為替

2020年アメリカ大統領選で為替はどう動くか?

アメリカ大統領

大統領選挙はトレーダーの稼ぎ時

どの国においても、政権や近未来の政策を占うような重要な選挙のタイミングでは為替・株式の相場が大きく動く。

一般的には現政権の支持率が低下したり、政局の先行きが不透明になると、通貨の信頼性が低下することに繋がり、その結果通貨が下落トレンドに向かう傾向がある。

選挙がどのような結果をもたらすにしても多くの関係者が注視しているタイミングであり、トレーダー達にとっては稼ぎ時とも言われる。

それが、世界の基軸通貨を持つ米国の大統領選挙であれば、尚更である。

2020年11月にはアメリカ大統領選が行われる

2020年11月3日、アメリカ大統領選が行われる。

注目事項はもちろん、現職の共和党・トランプ大統領が再選するか、どうかだ。

本記事を執筆している2020年2月時点ではトランプ氏が再選する可能性が高いと目されているが、まだまだ余談は許さない。

ここで、一度4年前の大統領選の時を振り返ってみよう。

2016年のアメリカ大統領選時の為替の動き

4年前の2016年の大統領選は、史上稀に見る大混戦だった。

当初、民主党候補のヒラリー・クリントンが優勢とメディアでは伝えられていた。

一方で、選挙の前から過激な発言が目立つドナルド・トランプが万が一でも大統領になったらアメリカは終わる、そんな冗談も聞かれるほどの状況であり、そのためトランプ氏が勝てば米ドルは下落すると言われていた。

そんな2016年の大統領選の開票日、はじめは前評判通りヒラリー氏有意と速報が流れた。

しかし、途中からトランプ氏が巻き返す報道が続くと徐々にドルが下落、105円台から101円に急落した。

そして、トランプ氏が大逆転で当選確定。

その瞬間から相場は反転し、ドルが上昇。同月末には114円に到達している。

なぜこのような動きになったかというと、トランプ氏が勝つかもしれない・・・という「噂」でドルが売られ、トランプ氏が勝った「事実」でドルが買われた、というのが一つ。

そして、トランプ氏が公約していた「アメリカファースト」「減税」の政策がアメリカ経済に好影響を与えると市場関係者に受け止められたことが、反転後の大きな上昇の理由だ。

2020年のアメリカ大統領選の為替の動きの予想

2016年の選挙時は、前予想ではトランプ氏が当選する可能性は低いと目されていたため、開票途中からサプライズの嵐であった。

トランプ氏が当選することを相場は一切折り込んでおらず、結果として大きな為替変動が起こった。

もしこれが事前にトランプ氏当選が圧倒的に有利となっていれば、選挙の前からじわじわとドル高に推移していたことだろう。

つまり、大統領選での相場の動きを予想する上で、あらかじめ市場は誰が当選すると思っているか、という世論を確実にキャッチしておく点が重要である。

では、2020年の戦況ではどうだろう?

現時点ではトランプ氏が優位と目されている。

トランプ氏は政策としてドル安に誘導する傾向があるので、事前の予想通りトランプ氏が再選を果たせば、現状維持の為替トレンドが継続するはずだ。

一方、トランプ氏の対抗勢力が事前予想を覆して当選、またはそこまでではなくとも善戦した場合、大きくドル高、もしくはさらなるドル安に触れる局面があるかもしれない。

事前予想と結果の差が大きければ大きいほど、為替の動きは極端になる。

いずれにせよ、2020年11月は為替相場には目を離せない。

是非その3ヶ月前の相場から動きをみながら、当日は予想してみて欲しい。

事前の世論の予想、途中の開票経過、そして結果と事前予想との差。

決して難しくは無い。

特に、政権が変わるようなことがあれば、大きなトレンドの変換が起こるため、あとから相場に参加しても十分その利益をえる事が出来る。

アメリカ大統領選は、情報さえ揃ってさえいれば読みやすい相場であると言えるだろう。

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