2020年、終盤に来てBitcoinが最高値を更新するなど市場に動きが出てきました。では、他の主要通貨はどうだったのでしょうか。
暗号通貨のメジャー(アルトコイン)通貨を取り上げて振り返りたいと思います。
ETH(イーサリアム)
Bitcoinに次ぐ世界第2位の時価総額を持つ、イーサリアムのブロックチェーン上で用いられる通貨です。
よく通貨名がイーサリアムと勘違いされますが、イーサリアムはあくまでプラットホームの名前でシステムを運用する上で、通貨として使われているのがこのETH(イーサ)になります。
今年の動きを見てみると
■2020年の最安値と最高値
最安値 2020.3.17
110.35$
最高値 2020.12.21
631.80$
※Coinmarketcap参照
となっています。
DeFiの台頭によって、今年大きな動きがあったのもこのETHでした。
DeFiとはDecentralized Finance(分散型金融)のことでこれは銀行や証券、暗号資産取引所などの金融サービスをブロックチェーン上に構築されるサービス・アプリケーション・エコシステムのことで、人や企業が存在しなくてもスマートコントラクトにて自動化されて動くものです。
仲介者がいなくても取引が可能な分散型の取引所(DEX)やレンディングプラットフォームに暗号資産を提供し、利回りを得ることなどをはじめ、さまざまなDeFiアプリケーションを組み合わせたイールドファーミングなどがありますが、その中でも人気なのは流動性マイニングです。
このような多くのプロジェクトがイーサリアムのプラットホーム上で構築されているのです。
担保されている金額やどのプロジェクトにお金が入っているかが可視化できますので、ぜひこのサイトをチェックしてみてください。
さらに12/1大きなアップデートがあり、イーサリアム2.0がスタートしました。これはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を搭載した新たなブロックチェーンで、イーサリアムブロックチェーンよりも数倍の効率性、拡張性、安全性を持つと言われています。
ステーキングに必要だった倍を超える120万ETH以上が供給されています。
これらがステーキングされるということはその分、売り圧力がなくなることにもつながるので価格自体は安定につながるかもしれません。
しかしながら完全にスタートするにはまだ数年かかると言われており、まだまだ注視が必要です。
XRP(リップル)
大きなニュースとしてはRipple(リップル)の保有者に対し1:1の割合で、Flare Networks上のネイティブトークンであるSparkトークンを付与するというもので、これにより11月に今年の最高値をつけました。
■2020年の最安値と最高値
最安値 2020.3.16
0.1408$
最高値 2020.11.26
0.715$
※Coinmarketcap参照
そして年末に来て大きなニュースが飛び出し、なんと価格は半分以下に下がっています。
これは米証券取引委員会(SEC)が、リップルラボ(Ripple Labs)がリップル(XRP)を継続的に販売することで、7年間で13億ドル(約1300億円)を個人投資家から調達したとしており、連邦証券法に違反したとして提訴されました。
これにより、リスティングされているXRPをデリスト(上場廃止)にする取引所まで現れています。
日本にてデリストは今のところ行われていませんが、価格に関しての注意喚起はされています。
いつもCoincheckをご利用いただき、ありがとうございます。
米証券取引委員会(SEC)が暗号資産「XRP」の運営会社であるリップル社(Ripple Labs Inc.)および同社幹部を2020年12月23日付で提訴したとの発表をうけ、XRPの価格が大きく変動しています。
現時点においてCoincheckでは、XRPの取扱いを停止する予定はございませんが、今後、訴訟の状況によっては、急激に価格が変動し、お客様の資産に影響を及ぼす恐れがあります。お取引の際は各種発表等をご確認のうえ、慎重にご判断いただきますようお願い申し上げます。Coincheckより引用
さらには、報道によると「日本を含む仮想通貨交換業者に対して、流通市場で仕入れるよりも1~3割安く仕入れることができる提案」がなされたとして、日本の取引所が続々と提案を受けていないとの表明をしています。
この内容はそれだけインパクトがあり、SECが勝訴した場合、市場に大きな影響を与えるものとなるでしょう。まだまだ波乱がありそうです。
Litecoin(ライトコイン)
LitecoinはBitcoinから派生しているため仕組みはほぼ一緒ですが、現在、時価総額でXRPに次ぐ4位に位置しています。そのため価格も連動することも多く、今回のBitcoinの上昇にも連動して価格を上げてきています。
Bitcoinでは10分かかるブロックの生成を4分の1の2.5分で可能にしており、発行枚数も4倍の8400万枚あるためペイメントに向いてるとされています。
■2020年の最安値と最高値
最安値 2020.3.16
32.16$
最高値 2020.12.20
116.33$
※Coinmarketcap参照
最近ではBitcoinが上昇を示唆しているとして、Litecoinを注視する声も上がっています。
一つの指標としてチェックするのもいいでしょう。
Cardano(ADAエイダ)
現在の時価総額は7位に位置しています。最高は4位まで上がった日本にもホルダーが多い通貨です。
元々はカルダノで用いるために作られた暗号通貨でしたが現在は方針を変え、法定通貨のような通貨を目指して開発が進んでいます。
■2020年の最安値と最高値
最安値 2020.3.16
0.02708$
最高値 2020.12.20
0.166$
※Coinmarketcap参照
Cardano(カルダノ)は革新的なプルーフオブステークブロックチェーンネットワークであり、マルチアセット台帳および検証可能なスマートコントラクトを備えた分散化アプリケーションを開発するためのプラットフォームとして開発されています。
上昇の推移を見ると今年の最安値より6倍以上つけており、Bitcoinの上昇と共に上がって来ているのも見て取れます。Cardano(カルダノ)オープンソースのプロジェクトでこの先にもアップデートを控えていますので、進行次第では可能性を秘めているものではあります。しかしながらBitcoinが最高値を更新している中で、ADAは最高値の5分の1にも及んでいないことを見るとまだまだなのかもしれません。
まとめ
時価総額の上位にいる主要通貨を振り返ってみましたが、それぞれに大きなニュースはあったものの、Bitcoinと比べてしまうとまだまだというのが正直なところです。
上記は時価総額(ボリューム)を表していますがBitcoinがほぼ半分を占めています。2020年は個人投資家からの参入より企業やファンドからの資金流入が大きく動いた歳になりました。今後もこの流れは加速していくでしょう。
しかしながらその流れはBitcoinに来ているものであり、アルトコインには弱い流れです。今後大きく上昇するには明確な使い道や方向性を示す必要がありますので2021年に期待したいと思います。
そういった意味ではIPFSの技術が普及し、既存のデータ保存のあり方が変わってくるとFilecoinが市場を牽引していくのかも知れませんね。
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