ピーク時よりは減少するも・・・
2003年のピーク時には年間で約3万5,000人の自殺者がいたが、近年はその数を徐々に減らしている。
それでも年間2万人以上の日本人が自殺しているため決して少ない数ではない。また、世界保健機関(WHO)によると日本の自殺者数は172ヶ国中7位と高い位置にランキングされているため、深刻な社会問題として認識されている。
年間8万人以上の行方不明者が!
自殺者数そのものは減っているのだが、その裏に隠れている問題がある。たった1億2,000万人の島国で毎年8万人が姿を消しているのである。警察庁の統計によれば、2011年度中に行方不明者届が受理された不明者は8万3,948人に上っている。
そして11年度は8万655人、12年度は8万1,111人、さらにここ数年も年間8万人台で高止まりしている。
13年度の不明者の内訳を見ると、年代別ではトップが10代の23.7%で、全体の4分の1を占める。次いで70代以上(18.1%)、20代(17.8%)、30代(13.3%)と続く。
行方不明者の原因は、最も多いのが家庭関係による問題で21.3%であり、次いで認知症を含む疾病関係が19.4%、事業・職業関係が10.8%となっている。親とケンカをして家出をしたり、認知症の老人が徘徊して行方不明になっているわけだ。
世界の自殺率は?
2016年のWHOによる調査では、人口10万人あたりの自殺者数は、1位はロシアの31人、2位は韓国の26.7人、3位がラトビアの21.2人と続く。
日本は18.5人で全体では7位にランクインしている。全体でも上位なのだが、G7の中ではトップという残念な結果になっている。
日本は先進国の中では自殺率が高いといわれているが、データからも裏付けられた形になっている。注目すべきは、ほぼすべての国で男性の方が女性よりも自殺率が高く、国によっては10倍近い差がある。日本でも2倍以上の差で男性の自殺率が高い。
自殺の要因は?
自殺の統計によると、世代によっても異なるが、一番自殺が多いのは50~60代の男性となっている。健康問題や経済問題を抱え、ストレスを受けやすい年代であると考えられる。また、20歳~34歳の若い世代では、事故や病気、災害などを含む死亡数全体の40%以上を自殺が占めている。
女性の自殺は男性より少ないものの、世界の中でみると自殺率は上位にあり、諸外国の女性に比べて自殺を選択する割合が高いものと考えられる。
自殺は心の弱い人にだけ起こると考えるのは間違いで、むしろ、真面目な人や熱心な人、これまで強く生きてきた人に起こることが、決してまれではない現象なのだ。
今日では、心身の疾患など健康問題を理由としたものや、多重債務など経済的な問題が原因にあるもの、過重な労働環境による過労自殺、学校でのいじめを苦にした自殺、インターネットのサイトによる集団での自殺、子育てや介護の困難を抱えた心中など、自ら死を選ぶに至る要因は多岐にわたっている。
苦境にさらされる中で、気分が落ち込み、孤立感や焦燥感がつのり、誰にも相談できないままに自殺へと追い詰められてしまう。
自らの周りで自殺者を出さないためには?
自殺を口にする人や未遂をした人には手厚いケアが必要。
「死にたい」ということを口にしたり、普段の様子と変わってきたりするようであれば要注意である。自殺は固い決意のもとに起きるとは限らず、直前まで迷い続けているものだ。
また、自殺が未遂に終わっても、その後に心と身体の必要なケアを十分に受けなければ、また繰り返す可能性がある。周囲の人が気付いたら、本人の話をじっくり聞き、心配している気持ちを伝えて、病院への受診や専門機関への相談をうながすか、または周囲の人自身が専門機関に行き、対応について相談するのが良いだろう。
自らが自殺という選択をしないためには?
それぞれの置かれる環境、年齢により状況も変わってくるが、ひとつの答えとして、自らの人生の中での選択肢を自ら持てるようになれば、そもそも自殺という選択はしなくなるであろう。
先々の人生の選択肢を持つために必要なものは、余裕ある資産、資金を持つことにある。
そして、余裕ある資産、資金を持つためには、資金そのものを作る、稼ぐチカラを持つことが必要となる。
そして、その為の入り口は、問題を先延ばしせず、今解決し、今行動する実践力が重要となり、他人任せにせず、全ての軸を自らの中心に置き、自ら決断する以外にないわけである。