AI TRUSTでは年初から大幅な円安が訪れることを定期的に記事で伝えていましたが、まさに円安が加速して止まりません。
”なぜ円安が起こっているのか? ”
これは皆さんもご存知のように、日米金利差が継続して拡大しているからです。
今月のFOMCでは0.75%の利上げが行われ、来月以降も世界先進各国では利上げが行われます。そのような中で日銀は金融緩和策を継続しています。
日銀が債務超過に陥る?
日銀はイールドカーブコントロール(YCC)を行い、0.25%以上に金利が上がらないように、無制限に国債を買い上げています。
もし、日銀が市場の圧力に屈してイールドカーブコントロールを放棄することになれば、保有する国債で巨額の損失に直面することになります。ヘッジファンドが日本国債をショートにするなど、売り圧力は増している。
物価上昇を目指す金融緩和策により、日銀は526兆円の国債を保有するに至りました。これは発行残高のほぼ半分で日本の経済規模に匹敵します。
日銀の政策転換によって国債イールドカーブ全体が100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上振れした場合、日銀は29兆円の含み損を抱えることになります。
完全な債務超過に陥る形です。
そして ” 債務超過に陥った中央銀行の紙幣は信頼できるのか? ” 非常に恐ろしい状況にあると考えるべきでしょう。
日銀のYCCについては今回の記事では深掘りはしません。
金利が上がると起こる5つのこと
金利が上昇するとどのようなことが起こるのか?
これをシンプルにまとめました。
①景気が減速する
金利上昇
↓
住宅ローン金利の上昇
↓
住宅買い控え
↓
景気減速
既にアメリカでは住宅ローン金利が急上昇しているため、住宅の販売が落ちてきています。
住宅購入時には、電化製品や家具等の購入も合わせて行う場合が多いため、住宅が売れなければ、家電・家具等の売上も落ち込みます。関連企業の業績は停滞、落ち込み、景気は減速します。
②買い控えが起こる
住宅ローン金利の上昇
↓
既存ローン支払い者の金利上昇分の生活圧迫
↓
ローン支払い不能続出
↓
強制差押・競売
↓
住宅価格下落=資産減少→買い控え
住宅ローン金利が上昇すると、既存で住宅ローンを組む人たちの生活に大きなダメージを与えます。アメリカの住宅ローンは変動金利がほとんどですから、昨年から既に倍近くまで金利は上昇していますから、利払い負担が家計を圧迫しています。
この後はローンの支払いができない世帯が急増し、差押えされ、競売で安く売り叩かれる物件も出てきます。
これによって不動産価格全体を押し下げる要因となり、不動産価格の下落は保有資産の減少ということになりますので、住宅資産保有者の気持ちの面のゆとりをなくさせることになり、最低限の消費はしても、浪費は行わなくなります。消費が落ち込むのです。
今後は特に中国でこの傾向が顕著になるでしょうね。
バブル崩壊後の日本が苦労した道のりを中国がこの後進んでいくのです。
③消費意欲の減少
金利上昇
↓
借入の多い企業の経営圧迫
↓
業績低迷
↓
株価下落=資産減少→消費意欲減少
FRBの利上げにより、債券の流通市場ではジャンク(投資不適格)級発行体のリスクの高まりから資金の逃避が続きます。ブルームバーグのハイイールド債券指数は月初来で約5%、年初来で15%下落しています。
ジャンク格付け企業は実質的に資金調達が非常に難しくなり、業績は低迷、下手すればデフォルトすることになり、株価は下落、無価値化し、そこに投資をしている投資家は手痛いダメージを受けます。当然消費意欲は大幅に減少することになります。
④資産が減少する
ブル-ムバーグの指数によれば、昨年12月下旬に4%強だったジャンク債利回りは今年既に7.6%前後に急上昇しています。FRBの利上げは続きますので、ジャンク債利回りは更に上昇することになるでしょう。
金利上昇
↓
ジャンク債市場暴落
↓
これらの企業の破綻=失業者急増
↓
株価下落=資産減少
発行企業の破綻が続けば、そこでは大量の失業者が出ます。金利が上昇すると何が起こるのか?
失業率が上昇するのです。
痛みを伴うと言われる一番の理由はここにあるわけです。
⑤富が海外に流出する
米金利継続上昇
↓
円安が140円、150円と加速
↓
日銀の政策転換で利上げ
↓
住宅ローン金利急上昇
↓
変動金利で借入する住宅購入者の生活困難に
↓
不動産の需給バランスが崩れ不動産価格下落
↓
外人投資家が円安を活かし安価で購入
↓
日本の富がどんどん海外に流出する
こんなことが考えられるわけです。
なんにせよ経済は悪くなるのです。そのような状況にある中で、今、無理な投資は禁物です。市場が落ち着いた段階でゆっくり底値を買うのが正解です。
AI TRUSTでは強く賢く生き抜く力を得るための様々なヒントをメルマガでも毎週配信しています。
今すぐこちらから登録をどうぞ!!
毎週1回情報をまとめてお送りします。
AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!