もとのようなインバウンド需要は長期間見込めないだろう。

アフターコロナ 業界再編が進む

ドラックストア業界の中では既に、大手の上位集中化が進み始めており、生き残りをかけた再編の火種はくすぶっている。マツモトキヨシHDがココカラファインと経営統合して業界トップに躍り出て、これを追う格好でツルハHDやウエルシアHD、さらにコスモス薬品が大量出店やM&A合戦を繰り広げている。

大手の中でもコスモス薬品以外は中堅、中小のドラッグストアチェーンを傘下に入れ規模を膨らませており、アフターコロナの時代はこうした動きが加速するのは確かだろう。コロナ後に再編が加速し、上位3社程度に業界が集約されたら、今でこそ価格が安いというイメージがあるドラッグストアの価格帯も変わる可能性もある。既にマスクやトイレットペーパーは以前のような安売りはされていない。

総合スーパーの苦悩

これには、総合スーパーの前例がある。総合スーパーではかつて安売りが当たり前だった。ダイエーしかり、イオンしかり、西友でも安売りが当たり前だった。しかし、大規模小売店舗法という出店を規制する法律が敷かれ、競争がなくなり規模が拡大した途端、価格硬直性が生まれた。

スーパーは安くないといわれ、ユニクロの台頭やディスカウント店の台頭を許すことになった。本部が巨大化したために、規模の利益を商品の質や価格に生かせなかったからだ。

今は価格競争が激しいドラッグストア業界もアフターコロナで集約が進み、競争がなくなれば、巨大化した本部を維持するためのコストが大きくなり、低価格路線を維持することはできなくなるだろう。

アフターコロナでの業界の再編には投資のチャンスも大きくある。勝ち組・負け組がはっきりすることになり、勝ち組は一時的に大きな恩恵を受けることもあるだろう。

しかし中長期的に考えた場合、そもそもAmazonなどの巨大ネット企業に太刀打ちできるのか? 業界の淘汰が進み、ドラックストア間での競争が無くなることで、値段的な魅力がなくなれば、ドラックストア業界そのものが沈んでいくことも考えるべきだろう。

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【AI TRUST編集部】大泉
AI TRUST編集部の為替担当大泉です。FX、為替歴は11年。今までにトレーダーとしても活躍。最近は為替の自動売買ソフトのアドバイザーなども務めており、為替のプロフェッショナル。
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