政治混乱

アルゼンチンにみる新興国債券リスク

アルゼンチンリスク

新興国リスクが表面化してきている・・・・

新型コロナウイルスの広がりリスクは高いものの、世界経済はマイナス金利の金余りにより、新興国、発展途上国であってもその恩恵を受け、発展を続けてきた。しかしこの状況の変化がアルゼンチンに見て取れ、この広がりには注意を払う必要がある。

アルゼンチンのグスマン経済相は2月12日、同国は債務を返済する意思はあるが、財源がないと強調し、「抜本的な債務再編」が必要になるとの認識を表明した。

借金を返したいが、返すお金がない・・・・

グスマン氏は議会での演説で、国際通貨基金(IMF)が融資条件として求めた財政緊縮策が債務危機を招いたと批判している。ただ、IMFの代表団がこの日、債務を巡る協議のためにアルゼンチンに到着したのを受け、債務問題への対応で相互理解が深まりつつあると述べた。お金を借りておいて、返せなければ相手が悪いと文句を言う。逆ギレではないか・・・

アルゼンチン政府は、最大の債権者であるIMFから受けた440億ドルの融資を含め、1,000億ドルの債務の再編を目指している。

グスマン氏は「抜本的な債務再編が必要となる見通しで、当然ながら債権者側は不満を示すだろう」と指摘。そのうえで、IMFが通常、融資条件として求める財政緊縮策は拒否すると表明した。

リセッション(景気後退)入りしている国にとって、緊縮財政ほど悪いものはないと強調し、今年は基礎的財政収支の赤字縮小は目指さないとした。IMFによる2018年の融資の条件には、財政赤字の縮小が含まれていた。

既に支払いは遅延している・・・

JPモルガンは11日に債務再編協議が進められるなか、同国資産への需要は引き続き低迷していると指摘し、アルゼンチン政府は今月が期限だった「AF20」国債の分割償還金14億7,000万ドルの返済延期を決定したばかりである。

ブエノスアイレスでのIMFとの協議ではアルゼンチン側は、IMFへの融資返済期限の延長だけでなく、債務再編計画について、IMFの合意を取り付けたい考え。

アルゼンチン国債はこうした中で、13日の取引で下落した。グスマン経済相が抜本的な債務再編が必要になるとの認識を示すとともに、低迷する景気に配慮し、財政緊縮の要請には応じないと表明したことを受け、売りが加速した。国債価格は相対取引(OTC)RPLATCで平均2%下落した。

JPモルガンの新興国市場ボンド・インデックス・プラス11EMJによると、アルゼンチン国債の米国債に対するリスク・スプレッドは118ベーシスポイント(bp)拡大し、2,068bpとなった。

同インデックスで、アルゼンチンよりもスプレッドが大きく、デフォルト(債務不履行)の可能性が高いと見なされているのはベネズエラのみで、1万2,990bpとなった。

ベーシスポイントとは?

ベーシスポイントとは金利の表示単位で、0.01%のことをいう。

英語表記「basis point」の日本語読みで、略して「bp」と表記される。「basis」は「基準」、pointは「小数点」という意味で、「基準となる小数点」のことである。主に債券の利回りや金利の変動などに用いられており、1bpが最小単位として使われることが多くなっている。

ということはアルゼンチン国債の米国債に対するリスクスプレッドは20.86%となり、先進各国がマイナス金利を発行する中で、どれだけ高いのかが理解できるだろう。それだけデフォルトリスクが高くなっているということだ。

ベネズエラについては129.9%という異様な高さであり、実質デフォルトが近づいていると考えても良いだろう。

グスマン経済相は12日の議会での演説で、債権者は債務再編に不満を示すだろうが、海外ファンドがマクロ経済政策の方向性を決めることは認めないとも語っている。
短期的な財政調整は行わずに債務の持続性確保を優先させるのは債権者にとって好ましくなく、多くの債権者の反感を買う事になり、結果的にさらに窮地に追い込まれるリスクも高くなる。

アルゼンチン政府がこの日発表した1月の消費者物価指数(CPI)伸び率は2.3%と、12月の3.7%から大きく鈍化し、経済にとって好ましい内容となった。アルゼンチン中央銀行は政策金利を48%から44%に引き下げ、CPI伸び率の鈍化が利下げを可能にしたと説明した。

世界各国に広がれば、債権バブルは崩壊する!!

マイナス金利の金余りの中で借金を積み重ねても、財政赤字が続き、借金に見合うだけの成長がなければ、入ってくる資金の流れが止まった段階で息詰まることになる。

それによって金利は急上昇し、資金繰りはさらに悪化することになり、資金は国内から海外に加速度的に逃げていき、通貨が暴落する。通貨の下落に歯止めをかけようと金利を高くすれば、さらに借金の利払が難しくなるという悪循環に陥り、国内ではインフレが加速する中で、国民の多くが貧困化していくことになる。

今アルゼンチンで起こっていることが、アジア、アフリカの新興国や、ギリシア、スペイン、さらに成長に伸び悩むインド、そして新型コロナウイルスが広がるイタリア、韓国など、各国に広がるようなことがあれば、債権バブルは崩壊し、大恐慌につながるリスクも高い。

投資家にとっては大きな下げ局面こと、短期間で大きな利益を上げるチャンスの場ともなるため、新興国各国の状況にも注意を払ってほしい。

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チャーリーTAKA
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日本を代表する投資家兼実業家でもあり、グローバル・チーフ・ストラテジストとして活躍中。
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