ポンジースキームとは? (Wikipediaより)
名称は詐欺師チャールズ・ポンジ(Charles Ponzi)の名に由来する。「あなた(御社)のお金を運用して増やし、増えた分を(「配当」などとして)あなたに支払う」などと謳って、お金(出資金)を集めるのだが、そのお金は(全くあるいは殆ど)運用されず、以前からの出資者に「配当」として渡すことで、さもまともな資金運用をしているかのように装う。
詐欺師が巧みならば、しばらくの間は出資者が増え続けて体面を保てる場合もあるが、システム全体では利益を生んでおらず負債が増え続け、最後には配当金が工面できなくなり破綻する。後から参加した出資者ほど損害は大きくなり、最後の頃の出資者(人数としては割合が多い)は配当を殆ど得られず、最後の出資者に至っては配当を全く得られない。
日本では「出資金詐欺」という、投資詐欺の一種に分類される。
日本語では、「ネズミ講」(あるいは「無限連鎖講」)などと訳されること(訳されてしまうこと)が多いが、実際にはこのポンジ・スキームはネズミ講に特徴的な階層的システムに依らない単純な手口を含むため、実態と和訳とが乖離してしまう例もある(バーナード・L・マドフ#調査で明らかになった被害を参照のこと)。
名の由来となったチャールズ・ポンジの手法も、出資者から得た資金を配当に回す自転車操業的なシステムであった。
暗号通貨のポンジースキームとは?
以前から何度も言っていることですが、殆どの暗号通貨には何かしらのポンジースキームに近い仕組みが加えられています。
ステーキングもある意味ではポンジースキーム
暗号通貨のステーキングもある意味ではポンジースキームの一種です。預けることによって市場に流通する暗号通貨が少なくなり、市場の流動性がなくなれば当然その暗号通貨の価格は上昇し易い構造になります。預けた側がもらえる利息はあくまでもその暗号通貨ですから、プロジェクト運営側にしたところで、手元の資金が減るわけではなく、あくまでもトークンを渡すだけの話です。
その暗号通貨が人気化することで、需給バランスが保たれ、供給量よりもトークン需要が継続的に大きくなれば価格は上昇します。
本質的な価値を見極めなければババを掴まされる
しかし、どこかのタイミングで需要よりも供給が上回れば、そこから価格は下落しますし、トークンの供給量の全量が多くなりすぎれば、本質的にその暗号通貨の価値が世界的に広がり、実社会で普及しない限り、価格は継続的に下がり続けることになり、最悪の場合は無価値化していきます。
その暗号通貨の本質的な価値を見極めなければ、目先の人気銘柄に相乗りしたつもりでも、ババを摑まされる可能性も高いわけです。
それぞれの暗号通貨の価格形成の過程を理解することで、このあと価格上昇する暗号通貨、そして大きく価格が継続的に下落する暗号通貨を見つけ出すことも可能だと考えており、CTRとしては特にこの部分の研究・検証には力を入れていきたいと考えています。
ここで見つけ出される暗号通貨の実際の売買を行う中で、一定の法則が見つかれば、このノウハウは利用者全員誰もが簡単に自身の投資に活用できる方法となりますので。
ジュビリーエースやPGAなどは論外
今回書いている暗号通貨のポンジースキームというのは、トークン価格を上昇させる仕組みとして市場の流動性を抑える仕組みのことを言っています。
PGAなどのそもそものネズミ講は論外です。そもそも暗号通貨でもブロックチェーンでもありません。そのレベルの詐欺案件とは全く別の話ですので勘違いはしないでください。
新NFT市場LooksRareのパターンでは?
昨年12月10日にローンチされたNFTプラットフォームLooksRareで、巨額のウォッシュトレード(仮想売買による出来高水増し)が行われていました。
このウォッシュトレードには、LooksRareで対象のNFTを売買すると、プラットフォームトークンのLOOKSを受け取れるシステムが関係しています。
ウォッシュトレードとは?
取引誘引を目的として、同一人物が同じ資産の売買両方の注文を発注するといった、権利移転を目的としない取引のことをいいます。株式などの投資取引においての仮想売買は、金商法に違反する相場操縦行為に当たる場合があります。
暗号通貨やNFTではこのようなルールがないため、マーケットメイク(相場操縦行為)は実は簡単にできてしまいます。BTCの価格を見ても、作為的な動きはよくありますので、この動きに釣られ(提灯がつく)、焦って買うとすぐに価格が下落をして痛い目に遭いますので注意しなければいけません。
16日の午前のBTCの価格も39,100ドルから41,700ドルまで2,600ドル一気に上昇しましたが、すぐに反落し38,800ドル台まで下落しました。
※3月16日のBTCでもウォッシュトレードがあった!?
LooksRareでは、4つのフェーズのトークン報酬が設定されています。1月の段階では約290万LOOKS(当時の価格でおよそ1,000万ドル(約11億円)が、1日の終わりに条件を満たしたトレーダーに分割配布される仕組みになっていました。この取引量の割合に応じて配布されるトークンの量が決定することもあり、プラットフォーム全体の出来高の上昇(水増し)につながっている形です。
1人の人物が複数のウォレットで売買を行った
Dune Analyticsのデータによれば、1月13日時点で5.5億ドル相当のETHがLooksRare上で取引されました。これは、最大手NFTマーケットプレイスであるOpenSeaの2.3億ドルを上回る水準ですが、その大半はウォッシュトレードによるものでした。
1月12日、コンピューターが生成したピクセル画のキャラクターのNFTが、LooksRareで約5,060万ドル相当の暗号通貨で売却されました。そして、その5分後、元の売却者が、同じNFT「ミービット」を購入者から約4,960万ドルで買い戻したのです。
他にも匿名の2つの暗号通貨ウォレットの間で多数の取引がされています。NFT売却時にはその基盤であるブロックチェーン技術により公開の記録が生成されますが、取引に関与した人物の氏名は記録されません。1人の人物が複数のウォレットを所有し、売り手・買い手双方としての取引が可能になるわけです。
ミービットNFTでも
1月1日以降では、たとえば別のミービットNFTが3つのウォレット間で100回以上も300万ドルから1,500万ドルで取引されています。こうした活動にも支えられて、ルックスレアにおける取引額は、1月初めのサービス開始以来少なくとも108億ドルに達したことが、市場調査会社ダップレーダー提供のデータから分かっています。
1月31日時点での同社データによれば、1月にNFT業界全体で記録された取引額上位27件(総額13億ドル)は、LooksRareで取引するたった2つのウォレットによるものでした。また、上位100件(23億ドル相当)に関与したのは、やはりルックスレアで取引する16のウォレットによるものだったことが判明しました。
1月は約290万LOOKS(当時の価格でおよそ1,000万ドルが、1日の終わりに条件を満たしたトレーダーに分割配布される仕組みになっていましたから、このトークンを得るために自身の持つNFTの売買を繰り返したわけです。
LooksRareの取引手数料2%は、LOOKSのステーキングを行っているユーザーに24時間以内に分配されるもので、1月14日時点でLOOKSのステーキングのAPR(年換算利回り)は、978%の高利率となっていました。
1日辺り2.68%の利息となりますから、取引手数料を支払ってウォッシュトレードを行っても、2日で回収ができてしまったわけです。
なぜウォッシュトレードを繰り返すのか?
①自身の持つNFTの売買ですから新規で買う資金は必要もなく、片道2%、往復4%の手数料だけがかかります。
② 1日に1,000万ドルのトークンが配られますから、仮に10%のウォッシュトレードを行えば100万ドルのトークンが手に入ります。
③ 100万ドルのトークンをステーキングに入れておけば、1日で26,800ドルの利息、10日で268,000ドルの利息が手に入ります。
それぞれの時点で、採算が合うと考えれば、非常に合理的な投資行動となります。
①の手数料
②の予想される配当トークン
③日々の利息
高い利息で運用できますから、多くの人がステーキングを行うわけです。
チャートを見てみると取引所での取り扱い直後は流通するトークンの数量が少なかったことで価格も急騰しましたが、その後は継続的に価格は下落しました。ただしこの期間は暗号通貨市場、金融市場全体が不安定で、下落基調でしたので、上昇相場であれば、価格はさらに大きく上昇していた可能性が高いと考えられます。
CTRではどのような投資を考えるべきか?
①各ジャンルの注目されている取引所未扱いのプロジェクトをピックアップする
②それぞれのプロジェクトのトークン価格が上昇する仕組み・スキームを理解する
③その中で特に人気化しそうなプロジェクトで流動性の少ないものをピックアップし、SWAP市場でトークンを購入する
④取引所上場後、タイミングを見て市場で売却する
この流れが正しいと考えられます。
LooksRareでのウォッシュトレードのようなことは、かなりマニアックな取引であり、このような行為を追い続けることは投資方針としても異なりますので行いません。
CTRを利用するみなさんには、実際に10万ドルポートフォリオでこの方法での投資を何度か行った上でレポート化し、本当に良さそうなものであれば注目銘柄としてレポート化してシェアしていきたいと思います。
自分の持っているトークンを調べてみて下さい
そして、既存でみなさんが持たれているそれぞれのトークンについても、どのような形で市場流動性を抑え、トークンが価格が上昇するような仕組みを取り入れているのかも是非調べてみてください。
同じ仕組みを行っている幾つかトークンを比べてみたときに、仕組み自体に落ち度があったり、既に古い仕組みである場合、そのトークンは先々人気化が見込めないという判断にもつながっていくと思います。
暗号通貨市場では、早い判断での売買行動が、今まで以上に重要になると考えています。
毎週1回情報をまとめてお送りします。
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