経済ビジネス

世界で起こる食糧不足

新型コロナ蔓延により食糧不足が起こる

FAO(国連食糧農業機関)、WHO(世界保健機関)、WTO(世界貿易機関)という国連の3機関が警笛を鳴らし、世界各地での食糧不足を危惧している。

労働者不足から食糧不足が発生する

多くの国(特にアメリカ)では、食糧生産は「季節性労働者」に頼っている。アメリカでは「H-2Aビザ」という農業労働者用のビザを外国人に発行してきた。

これらのビザは主にメキシコ人が用いて、1年の内短期間アメリカで農業に従事し、作業が終わると国に戻る、というサイクルを繰り返していたのだが、今やアメリカは世界最大のコロナ感染者を出している国になっている。

メキシコ人からすれば、平時には密入国をしてでも入りたい国であっても、現在ではメキシコ側がアメリカ人の流入を阻止するために国境を封鎖している状態にある。そのような状況で、農業労働のために入国してくる労働者はまれであり、せっかくできた農作物の収穫もできなくなる。

不安からくる輸出制限

大規模な移動規制や物流混乱の広がりを受け、一部の国が小麦や米などで輸出制限措置を導入した。穀類の国際相場は上昇基調になっており、日本にとっても緊急時に自国の食料をどう確保するかが大きな課題となる。

米や小麦、食用油などの基礎的食品の輸出を差し止める動きが出始めたのは3月半ばから。国連食糧農業機関(FAO)が発行するオンライン穀物情報誌MNR最新号の「食料輸出制限情報」によると、ロシアとセルビアが先行し、下旬になってベトナム、カザフスタンなどが追随した。

ロシア

ロイター通信によると、世界最大の小麦輸出国のロシアは国内供給を優先し、4~6月の穀物輸出量に制限を設けた。通常は無制限だが、上限を700万トンに設定。既に穀物加工品などは停止し、輸出業者は一層の規制強化を懸念している。

セルビア

東欧のセルビアは、ひまわり油やイーストなどの輸出を一時停止した。

ベトナム

世界3位の米輸出国で、毎年約700万トンを輸出するベトナムは、3月下旬に新たな米輸出の契約を停止した。ただ、輸出業者の反発を受けており、政府は生産量や在庫量、輸出申請状況などを見て今後の対応を判断する方針だ。

インド

世界最大の米輸出国であるインドは、国内の貧困層向けの配給を優先し、米や小麦の輸出を制限している。

カンボジア

カンボジアも、香り米などの一部を除き、米輸出を規制し始めた。

カザフスタン

カザフスタンは、小麦粉や砂糖、ひまわり油、一部の青果物を輸出禁止した。

ウクライナ

ウクライナは、新型コロナの感染状況に応じて、小麦などの輸出制限を検討している。

穀物価格が上昇している

世界銀行の商品相場情報によると、ベトナム米の2月の相場は、3カ月前に比べて6%値上がりした。国際相場は3月に入ってから上昇基調が続いている。

主食の米を輸入に依存するフィリピンは、東南アジア諸国連合(ASEAN)を通じ、30万トンの米を政府が購入する方針を明らかにした。

一方、西側の主な穀物輸出国である米国、カナダ、オーストラリア、欧州各国は現時点で、食料の輸出規制に否定的な見解を出している。中国と日米を含む20カ国・地域(G20)の貿易相は3月30日、緊急テレビ会合を開き、新型コロナウイルス感染の終息まで過度の貿易制限を回避し、食料を含め国際的な物品供給を保つ意見で一致した。

FAOとWHO、WTOの事務局長は3月31日、「食料供給への潜在的な影響や世界貿易・食料安全保障への意図しない結果を最小限に抑えるように注意を払わなければならない」と過度な輸出制限をしないことを各国に求める共同声明を発表している。

日本は大丈夫か?

世界中で穀類在庫が減り、食料価格が高騰した2008年と比べ、潤沢な供給力があり、FAOなど国際機関は大きな混乱は避けられていると判断し、農水省も日本は、これらの国からの輸入実績は大きくない。影響は限定的だとみているが、食料自給率の低い日本なのだから、最悪を想定し確保を急ぐ判断も必要ではないか。

各国は、国内の食料安全保障を優先に、輸出を規制する国が増加することが予想される。新型コロナウイルスのまん延が深刻化すると、その動きは一層加速するだろう。輸入国の思い通りに食料が手に入らない事態もあり得る。

政府は、こうした最悪の事態を念頭にリスク管理を強化すべきだ。対策として生産性や効率性ばかりを重視した大規模化中心の政策ではなく、中小農家や条件不利地域農家の経営を支援する足腰の強い日本農業の確立が急務となる。

アフリカ、発展途上国への支援は?

アメリカが自国優先主義を明確に示し、WHOへの資金捻出も中断するような状態の中、各国の支援がアフリカや発展途上国に行き渡らない可能性も高く、その場合、新型コロナ蔓延と二重に覆いかぶさり、各国が国家存続のリスクとなるかもしれない。世界経済への混乱要因ともなり、今後も注視する必要が高い。

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ピンチをチャンスに変える

日本の農家は高齢化が進み、後継者不足に悩んでいる。コロナ後の世界を期に、地方で農業に従事する選択肢は大きなチャンスがあるのではないだろうか。コロナ後の世界では、確実に人々の価値観も変わっていくだろう。

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チャーリーTAKA
チャーリーTAKA
日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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