コロナ特集

新型コロナウイルスがマカオ経済に与える影響

マカオカジノ

マカオがゴーストタウンに??

マカオは過去15年で、世界で最も成長した国の1つである。独占状態だったカジノを海外企業に権利を開放した事により、エンターメントビジネス化に成功し、中国の成長と共に大成功を収めた。

マカオ関連株はこの15年の間に大きく上昇し、マカオ不動産も15年前と比較すれば、10倍程度の上昇をみせた。失業率も非常に低く、就職を希望する人はいつでも様々な職につけ、国民への社会保障も非常に手厚い政策が取られている。

我が世の春を謳歌してきたマカオが、新型コロナウイルスの影響をここにきて大きく受けている。

新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大するなか、本来なら春節の掻き入れ時を迎えているはずのマカオがゴーストタウンに近い状態となっているのだ。

中国政府が感染封じ込めを狙い、海外団体旅行の禁止など国民の旅行を制限する措置を打ち出した為、訪れる観光客が例年に比べ激減している。

マカオ政府が中国本土からマカオを訪れる旅客の間で最も一般的に使用されるビザの発給を一時的に停止した事もあり、旧正月に入って以降のマカオへの訪問客は前年比で69%も落ち込んでいる。

2019年から、中国経済の減速や香港で続く抗議デモの影響も受け、成長懸念はあったが、新型コロナウイルスが春節と重なったことで、不特定多数の人が集まるカジノに行く事自体をリスクと感じ、他の国からの観光客の足も遠ざかっている。

中国からのマカオへの渡航制限が続けば、カジノ業界の収入が少なくとも30%減ると予想するアナリストもいる。

急落するマカオ関連株

1月29日に取引が再開された香港株式市場では、他の産業と比較し、マカオのカジノ関連株が急落した。MGMチャイナは6%、サンズ・チャイナは5.7%、ウィン・マカオは4.8%、ギャラクシー・エンターテインメントは4.7%、それぞれ下げている。

中国で唯一、合法的にカジノでギャンブルができるマカオの訪問者は90%が中国本土からの旅行客だが、中国本土とマカオを結ぶ航空便やフェリーも便数が削減されている。

カジノは営業しているものの、運営業者はレストランを休業し、ショーはすべてキャンセルされ、街中の飲食店も閑古鳥が鳴く状態となっている。

マカオの賀一誠行政長官は、感染拡大に対応してマカオの全てのカジノを閉鎖する可能性も排除しないと述べている事から、感染がこの後も大きく広がるようであれば、マカオ経済の落ち込みは更にひどくなる可能性も歪めない。

2002年当時は世界28位だった・・・・

2002年の一人あたりのGDP推移では日本は世界9位、マカオは28位だった。

1位 ルクセンブルク 53,399.67ドル
2位 ノルウェー    42,997.96ドル
3位  スイス    41,551.99ドル
4位 アメリカ    37,971.28ドル
5位 デンマーク    33,275.56ドル
6位 アラブ首長国連邦  32,790.71ドル
7位 アイルランド 32,470.37ドル
8位 アイスランド 32,433.60ドル
9位 日本     32,300.67ドル

28位 マカオ     16,622.64ドル

2018年には世界NO.3に・・・・

2018年の最新の集計ではマカオは世界NO.3となり、日本は26位まで落ち込んでいる。

1位 ルクセンブルク 115,536.21ドル
2位  スイス  83,161.90ドル
3位 マカオ 81,728.23ドル
4位 ノルウェー 81,549.98ドル
5位  アイルランド 78,334.87ドル

26位 日本 39,303.96ドル

世界の個々の国の一人あたりのGDPが順調に伸びる中で、日本は16年間で121%の増加にとどまり、順位を大きく下げた。

それに対し、マカオは2002年からの16年間で491%という驚異的な成長を見せ、アジアNO.1。世界NO.3となった。

これだけの成長を支えた根源はカジノ関連ビジネスだったわけだが、中国観光客に偏った成長の弊害が今回は表面化する形となった。

改めてカジノ事業を考えるタイミングか?

1月20日開会した第201通常国会では、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡り論戦が繰り広げられる。IR汚職事件を受け、野党は追及を強める構えで、同日にIR実施法などの廃止法案を提出した。世論の厳しさは増しており、今回こそ、慎重に審議を重ねてほしい。

急成長してきたマカオだが、今回の新型コロナウイルスによる規制が長期化すれば、関連株はさらなる下落も予想される。 

過去15年で10倍程度上昇したマカオの不動産価格も、調整局面に入ることも予想される。しかし、中期的な視点から考えてみると、ビザ等の規制が解除されれば、抑圧された分の反動として、中国人観光客、カジノ顧客が大量にマカオに押し寄せ、業績をあっという間に回復させる可能性も高い。

そして日本の品川区程度の広さしかないマカオであり、情勢が不安定な香港からの逃避資金が安値となったマカオ不動産に流れ込むことも想像できる。

マカオ関連情報には当面注目をするべきであろう。

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【AI TRUST編集部】大泉
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AI TRUST編集部の為替担当大泉です。FX、為替歴は11年。今までにトレーダーとしても活躍。最近は為替の自動売買ソフトのアドバイザーなども務めており、為替のプロフェッショナル。
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