日本経済が長期的に上昇する要因
この記事の結論から書きますと、香港が現在、アジアの金融ハブを担っていますが、これがもし東京に移ると、一気に東京、そして日本が活性化するということです。
今回はその香港について、そして中国との関係、日本はどのようにして長期的に上昇していく可能性があるか?について書きたいと思います。
短期的には、世界悲観論
もちろん、これから数年は新型コロナウィルスの影響で思わしくない状況が続くでしょう。日本も他国もリセッション入りする中で、これは当然のことです。株価の上昇が異常な状況となっていますが、これは流石にどこかのタイミングで頭を叩かれるでしょう。
理由は、実体経済と金融経済の乖離にあります。乖離とは開きです。普通に考えてみてください。現在、米国や日本の株価は上昇しています。株価が上昇しているから景気がいいと判断してしまう人も多くいますが、果たしてそうでしょうか?
中小企業では、倒産が相次いでいますし、明日の資金繰りも大変な状況に陥っているところもあります。これは世界全体で同様にいえることです。GDP(国内総生産)は悪化しています。悪化するということは、国民の所得が減るということです。これが実体経済で起こっています。
現在の株価の上昇は、金融経済で銀行の融資、貯金が過去最大になっていること、過剰流動性資金が一番の要因にあります。各国の政策も大丈夫なのか?というくらい支援策を打っています。この反動が良い形で出ればいいですが、いずれどちらにしてもこれらの乖離、株価と実体の開きはどちらかに近づきます。個人的には、一度実体経済の方に傾くタイミングがあると考えています。
香港へ中国の国家安全法いよいよ
世界がいくら声をあげようとも中国には響きません。香港返還記念日が、7月1日に迫っています。それまでに中国はアクションを起こすのではないか?との見方が多いです。そうなるとどうなるか?香港の自由が奪われます。
最終決定するのは中国ですが、考えられることは以下の通りです。
・香港活動家を逮捕
・逃亡犯条例デモリーダーに罰則
・逃亡犯条例デモ参加者に罰則
香港が中国の法律で裁かれてしまうのです。しかし中国はなぜ、世界の反感をかってまで国家安全法に乗り出したのでしょうか?
それはこの香港デモが、中国本土に波及する恐れを懸念したからです。中国国内でこのようなことが起こることを考えると、世界を敵に回してでも行うべきと判断したのでしょう。
日本の安倍首相は?
世界各国のリーダーが声を上げる中、日本の安倍首相はといいますと?
同様に声を上げています。G7でしっかりと取り上げるべき内容であり、日本がその間に入り主導したいというようなことを発信されています。しかし、中国側からは、不快感でしかないようです。これは他国も同様で、内政干渉をするなということです。香港は、一国二制度とはいえ中国だという主張です。
世界の金融センター
世界の金融センターといえば、ニューヨークとロンドン、そして香港で世界三大金融センターと言われていました。昨年2019年の香港デモで、香港はこの3番目の地位から滑落して6位となっていました。長引くデモの影響がここにも出ています。
さらに今回の中国による国家安全法で、香港がうけるダメージは、はかりしれないものとなるでしょう。アジアの金融ハブはどうするのだ?ということで注目が集まっているのが、東京ということです。
香港がこだわって進めてきたこと
香港はアジアの金融ハブとして、貿易都市、金融都市になりました。これには、香港の「ヒト、モノ、カネ」を集める仕組みにありました。
・独立した都市国家
・規制緩和、低税率
・国を富ませる方針の徹底
東京はこれらを引き継げるでしょうか。世界からみた東京は十分なポテンシャルを秘めていると思われます。ですが、複雑なのが香港の犠牲の上に成り立つ可能性があるということ、そしてそれを導いているのが中国であるということです。
上海、シンガポールはどうか
上海やシンガポールなどの成長は、東京に比べて格段に違い速いですが、この2都市はどうでしょうか?
これは主観になりますが、上海はまず中国という時点で世界が受け入れないでしょう。そして、シンガポールも国独特の仕組みや移民の多さもあり、シンガポールとして独立しているか?というと日本と比べて疑問が残ります。この辺を比較すると、歴史も深く、世界との信頼もある日本が最優先候補となり、他国も安心ではないででしょうか。
アジアの金融ハブ、東京
このように、複雑な心境からの流れで仮に東京が、”アジアの金融ハブ”となったらどうなるでしょうか?
当然ですが、低迷していた経済は吹き返す可能性が高いです。直近では東京五輪の延期が再度問題になっていますが、日本単体でいえば願ってもないチャンスともいえます。そして自民党内ではすでに東京金融センター化の動きが見られます。
しかし、そんなチャンスは香港の自由の犠牲の上に成り立つ可能性があるということは、絶対に外してはいけない内容です。常に歴史の1ページとしてこれからも心に刻み続けていく必要はあります。もちろんまだそうなった訳ではありません。
ただし現状を冷静に見る限りでは、中国の考えは変わらず、世界もそれをひっくり返す力はありません。非情な話ですが、これは日本人である我々にとっても「明日は我が身」となる可能性があるということは、絶対に覚えておくべきです。世界は激変しています。今後も、世界情勢を細かに収集していきます。
毎週1回情報をまとめてお送りします。
AI TRUSTでは日々の金融市場に影響を与えるニュースを独自の視点から解説を行っています。是非ご自身の投資指標としてご活用ください!!