恐慌特集

【アフターコロナ 】ゴルフ会員権相場は今後どうなるか?

ゴルフ会員権といえば、バブル期は投機の代名詞だった。バブル崩壊で一時は価格が20分の1にまで下落した。

ゴルフ会員権は、ゴルフ場の利用権を得る事によりビジター(非会員)に比べ割安でプレー可能となる他、会員優先枠での予約も可能となる権利である。またクラブ競技会等への参加資格も得る事が出来る。

ゴルフ会員権は市場で取引されており、株式のように時価で売買される。日本ではバブル景気時に、ゴルフ会員権が投資・投機の対象の一つとなり、相場が急騰したが、バブル崩壊と共に相場が下落し、またゴルフ人口の減少もあり、投資・投機としての魅力は殆ど無くなった。

アベノミクス以降、東京証券取引所の日経平均株価が高くなった当初の2013年頃には、ゴルフ会員権業者が上昇したと主張することもあったが、2013年後半から低迷して、ゴルフ会員権の価格は上昇しておらず、関東地方の平均価格は、アベノミクス前の価格を下回り、バブル崩壊後の最安値圏になった。

ゴルフ会員権が詐欺の温床に

かつてはゴルフ会員権についての特別の法規制はなかったが、ゴルフ会員権の詐欺事件として注目された「茨城カントリークラブ事件」がきっかけでゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律が制定され、法規制されている。

第一次ゴルフ会員権バブル

ゴルフ会員権を第三者に流通するという概念は戦後から流通したとされているが、1973年5月にそれまでの過去最高値を更新し、ゴルフ会員権ブームが巻き起こった。

もともとは、ゴルフを楽しむために購入するものとしてゴルフ会員権が存在していたが、このブームをきっかけに投資的な意味合いでの買いが集中し、相場も急騰した。

しかし、ゴルフ会員権ブームによる相場の急騰は、同じ年の10月に第1次オイルショックは起きたことにより長くは続かなかった。景気が悪化したことでゴルフ会員権市場における取引は売りが先行し、相場も急落していった。そして第1次オイルショック以降、ゴルフ会員権の相場は5年連続で下落を続けた。

第二次ゴルフ会員権バブル

5年連続で下落を続けていたゴルフ会員権相場だったが、1978 年に入りようやく下降していた相場が止まり、それからは一気に相場が急騰していく。オイルショック後の相場急落の時期から急騰して3年で、都心部ではゴルフ会員権相場が2倍近くも上昇したと言われている。

昭和50年代には、日本プロゴルフ界を代表するプロゴルファーが続々と誕生し、第2次ゴルフブームが到来する。ゴルフ会員権の相場はその後、5年間にもわたり右肩上がりの上昇を続けた。

ブラックマンデー:ゴルフ会員権相場下落

5年間で3倍以上も上昇したゴルフ会員権相場だったが、1987年10月に起こったブラックマンデーにより徐々に相場が下落し始めた。史上最大規模の世界的株価暴落の影響で、ゴルフ会員権の相場は1988年1月頃まで下がり続けた。

1988年2月から相場が回復し始める

ブラックマンデーによるゴルフ会員権相場は1988年2月に徐々に上昇し始め、そして遂に「平成時代」を迎える。

平成時代のゴルフ会員権相場

平成の時代は、ゴルフ会員権の相場価格が最も大きく変動した時代といえる。

ゴルフ会員権と聞いてバブル全盛期を思い出す方も多いのではないか?

1988年頃から上昇しはじめたゴルフ会員権相場は、バブル景気時に最高値を更新した。この頃は、富裕層を中心に投資の対象としてゴルフ会員権市場に買いが集中し、相場が大幅に急騰した。

バブル景気時には、1億円を超える会員制ゴルフ場がいくつもあったことから、このようなコースは「億カン」と呼ばれていた。1977年頃の相場に比べると、バブル景気時の最高値は10倍以上の相場を記録した。

バブル崩壊によりゴルフ会員権相場は急落

1986年から1991年2月まで続いたバブルが崩壊し、ゴルフ会員権の相場価格は急落した。バブル崩壊後は、ゴルフ会員権相場のピークに比べ、平均価格が24分の1まで下落したとも言われている。

この時期は、ゴルフ会員権市場でも売りが先行していたため、資産価値が高まることを予想して購入した投資目的のゴルフ会員権を、売りに出したくても売れないという状態が長く続いていた。

2018年以降は高額コースの相場は上昇

2013年あたりから日本の景気は徐々に回復していたが、バブル崩壊を機に急落したゴルフ会員権相場は、2008年に起きたリーマン・ショックや損益通算の廃止、消費増税などが要因となり長らく低迷する。

その後、バブル崩壊から数十年が経過し、2018年に入ると高額コースの買いが牽引する形でようやくゴルフ会員権の取引価格が回復し始めた。しかし、それも新型コロナの影響で、株価の下落と伴い、ゴルフ会員権価格も下落が続いている。

2020年2月の平均価格は前年同月に比べ1割安く、前年実績を8カ月連続で下回った。米中貿易摩擦の余波で業績が悪化する企業が目立つなか、年度末を控え不要不急な資産と判断した会員権を処分する動きが続いている。急速に感染が広がる新型コロナの影響も弱材料で、安値が長期化する可能性もある。

アフターコロナ、ゴルフ会員権相場はどうなるか?

ゴルフプレーヤーの高齢化、ゴルフ人口減少、テレワーク導入の中で、法人需要の低迷も重なり、ゴルフ会員権が以前のようなバブルを起こすことはないだろう。

プレイ代が更に安価になれば、健康のためにビジターで愉しむことで十分ではないだろうか。需要と供給のバランスでバブルは起こるが、本当に資産価値があるものでなければ、株式市場のように、バブルが必ず繰り返されるわけではないことも理解すべきであろう。

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