経済ビジネス

多くの債権が無価値化するリスクが拡大している

過剰流動性で価値のない債権にもお金が回る

先進国では実質ゼロ金利、マイナス金利が長期化し、新型コロナによる経済支援策が度重ね世界中で巨額な額で行われ、過剰流動性資金が世界中で少しでも有利な投資を探す中、ジャンク債、リスクの高い債権に対しても多額の資金が流れ込み続けています。

本来であれば資金調達などできない企業でも、巨額の債権を発行し、資金調達を行うことができました。しかし、元々業績が低迷している企業が新型コロナ不況にあえば、資金が蒸発する速度は加速することになり、調達した資金もあっという間に干上がります。そうなれば債権は当然、紙屑になるわけですが、以前であれば会社に資産が少しでも残っていたものが、今は本当にどこも空っぽです。

破綻時の債権価値はほぼゼロに近くなり、投資するリスクに対してのリターンが全く見合わないものになっていないか?多くの投資家がこのことに気がつけば、ジャンク債市場は大暴落し、金融市場は大混乱するリスクも高いと考えられます。今日はこの点について少しまとめてみたいと思います。

破綻債権の回収率がどんどん低下している

新型コロナ不況のおかげで破産申請が急増する中、多くの貸し手は保有債券の価値がゼロに近いことに気付きつつあります。かつては額面1ドル当たり40セント程度、額面の40%程度が標準的でしたが、今では無担保債権者はたったの1セント、1%しか回収できない、あるいはそれすらできないという悲惨な見通しになっています。

新型コロナが経済にこれほどの打撃を与えることを予測できた人は誰もいないでしょうが、企業の経営難によって投資家が被る損失の大きさは十分に予想可能でした。超低金利の中で少しでも高いリターンを得ようと、運用者らは投資家保護の条項がない債券を受け入れています。

たとえリスクが高く、疑わしいと思われる事業計画であっても目を瞑りました。企業側はそれを徹底的に利用して借り入れを行い、巨額の債務を積み上げた揚げ句、今では返済も借り換えもできなくなっています。

緩すぎる融資は事態をより悪化させる

世界中でリーマンショックを超える前例のない金融緩和政策が行われました。この長期副作用が現在浮き彫りになっています。超低金利は高リスク企業に投資家保護の薄い債券の発行を促し、リターンを追い求める投資家がそれを喜んで購入しました。これにより現在このつけが世界中の金融市場で回ってきています。

アメリカの紳士服小売りテーラード・ブランズは、8月に破産法の適用を申請しました。同社の社債は今月、額面1ドルに対して2セント未満で取引されました。百貨店のJCペニーが破綻した後、同社債を保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)保有者を対象に行われた入札では、最低価格の社債価値は1ドル当たり0.125セントでした。同業のニーマン・マーカス債は3セントでした。1ドルに対して0.125%〜3%の価値にしかならないということです。

どのタイミングでこの地雷が破裂するのか?

既に世界中の国家は借金漬けになっている中,この1年だけでも負債額は膨大に膨れ上がりました。本来であれば、業績が低迷する企業が資金繰りが底をつけば破綻、倒産です。

各国政府の新型コロナ支援策として資金をじゃぶじゃぶに放出し、過剰流動性資金が一時的に企業の破綻を止めたとしても、本業の収支があっていなければ、遅かれ早かれ破綻は確実にやってくることになります。不採算企業の負債が増えれば増えるだけ、破綻時には負債を貸し付けしている側が被害を被ります。債権が転売されることで、最後にババを掴んだところが大損します。

そして結局のところ、それが回り回って国の借金となり、その積み上がった借金の負担が国民に回ってくるとすれば、結局最後にもう一度国民が税として負担することになります。

貸す側もリスクが高いことがわかっていても、手元資金を運用先がないから貸し付ける。それによって目先の利益を得る。金融中心の資本主義というのは、本当に既に限界であり、これが生み出すものはさらなる二極化だけであり、結局のところ、そこから生まれる不満は、民主主義国家そのものを壊す原動になるのでは? 今のアメリカを見ているとそのように感じてしまいます。

いつまで同じことが繰り返されるのか?

中央銀行が借金をその都度積み上げて、壮大なマネーゲームが繰り返されている最中は、便利な現代社会で快適に生きていく上では、そのゲームに加わっていなければならないのかもしれません。そうしなければ二極化の下層に落ちていくしかない。

悲しいかな、これが厳しい現実だと思います。そうでない形というのもが本当に現れると良いのですが、そこに期待をしていても何も解決できない以上、自らの手で解決のための道を進んでいくしかないのです。

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チャーリーTAKA
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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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