投資、トレードにテーマを持っていますか
「投資」と一言でいっても、世の中には数多くの金融商品があります。例えば、仮想通貨・ビットコインなどは一気に資産が膨らむ反面、目減りするのも早く、投機に分類されることもあります。
投資やトレードを行う上で、今何がマーケットのテーマになっているのか?を知り、そこに資産を投じることも非常に重要です。あれもこれもややこしいという方は、情報だけでも追いかける習慣、そしてその情報の結果はどうだったか?検証する習慣をつけておくと長く投資する上で必ず役に立つタイミングが訪れます。今回は、そんな中で直近で「通貨=為替」に注目が集まっていますので、解説します。
新型コロナウイルスの影響はまだ続く
2020年は、世界中で劇動の年となりました。新型コロナウイルスによるパンデミックのためです。そして今年も残すところ2ヶ月ちょっととなりましたが、その流れはまだ続きそうです。欧米では感染の第二波が到来しています。
10月26日時点での欧米の状況です。
・米国:2日連続で過去最多
・スペイン:全国的に夜間外出禁止令
・イタリア:ロックダウン以降最も厳しい制限措置を導入
・フランス:4日連続で過去最多
コロナ慣れをしてしまっていること、日本がそれほど酷くないことからあまりピンと来ないかも知れませんが、欧米では深刻です。過去最多という文字を見る限りでも、全く新型コロナウイルスの猛威は衰えていません。それどころか感染は拡大しています。
こうなると出てくるのが、経済の停滞。コロナを認識し、少し制限は緩和された現在でも最悪期よりは改善は見られるものの、悪化しています。
債券市場から通貨へ資産が流れる
パンデミック対応により、世界の中央銀行が大規模な債券の買い入れに動いている影響で、債券市場のボラティリティーは極端に低下しています。世界の中央銀行が足並みを揃え、低金利政策を取る状況となっています。なぜ、低金利政策を行うのか?それは、低金利だとお金が借りやすくなり経済が回るようになる、今の状況だと経済を回すことが優先と考えられるからです。
ただ低金利となると為替にも影響が出てきます。ドル円でいえば、こう着状態が続いています。しかし、債券市場が前代未聞の状況で、通貨に資産がシフトする流れが出てきています。市場トレンドを話す中で活用されていた債券が通貨に流れていると、専門家も話されています。
なぜ通貨が注目されるのか
通貨に資産が流れると、今後ボラティリティーが加速する動きが出る可能性が高いです。為替市場は近年低ボラティリティーの動きを見せていました。ボラティリティーが低いとマーケットから利ざやを抜きにくくなるために、参加者も様子見が増えます。
ただ、チャートからも分かるようにかなり値幅が収縮されており、収縮はいずれ拡散へ向かいます。拡散というのは、ボラティリティーが高まる状態となりますが、勢いがつくとかなり大きなトレンドを為替市場、いわゆる通貨取引で起こると考えられます。
きっかけは、米大統領選
11月3日に控えた米国の大統領選ですが、郵便投票での遅れなどから結果は遅くなることが見込まれていますが、あくまでもこの米大統領選はきっかけであり、トランプ氏、バイデン氏どちらが大統領になろうともボラティリティーの高まりは期待出来ます。
ドル円でいえば2017年トランプ大統領誕生以降のボラティリティーは非常に低下しており、3年で14.5円幅です。(コロナショック時の1日だけの急落は除く)これは、過去のドル円の歴史を振り返っても異例です。ただボラティリティーが低下し、こう着状態が続いているということは、きっかけさえ出れば、大きく動き出す可能性が高いということです。
注目通貨
米国の長期金利政策でいえば、ドル安に注目が集まりますが、その他の通貨も注目です。
・米ドル=インフレ2%を超えても低金利容認
・英ポンド=ブレグジットいよいよ解決か
・ユーロ=EU復興基金に期待が集まる
さらには、デジタル通貨に注目が集まっており、先陣を切って登場するのがデジタル人民元となります。となると、中国元が今後どういう位置付けに変化するのか?という辺りも気になるところです。リスクオフ通貨としての、円やスイスフランなどを組み合わせ、通貨の相関関係を見ながら投資することが重要となってきます。
中期、長期目線によっても変わりますが、マーケットでファンダメンタルズ的な要因で動くことは、1年で2、3回といわれており、その他はほぼテクニカルやその時、その時のヘッドラインで動きますので、どのような目線で投資をしているのか?を常に意識し、目先の損得に振り回されないスタンスの確立が必要となります。年末に向けて、ひと相場大きな波が訪れそうですので、しっかりと向き合いところです。
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