格差社会拡大中
以前、” 日本で2,000万人の貧困者が出てきている ” でお伝えしましたが、日本の貧困者が増えてきています。
今回は貧困化へのさらなる追い討ちと、このまま貧困化が進むと日本はどうなってしまうのか?について焦点をあててみることにしましょう。
今の日本経済に財政健全化の考え方は厳しい
消費税増税、これは社会保障の財源にとって必要不可欠であるといわれる中、最近は社会保障に全て使われていないなど多くの疑問点が浮上してきています。
消費税増税は支払いたくないから反対、賛成するのではなく、インフレ率が上昇していない中で増税を行うと、国民が貧困化するのは当然であるということです。日本は今、デフレがずっと続いています。平成大不況はなぜ起こったのか?これは紛れもなく政府の政策とそれを支えた経済学者の発想にあると言わざるをえません。
緊縮財政や増税など日本は財政を引き締める対策を行なってきました。これを ” 財政健全化 ” などともいいますが、これは健全化という言葉だけでみると、非常に素晴らしいことのように見受けられますが、実際はそうではありません。
” 財政を健全化で国民は貧困化 “
これは紛れもない事実です。緊縮財政を行うと企業は投資を控えます。投資を控えると雇用や生産能力が衰退しますので、自然と経済は悪化していきます。経済が悪化すれば国民の所得は下がる、もしくは横ばいで一向に生活が楽になりません。生活が楽にならないとどうなるか?国民は消費を控えます。
政府による緊縮財政 ⇒ 企業が投資を控える ⇒ 成長が止まる ⇒ 失業、雇用者への還元の減少 ⇒ 消費を控える ⇒ その先の企業の収益が減少 ⇒ さらに消費減退
このような負のスパイラルに陥ります。
財政出動を行うとどうなるのか
逆に緊縮財政ではなく、財政出動を行うとどうなるのか?これについて考えてみましょう。財政出動とは政府が国民のために行います。例えば公共工事が良い例でしょう。
これは日本の老朽化したインフラ整備にも必要です。最近ではトンネル内でコンクリートの落下が起こったり、災害時に公共整備がされていないがゆえの被害も出ています。昨年の東京を襲った大雨では、利根川が決壊寸前までいきましたが、事なきを得ました。
これは財政出動が反対される中で行ったダム工事があったからです。これがなければ利根川は氾濫、東京都民は命の危険や水害によるダメージ、損失ははかりしれないものとなったでしょう。ですので必要なところや、政府にしかお金をかけられないところには、財政出動が必要なのです。政府にしかお金がかけられないというのは、簡単にいえば民間が行っても大した利益にならないことです。ここを補うのが日本政府の役割なのです。
国策として行うことにより、民間企業も設備投資を始めます。そこには雇用が生まれ新たな生産も生まれます。そうなるとどうなるか?収入増加による消費意欲が回転し、景気がよくなってきます。財政出動は必要なところには行うべきであるというのが、この循環でお分かりいただけたのではないでしょうか。
政府の赤字1000兆円とは
このような話を聞いたことがありませんか?
” 政府の赤字1000兆円、国民1人あたり800万円 “
さて質問です。皆さんはいつ政府から800万円を借りたのでしょうか。そしてその800万円はいつ返済するのでしょうか。ここにレトリックがあります。
政府はこれだけ大変なことになっているから国民の皆さんも ” 増税 ” に賛成してくださいね・・ と。増税はインフレ率を抑制する安定化装置であり、決して借金を負担するものではありません。
日本でいえば、バブル期に国民の所得があがり、物価が急騰する中での調整としての増税は必要です。しかし現在のようにデフレ化で、物価は下落している中での増税は国民を苦しめるだけであるということです。
幾度となく消費増税が国民を苦しめている
消費増税10%になり、一気に日本のGDPは悪化しました。この際の安倍総理の発言が「景気は緩やかに回復傾向にあります」でした。その後新型コロナウィルスにより経済は大打撃を受けましたが、忘れてはいけないのが ” 日本はコロナ前から増税により、経済は悪化している ” です。
日本で増税が行われるとGDPは悪化し自殺者が増えます。いわゆる国民貧困化です。諸外国で税率が高いなどの話がありますが、あれは所得が上がっているという前提です。日本は長期間、GDPの上昇がありません。GDPとは言いかえれば国民一人一人の所得です。給料が上がっていないのです。給料が上がっていない中で増税をするとどうなるか?
これが国民を貧困化させています。
過去の消費増税よりも一段と厳しい10%増税
アベノミクスでの日銀による量的金融緩和は成功といえます。しかしその後財政出動を行なっていません。量的緩和でマネタリーベースを増やしましたが、財政出動が行われないと国民の所得が上がりません。金融緩和を行なったのは日銀ですが、財政出動は政府の役割です。米国ではFRBがしっかりとその旨を伝えている場面があります。「我々は量的緩和を行った、あとは政府の役割だ」と。
財政出動どころか2014年に行ったのが消費税8%増税です。これでアベノミクスは折れました。その後景気が回復した理由は、海外の好調さに助けられています。しかし新型コロナウィルス後はどうでしょうか。期待はできません。
・1989年(平成元年)4月1日:3%
・1997年(平成9年)4月1日:5%
・2014年(平成26年)4月1日:8%
・2019年(令和元年)10月1日:10%(軽減税率8%)
さらにはコロナ税などという話もチラついています。
キャッシュレスによるポイント還元終了がさらに国民を貧困化させる
2020年6月30日でキャッシュレスによるポイント還元は終了します。キャッシュレス加盟店であればフランチャイズ店では2%、中小小売店であれば5%のポイント還元が受けることが出来ました。
これは消費者にとってはありがたい内容でしたが・・。ポイント還元が終わると実質消費増税10 %が襲って来ます。消費意欲がさらに停滞するトリガーとなります。
なぜ、政府、財務省、経済学者は考えを変えないのか?
あなたがもし自信を持って言い続けたことが間違いだったら認めますか?ましてや政府の政策によって国民が貧困化、そして自殺者も出ている中でそれを認めるということは非常にむずかしいでしょう。
そして組織となっていればなおさら集団心理が働き、自分たちは正しいのだという安堵感を得られます。その安堵感のために犠牲になり苦しんでいるのは国民ではないでしょうか。
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