経済ビジネス

【農業人口が激減】新規就農者の35%が離農する現実 

農業人口が激減している

農業従事者の数は年々減り続けています。減少傾向に歯止めがかからない最も大きな要因に挙げられるのは少子高齢化ですが、その流れが今後ますます加速していくことが懸念されています。総務省の発表によれば、1995年に約256万人だった農業従事者は、2018年には約145万人となり、約20年の間に約43%減少しています。今日は今後の日本の農業の課題と可能性について考えてみましょう。

高齢化が農業を襲う

平均年齢も1995年の59.6歳から2017年は66.6歳と7歳も上昇しており、減り続けているばかりか、高齢化に拍車がかかっています。このあとも高齢化によるリタイヤが相次ぐことは必至で、農業従事者を少しでも増やしていくことは日本の農業の重要な課題となっています。

農水省では地域の活力創造プランと題した施策を用意しており、2023年までに40歳代以下の農業従事者を40万人に引き上げる目標を掲げ、農業に足を踏み入れようとする人々への必要な技術習得の研修や、経営の不安定な新規就農者への補助金等による支援などの対策を講じるとしています。

新規就農研修生の高い離農率

新規就農者の抱える課題の大きなものは資金と技術の習得です。こうした状況を踏まえ、農水省は研修を受ける者に対して最長で2年間、年間150万円の補助金を交付したり、新規に雇用した農業法人で行われる研修を支援したりするなどしています。こうした対策が功を奏し、40歳代以下の農業従事者は、2013年の311,000人から2017年には326,000人と微増しましたが、40万人という目標には程遠い数字となっています。

全国にある都道府県農業会議のうち、18の団体を対象とした調査を行ったところ、農業の雇用事業の研修生の離農率が35.4%だったことがわかりました。調査対象となった1591人の研修生のうち、564人が離農したことになります。

研修生が挙げた離農の理由として最も多く挙がったのが、業務内容が合わない、想定と違っていたというものです。彼らは給与や勤務時間などに不満をもっており、これらは事業の実施主体らの努力次第で、一定程度解消し得るものとしています。ITの活用、進化により、生産者と消費者が直接つながり、中間コストを削減することで、農業収入をあげることに成功する事例は多数出てきており、アフターコロナの今であれば、これらの問題は方法次第で解決できることだと思います。

新規就農者が安定的に定着するために必要なことは?

40代以下の新規就農者全体における新規参入者の割合はいままでは1割程度でしたが、ここにきて年々増加傾向しています。アフターコロナではこの数はますます増加するのではないかと思われます。

農業への新規参入者の目標とする所得は、最高で275万円、最低で140万円というデータもでていますが、このうち、所得目標を達成できたのは14.3%と非常に低い達成率です。未達となった理由を分析すると、病害虫被害など栽培管理上の課題や、計画以上の規模拡大による経費の増加など、経営にまつわる課題が多くありました。今後は先進的な科学技術を取り入れたスマート農業の導入を新規就農者も取り入れやすくするなどの対策も、今後は検討の余地があるでしょう。

新規就農者にとって農地の確保が難しいという課題も残されています。農地バンクなどの仕組みはあるものの、土地の持ち主の思いとして、先祖から授かった土地をなかなか貸し出すことが難しく、結果として休耕田や耕作放棄地になってしまっているという現実も見過ごせません。

新しい価値観・生き方としての農業

労力を軽減し、経験と勘を技術でカバーするスマート農業の活用により、農業とは別の仕事を持ち、働きながら徐々に農業に軸足を移すような緩やかな仕組みを広げていくという形にも大きな可能性があると思います。

将来に農業への転職を目指しつつ、まずは週末とかテレワークで空いた時間を近隣の農家のお手伝いをし、報酬はお金ではなく農作物でもらう。さらにはウェブを活用した消費者との直接販売の形を行い、農家の収入を増やし、そこからは一部を現金として報酬としてもらう。この形に成功すれば、自らの将来の農業起業での成功の可能性はより高まることになります。

農業に夢を持ち、意欲と使命を感じている新規就農者たちの挑戦を認め、失敗してもそれを支えられるような社会を考えていくことも、いまいる農家を楽にすることと同じように考えていかなければならない課題です。

アフターコロナの今だからこそ、そして地方の消滅都市を減らすという観点からも、この分野は非常に可能性が高く、新しい価値観、生き方としても注目すべきだと思います。賢く強く生きる力がここにはあると感じますね。

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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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