ビットコインは着実に浸透している
前回、大手決済PayPalが仮想通貨売買を開始した内容を投稿しました。4銘柄が売買可能となっていますが、ここでの注目点はなんといってもビットコインです。
仮想通貨市場はビットコインから始まっています。誕生してから10年以上経過する現在でも時価総額、知名度とダントツ1位のビットコイン。仮想通貨はよくわからないけど、ビットコインは知っているという方も多いのではないでしょうか。
仮想通貨は、coinmarketcapによりますと、10月23日現在で7,488のコインが存在しています。その中にビットコインが含まれていますが、果たしてその何千ものコインを知っている人はいるでしょうか。
知っているのはせいぜいごく一部です。しかし、ビットコインは着実に世間に浸透しています。そんな中、ビットコインが話題になるとき、そしてそこで買いを行う際への注意点を今回は解説します。
ビットコインが決済手段
PayPal報道で、ビットコインが決済市場に入り込みました。これは非常にポジティブな話題といえます。そして、PayPalの市場は世界規模、ユーザーは3億以上です。
ビットコインは数年前から日本でもビッグカメラなどが決済手段として導入したり、決済店舗を増やすという報道が出たことがあります。しかし、結果は全く使われておらず、一部海外からの観光客が利用するといった程度でした。僕自身も試しにジュースをビットコインで購入してみましたが、手数料の高さに驚きました。
このように決済手段としては、まだまだといわれていた中での、PayPalが試行錯誤を重ね、仮想通貨導入報道。これは、ついに決済手段として活用されるか?に注目が集まります。
ビットコイン、年初来高値で報道が加速
最近のビットコインの上昇には、今回の報道にあったPayPalの件、そして資産の逃避先としてビットコインを活用する投資家が増えていることが考えられます。
これは、コロナ禍での経済政策によるマネー供給量の増加で、紙幣価値低下懸念や経済政策で恩恵を受けた人々の中で、余裕のある人は、今のうちに投資をしておこうといった意識が行動となっています。ビットコインだけでなく、米株の上昇の背景にはこのようなコロナ禍でのじゃぶじゃぶマネーでの投資意欲の向上があるといわれています。
日本でもネット証券の口座開設は、急増しています。雇用への不安、貯金している資産を投資に回す新たな意識が芽生えていると考えられます。そして、現在ビットコインが年初来高値を更新し、1BTC=138万円、次は2019年につけた高値を目指そうかという展開になっています。「年初来高値」などといった内容やPayPalの件などは一気にメディアが取り上げる材料となっています。
メディアが騒ぎ出すと黄色信号
2017年は、ビットコインバブル(仮想通貨バブル)といわれた年となりました。このバブルに参加されていた方は記憶に新しく、もしかしたら苦い思い出となっている方もいるのではないでしょうか。
理由は、2017年1月に1BTC保有するのに10万円で済んだのが、年末12月には220万円以上となりました。ここまでは苦い思い出ではなくイケイケモードですね。ビットコインの価値が急騰しているのですから。この急騰時、日本のメディア、CMなどはお祭り騒ぎのように取り上げました。
そうなると黄色信号そして赤信号へ。2018年には、取引所のハッキングを皮切りに規制が厳しくなり、ビットコイン、仮想通貨市場は急落。高値で購入していた人の資産は一気に目減りしました。暗黒の時代突入です。
価格は上下する
価格は、上がるにしても下がるにしても、上下をしながらチャートを形成していきます。この理屈を理解していれば報道後にビットコインが急騰、一気に高値更新となっても飛びつかずに落ち着いて向き合うことが出来ます。多くの人が飛びつくとき、そこが天井だったりします。
天井というのは、価格として一度高値をつけるということです。天井で購入、その後下落すると当然ですが資産は増えません。ですので、買われ過ぎ、売られ過ぎの際は十分に注意が必要なのと、「メディアが騒ぎ出す=多くの人が注目し参戦する」と覚えておいてください。
多くの人が参戦し出すと、勘のいい人は撤退をします。撤退というのは、利益確定です。「利益確定をする=売りを出す」ですので、今度はこの売りが増えると、売りが売りを呼び下落が加速する場合もあります。
2017年のバブルとは違う
2017年と比べて違うと感じる点があります。それは、2017年は多くの個人投資家がビットコインを保有していました。今回は、2017年と比べると市場もパワーアップし、ナスダック上場企業がビットコイン投資を長期的な企業戦略として考え、株主に説明実行しています。知名度プラス実績が加わると、参加者の質も向上してきます。
このような循環となると買い支えも増えてくるので、投機的な動きは2017年と比べると落ち着くのではないかと考えられます。とはいえ、価格は乱高下しやすいのが仮想通貨市場です。時価総額でいえば、ビットコインは1つの大企業と大差がありません。例えるならば、コカコーラ。1つの企業並みで株式市場と比べれば月とスッポンの差があるということです。
知っておきたいポイント
大手の仮想通貨取引所でも過去に何度もあったのが、価格が急騰、急落しているときに約定しない現象です。
株や為替でも同様にありますが、仮想通貨市場は少しのことでもその傾向になりやすく、仮に利益を確定したくても約定せずに価格がどんどん落ちてしまうということもあるので、この辺のリスクを考え指値や逆指値などの注文を使いこなしながら保有していきたいですね。
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