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【 ドル円今後の見通し 】大局とドルインデックスで流れを掴む

ドル円今後の見通し

外国為替証拠金取引、FXで日本人に人気なのがドル円の取引です。2012年末から始まったアベノミクス相場では、ドル円が円安方向に一気に動きました。当時参加されていた方でいえば、ドル円を買っていれば利益が出ていた・・ という方も少なくないでしょう。

これは大局が円売りとなったからです。ドル円やドルストレートを見る上で様々なポイントがありますが、今回はドルインデックスと直近の政策によるドル安の可能性について解説します。

ドルインデックスとは

チャートは見るけど、ドルインデックスは見ないという方もいます。FXでドル取引を行う際に、僕自身はドルインデックスでドルの強さを確認しています。ドルインデックスとは、ドルの価値を数値化したものです。これは、円・ユーロ・ポンド・オージー(豪ドル)など複数の主要国通貨にたいしてのドルの強さです。下記チャートがドルインデックスです。

こちら日足のドルインデックスですが、トータル的にみて2020年の3月以降、ドルは売られていることが分かります。ドルと円の関係、ドルとユーロの関係などそれぞれを見て行く必要があります。仮にドルが売られている中で、ドル売りにたいして買う通貨は、その中から一番強い通貨を選択することで、よりパフォーマンスが高いトレードが可能となります。少し混乱しますが、ドル売り(ドル安)は下記の通り。

・ドル円売り
・ユーロドル買い
・ポンドドル買い
・オージードル買い

ドル円売りはドル売りです、しかしユーロドル売りは、ドル売りではなく、ユーロドル買いがドル売りです。

ドル円の場合
・ドルを売って円を買う

ユーロドルの場合
・ドルを売ってユーロを買う

チャート的には、ドル売りといっても真逆になるので、はじめの間は頭を混乱させてしまいますが、通貨の意味、ここでいうドル売りを理解していればあとは、ゆっくりと落ち着いて考えて見ると慣れて来ますので、ぜひ理解がまだ出来ないという方は、紙などに書き出して見てください。

今後のドル円の見通し

今後のドル円も含む、ドル全体の見通しを世界情勢面から見ておきましょう。現在、世界的に金融緩和が進んでいます。ドルの発行権限がある米国も同様です。2020年8月27日、ジャクソンホール会議で米国FRBのパウエル議長がドルにたいして言及しています。

ジャクソンホール会議とは、毎年開かれる国際会議で米国ワイオミング州にて、カンザスシティ連邦準備銀行によって開催されます。この会議には、主要国の中央銀行幹部や政策立案担当者、学者などが参加する経済シンポジウムとなっており注目度が高いです。今回は、新型コロナウイルスの影響でオンラインとなりました。

米国FRBとは米国の中央銀行です。そのトップがパウエル議長で、日本でいえば、日銀黒田総裁ですね。今回のジャクソンホール会議は、今後のドルの見通しとして、重要な内容となっていますが結果はこのような発言となりました。

・物価目標:「一定期間の平均で2%」と切り替え
・2%を長く下回った場合:「当面は2%を緩やかに超える物価上昇率を目指す」
・ゼロ金利の長期化を事実上宣言

これは日本化を避けたい動きとの考えも出ています。日本のようにはなりたくないということで、日本の場合は金融政策を行なっても、財政出動をするどころか消費増税を行い、経済を緩和どころか引き締める政策を行なってしまっていますので、インフレ率が上昇していません。

インフレ率は2%程度が経済成長にちょうどいいといわれていますが、米国、中国共に2%前後を推移しています。日本は安倍政権になり、2%を掲げるも長期政権下で達成したのは2014年のみです。金融緩和を行なっても、その後の動きで変わってくるのですが、米国は物価上昇を確認しても、当面は量的緩和策を行う見通しです。

そうなるとドルの価値が下がります。ドル売りが長期的に考えられるということです。あとはドル円もそうですが、ドル売りのポイントを探ることが重要です。

巻き戻しのドル買いに振り回されない

当然、ドル売りが一方通行に進む訳ではありません。チャートを見る方はお分かりだと思いますが、チャートは上下しながら推移していきます。中・長期的に見るとドル売り相場の中でもドル買いの巻き戻し相場は毎日見ていると起こります。ここで振り回されないようにするには、ドル売りが行きすぎた場合は一度戻し、押し目を待ってから再度ドル売りを狙うのがベターです。

2020年は11月に米国大統領選が控えていますが、その時期はドル買いになりやすい傾向がありますので、ドル買いを引きつけてから、ドル売りが出来るポイントを模索して行くのも面白そうです。短期のデイトレ、スイングトレードによって視点は全く変わってきますが、大局はドル売りで現時点で見ています。

そして為替市場でいえば、ここ数年はあまり大きなトレンドが出ていなかったので、ドル売りのトレンドが出れば数年続くのではないか?と個人的には考えています。

*執筆時期、視点変更は当然出ます。投資は、自己責任、自己判断でお願い致します。

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Hatanaka
投資歴16年。過去には様々な投資案件を行ってきており、為替FX、暗号資産(仮想通貨)分野に精通しており、現在は、トレーダー講師としても活躍中。