経済ビジネス

日本の新たなカントリーリスクとは?洪水、災害、水害

カントリーリスク日本

※画像参照元:日本貿易保険(https://www.nexi.go.jp/cover/img/rskmap.pdf)

日本でのカントリーリスクは90兆円を超える予想

2019年、度重なる巨大台風の影響で甚大な被害を受けた日本だが、カントリーリスクは世界的に見たらかなり低く、アジアではシンガポールに並んでAクラスに認定されている。

しかし、世界中では、急激な気候変動が起こり、オーストラリアやカリフォルニア、Amazonの森林火災のように、世界中に大規模に広がり、日本でも新たなカントリーリスクが急浮上している。

2018年,19年は日本列島各地に台風や河川氾濫などによる甚大な被害が広がり、政府の統計によると、その経済的損失は過去50年超でそれぞれが3指に入る規模に達した。

今後も各地で深刻な豪雨禍が再発する懸念があり、特に日本経済の中枢である首都圏については、東京都心を流れる大型河川の荒川が氾濫した場合、家屋浸水やサプライチェーンのマヒなどによる経済的被害は累計で90兆円に上るとの試算も出ている。

政府と東京都は今年、産業界との協力で浸水回避の対策などに積極的に取り組む方針だが、実現までには数年から10年超の時間がかかる見通しで、大水害の再来に対応できない可能性も高い。

台風19号では、180社のうち16社が大きな浸水被害に

神奈川県を流れる多摩川の支流、平瀬川に面する地域の中小企業が集まる川崎北工業会では、2019年10月に東日本を襲った台風19号による水害で、同工業会で加盟する180社のうち、16社が事業に支障をきたす規模の浸水被害を受けた。

その中には、3ヶ月以上経過した後でも、半分以上の機械が稼働できないところもある。

修理には大規模な費用がかかり、修理そのものができず、買い替えなければいけない機械も多く、新規購入代金を含めた負担額は中小企業には到底負担できるものではない。

さらには、修理を請け負う機械メーカーの派遣員も、他県の被災工場の復旧に手を取られ、修理訪問が追いつけず、対応できない現状もあり、このような中では、新たな水害が再発したときのことを考えれば、工場再開のための投資には躊躇してしまう。

浸水被害で生産が打撃を受けるのは町工場だけではない。

自動車メーカーでも大きな損失が出ている

マツダは、2018年7月の豪雨で取引先の被災により操業停止に追い込まれ、自動車の生産に影響を受け、約280億円の損失が生じた。

スバルは、2019年の台風19号で取引先の部品メーカーが浸水、部品調達に支障が出て、12,500台の生産が影響を受けた。

日本のカントリーリスク、水害に注意!

国土交通省統計によると、西日本豪雨や複数の台風が襲来した2018年の被害額は1961年の統計開始以来、3番目に大きな規模となる1兆3,500億円にのぼった。

つまり、日本では1兆円規模の水害が2年連続している事になる。

2019年は橋や道路など公共土木施設だけでも2018年を超えたことが明らかとなっており、民間設備を含めた全体額では2018年超えは確実だと見られている。

2018年までの過去10年間で1兆円クラスの水害は起こっていなかったが、2018年と2019年は2年続けての大規模水害の年として多くの日本人の記憶に残ることになるであろう。

今後最も懸念するのは、東京下町5区を流れる大型河川の荒川が氾濫した場合の経済的影響である。専門調査機関がまとめた試算では、公共インフラや家屋、工場、機械など資産の被害額だけで36兆円となり、2018年に過去最大の被害をもたらした西日本豪雨の1.1兆円とはけた違いの規模の被害となる。

水害復旧に14ヶ月、経済的被害額は90兆円

荒川流域でかつてないほどの巨大被害が懸念されるのは、浸水域の人口が120万人にのぼり、密集した住宅や中小企業の建物に加えて、公共インフラの破壊に伴う影響が多方面に波及するためだ。過去の大規模河川氾濫事例をモデルとし、復旧まで14カ月かかると想定した場合、資産被害に加えて、生産停滞や消費、輸出減少などの経済的被害額が26兆円になると試算され、合計で62兆円という被害となる。

しかし、他の調査機関の報告によると、荒川が氾濫した際の経済的被害額は90兆円にのぼるとの試算もでている。荒川流域の復旧は14ヶ月では到底不可能で、復旧には数年が必要で、都心近くを流れる荒川の場合、従来の氾濫とは比較にならない経済被害が生ずると警告する。

さらに、被災してしまうと、元の経済規模への復旧が容易でないことを示す事例もある。経済産業省の分析では、阪神淡路大震災後、神戸港が全国に占める輸出シェアはかつての12%前後から15年後には7.6%に低下した。

東日本大震災では、東北・関東の沿岸浸水地域の鉱工業生産額は4年経過後も減少が続いた。被災に伴う人口流出や産業構造の変化も影響している。

東日本大震災から9年近く経過した現在でも、未だ震災前に回復できていないことを考えれば、荒川が氾濫した場合も、想定するよりも復興に長期間必要となるかもしれない。

東京都心が大規模被害を受けるということになれば、海外からのインバウンド旅行者は日本への渡航を避けることも考えられるし、周辺の不動産価格は大きく下落することになり、不動産下落の余波は人口減少の中で、日本全国に広がるリスクもある。

復旧の成否を握るカギのひとつは、政府と民間企業との協力となるが?

国土交通省は、16年に策定した荒川整備計画で、社会経済活動の中枢を担う東京都及び埼玉県を貫流する荒川流域には、人口・資産が高度に集積していると位置づけ、現状でのダムと調整池に加えてさらに3カ所の調整池を整備するが、完成までにはまだ13年間かかる計画だ。このことでもわかるように、インフラ整備や広域避難計画は短期間での達成を期待しにくい。

東京オリンピック・パラリンピックが開催される時期は、梅雨前線の到来や台風接近と重なるが、その対策が万全かは不明であり、リスクが懸念される。

大規模災害と投資への影響

大規模災害はそれが起こるエリアを特定することも難しく、上場企業それぞれが対応できることも限界がある。自社が対応しても、インフラが破壊されば稼働ができないことも考えられる。取引先が被災すれば、部材の調達ができず、生産を行うことができないというリスクもある。

2018年のマツダのように、業績に大きな影響を受ける企業も多く、個々の株式にはマイナス影響となる。

荒川が氾濫し、60兆円を超える経済被害が起これば、株式市場は大混乱に陥ることも想定できるし、ここ数年幅の狭いレンジで動くドル円も大きく動く可能性が高いことが予想される。株式市場の大きな下落を予測して、売りポジションを立てることもできる。

この冬は異常な暖冬、雪不足が続くが、梅雨、台風による大災害が起こるシーズンまでにはまだ時間的な余裕がある。気象変動によるリスクを理解し、投資に活かす方法を考えることは、投資ポートフォリオ全体に対してのヘッジとなり、有効な戦略といえるのではないだろうか。

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