政治混乱

東欧で継続的なインフレが発生した理由とは?

なぜハイパーインフレが発生するのか?

ハイパーインフレの発生は、通貨を媒介とした交換経済の麻痺や不確実性の高まりにより、生産活動や投資への意欲を喪失させることで、国民経済に重大な影響をもたらす。

ハイパーインフレは主に、経済の提供可能な水準を超えて政府がシニョリッジの獲得を図る時に発生する。この時には、貨幣供給量が中央銀行にとって外生的に決まってしまい、もはや中央銀行は物価を抑えこむことが出来なくなる。

シニョリッジ獲得のために貨幣を刷って名目貨幣残高を増やした場合、インフレーションを伴うのでシニョリッジは実質で見ると目減りすることになる。貨幣を刷るほどに、インフレによるこの目減りが加速度的に増加するため、政府が獲得可能な実質のシニョリッジには上限が存在する。

この上限に達した状況から、政府がさらなるシニョリッジを求めて貨幣を刷った場合、インフレが一層昂進して政府は目的としたシニョリッジを確保することができなくなる。

それで、ますます貨幣を刷ってシニョリッジを獲得しようとすると、その結果インフレがさらに昂進するという悪循環に陥ることになる。これがハイパーインフレーションである。

この種類のハイパーインフレは、政府の政策が変更されるという予測が、人々に形成されるまで継続する可能性がある。

東欧で起きたハイパーインフレ

東欧諸国ではドイツと同様、第一次世界大戦後にハイパーインフレが起こっているが、旧ソ連が崩壊し、東欧諸国の独裁政権が崩れていった過程でも継続的なインフレが発生している。今回は第一次世界大戦後のオーストリアとハンガリーの状況を説明する。

オーストリア

第一次大戦に敗れたオーストリア=ハンガリー帝国は解体され、オーストリア は人口 5000 万人の帝国から 650 万人の小国に転落した。オーストリアでは、旧 帝国官僚の再雇用、旧帝国からの移民急増による大規模な失業問題などの緊急 事態が発生し、食料不足への対応、失業手当などの支出がなされた。

第一次世界大戦の敗戦国であるオーストリアは、その戦後賠償金をファイナンスするために政府・中央銀行が貨幣を発行し、シニョリッジを利用した事が、ハイパーインフレの引き金を引いた。これによって、オーストリアのインフレは月率50%、年率1000%をはるかに上回った。オーストリアのハイパーインフレは1922年8月に停止した。

ハンガリー

第一次世界大戦後にオーストリアから独立したハンガリーにも激しいインフレが襲った。独立直後に導入されたハンガリー・コロナの通貨価値は激しく下落し、1925年のペンゲー導入まで続いた。

第二次世界大戦後にはより激しいハイパーインフレが発生した。ペンゲーは後期の16年間で貨幣価値が1垓3000京分の1になったが、20桁以上のインフレーションは1946年前半の半年間に起きたものである。

大戦後、1945年末までは対ドルレートが指数関数的に増大しつつもインフレ率はほぼ一定であったが、1946年初頭からはインフレ率そのものが指数関数的に増大した。

別の表現でいえば、物価が2倍になるのにかかる時間が、1か月、1週間、3日とだんだんと短くなっていったということである。当時を知るハンガリー人によると、一日で物価が2倍になる状況でも市場では紙幣が流通しており、現金を入手したものは皆、すぐに使ったという。

1946年に印刷された10垓ペンゲー紙幣は歴史上の最高額面紙幣であったが、発行はされていない。実際に発行された最高額面紙幣は1垓ペンゲー紙幣である。このハンガリーのインフレは、最悪のインフレーションとしてギネスブックに記録されている。1946年8月、ハンガリーのハイパーインフレはフォリントの導入によって収束した。

1948年のハンガリーのハイパーインフレでは、労働者は1日に3回に分けて給料を貰い、給料が無価値にならないように小切手を現金化しようとする労働者の妻たちが、一日中職場と銀行の間を往復していたとされる。

アフターコロナ、ハイパーインフレは発生するのか?

日本を始めとする先進国ではハイパーインフレが発生することはないだろうが、紙幣価値の下落は継続的に続くことになるだろう。紙幣は優良株等に逃避することで、資産バブルは再度巻き起こることになる。

そして新興国、途上国の中で、新型コロナの蔓延が止まらない国、食糧危機が深刻になる国、債権暴落を防げずデフォルトを起こす国では、ハイパーインフレが起こる可能性があるだろう。

新型コロナに対する様々な支援策は、個人・企業に、国が持っているお金をくれるわけではない。全て借金として積み上がっている事を改めて理解しなければならない。積み上がった借金のツケは必ず国民に回ってくる。

・税金として支払う。
・社会保障そのものの貰える条件が厳しくなる。
・年金の支給条件が悪くなる。
・公共インフラ、公共サービスが劣化する。

等々の形で、結局、国民生活が厳しくなることにつながるのである。

積み上がる日本の借金一般会計総額は102兆円を超えた 2018年末に国債発行残高は897兆円を超え、国民1人あたり713万円の借金となっているが、2019...
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チャーリーTAKA
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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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