気候変動問題が投資の焦点に!!
この冬の日本は気象庁の計測初めての暖冬を記録する場所が多く、全国約400ヶ所のスキー場のうち、滑走可能な割合は68.7%に留まっている(2020年1月30日時点)。
雪不足が叫ばれた昨年ですら、88.8%が滑走可能(11.2%は不可)という事を考えると、異常な数字と言えそうだ。特に北陸や西日本で申告な状況で、滑走可能ではあるものの、それは一部のみで、全面滑走できないスキー場は非常に多くなっている。
そんな中、長野オリンピックの競技会場にもなった長野市の飯綱高原スキー場は、雪不足の影響からくる財務状況の悪化を受けて、今シーズン限りでの閉鎖を決めた。
オーストラリアの森林火災も今後も数ヶ月は延焼し続けると発表され、異常気象による様々な経済への影響は深刻化が増している。
そのような中、米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者は、気候変動は考えられているよりも早く世界の金融情勢を一変させるとして、米企業経営者らに早急な対応を訴えている。
フィンク氏は年次書簡で、ブラックロックはこの問題に関連した対応を数千社への投資に適用すると表明することで、気候変動問題に関してこれまでになく強い警鐘を鳴らした。
770兆円の投資が環境問題に向かう!!
約770兆円という巨大資産を運用するブラックロックとして、投資プロセスに関して、気候変動と結び付いた具体的な変更を今回明らかにした。
ポートフォリオ構成やリスク管理においてサステナビリティーを必須要素とする事や、サステナビリティーに関して高いリスクをもたらす投資からの撤退、化石燃料を選別する新たな投資商品の開発、投資スチュワードシップにおけるサステナビリティーと透明性へのコミットメント強化が含まれる。
今後、世界中の機関投資家、ベンチャーキャピタルが同様の指針を発表する可能性も高く、環境問題に積極的に取り組む企業は改めて評価され、化石燃料の大量消費する企業、環境問題に消極的な企業に対しては投資先からの除外なども行われることになるであろう。
新たな巨大のテーマが株式市場に誕生する!!
株式市場においてのユニコーンというテーマは終りを迎え、新たな大きなテーマとしては “ 環境、気候変動問題 ” が最も大きなものひとつになる可能性が高い。
“ 環境、気候変動問題 ” に積極的に取り組む上場企業郡で組成される投資商品も増えることになるであろうが、それらの企業を選定し、個々株を自らのポートフォリオに組み込むことは、投資効率を上げることに繋がるのではないか。
環境問題解決に関しては、日本の大手企業の多くが世界の最先端技術を持っており、これらの企業の中長期的な上昇にも期待したいところである。
ノーベル化学賞を受賞した旭化成の吉野彰名誉フェローも、先月の日本記者クラブで記者会見し、地球環境問題について「環境に優しくて安い製品を日本から発信すれば、世界制覇できる。大阪流に言えば、絶好の金もうけのチャンス」と述べ、解決に向け企業がもっと取り組むよう促している。
お隣の中国の状況は?
中国政府の気候変動対策の担当官は、中国は排出量取引制度(ETS)の導入で年末までに「大きく前進」すると述べている。
温暖化対策の世界的枠組み「パリ協定」の2015年の採択に先立ち、中国は全国的なETS導入を表明していたが、国内の排出量データの透明性を巡る懸念などで導入はこれまで何度も延期されていた。
生態環境省の環境対策部門トップ、Li Gao氏は北京での今回の会合の合間に「(ETS導入で)年末までに大きく前進する」と説明した。
当初、主要産業部門全てを対象にETS導入が計画されていたが、まず、石炭発電部門で導入する予定。同部門は年間約30億トンの温室効果ガスを排出している。
生態環境省は昨年、国連に提出した「二酸化炭素(Co2)排出インベントリ」で、2014年における同国の温室効果ガス排出量が123億トンに達し、過去10年間で53.5%増加したと明らかにした。
中国政府は、石油、化学、建設資材、鉄鋼、非鉄金属、製紙、電力、船舶の8部門の企業に二酸化炭素排出に関するデータを3月末までに提出するよう指示している。
中国が国を上げて環境問題解決に力を入れてくると、過去のIT、スマホ環境の圧倒的な進化をみても、世界のトップに5年以内に躍進する可能性もある。
環境問題への対策、支援は日本という国家として今以上に積極的に行われることを期待したい。
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