賢者は歴史に学ぶ
賢者は歴史に学ぶ。有名な言葉ですが、さらに追加すると、
”愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ”
となります。
人は、どうしても目の前にある経験、自分自身の解釈を元に判断してしまいがちです。そしてその行動は、愚かであるということです。
賢者であるには、歴史を元に読み解き、理解し、覚悟しておくべき内容がコロナ禍では特に増えてきています。今回は、アフターコロナを歴史と照らし合わせて見ていきます。
1929年の世界恐慌体験者は、ほぼいない
今から90年ほど前に米国を皮切りに世界中に深刻な経済恐慌「世界恐慌」が起こりました。20世紀の中で最も厳しい時期となりました。
投資の神様と呼ばれるウォーレンバフェットは、この世界恐慌の時代、1930年の8月に生まれています。本人はまだ赤ん坊で、ただし家族を含めての経験者という意味では興味深いですね。
世界恐慌のような大ショックは100年に1度、そして金融ショックのようなものは10年に一度訪れるといわれており、その他株価に影響を及ぼすネガティブな材料は、2年に1度は何らかのショックが起こっています。
実際に最近の歴史をみただけでも明確です。
2000年:ITバブル崩壊
2002年:ワールドコム破綻
2006年:ライブドアショック
2008年:リーマンショック
2011年:東日本大震災
2015年:チャイナショック
2018年:世界同時株安
2020年:新型コロナショック
このように並べてみると、今回のコロナショックは、なるべくしてなった時期ともいえます。このように過去の歴史上、大中小とショック的なことは起こり続けています。
今回のショックは、100年に1度との声
今回の新型コロナウィルスによる、コロナショックはまだ序章ともいわれています。恐怖を煽るつもりは一切ありません。ただし本当に今が世界恐慌時と似ているのです。コロナ自体が落ち着いても、経済的な向上はしばらく期待できないという考えを持っておくべきたと思います。
世界恐慌のときも一度暴落した株価を人々は「いつもの株価下落」と考えていました。その後一度は落ち着きを取り戻しましたが、、、その半年後から大きな恐慌へと突入しています。このときと今起こっているコロナ禍での状況がリンクするのは、僕だけではないしょう。
3月の大きな暴落、コロナショック後、株価は持ち直しています。人々は、楽観視、、とまでいきませんが、何故か株価の上昇に安心感を覚えている時期ともいえます。歴史を学び、” 各国政府が国債発行を積極的に行ったからだ ” との声もありますが、世界恐慌時もあらゆる対策はされています。
それでも恐慌に突入した歴史があります。ただ株価はこのあとも上昇するかも知れません。しかし人々の生活、経済が不安定化し、困窮する可能性は高いのです。
二つのパターンで考え、備えておく
過去20年を遡ってもこれだけの金融混乱がありますので、その歴史を活用し、ある得ることとして、身構えておく必要があります。ただ、そうならない可能性も考えておいて損はないでしょう。
1つ目のパターンは、このまま経済が持ち直し、新型コロナウィルス問題も改善されていくといった考え方です。もう一方は、コロナを発端に、世界が混乱していくといった考え方です。
なにをどう備えるのか、これは資産もそうですが、何よりも「気持ちがついてこない」ということがあります。気持ちがついてこない場合は、想定外の出来事が起こっているときです。
なにが起こっても、冷静に判断をし続ける人は、常に「最悪の事態を想定」しています。同じ事態に遭遇しても同様です。ですので、まずは考え方、身構えることを意識されることをお勧めします。僕自身、何事もなければないで、それはそれでよかったと捉えています。
人々が迷い、混乱したときに現れる救世主に注意
歴史的にこのような事態となったとき、頼れるものがなくなり、藁にもすがる思いとなった人々は宗教を信仰したり、強い指揮官をたたえたりします。
世界恐慌時も、失業率は悪化し、生活が困難になった人々の略奪行為などの犯罪が多発しました。ここで登場するのが、救世主です。ただそのような救世主的人物には、要注意です。
世界恐慌時勢力を伸ばしたヒトラー
独裁者といえば、アドルフヒトラーの存在が思い浮かぶ人も少なくないでしょう。当時彼を救世主と捉える考え方が広がりました。1919年、24名で結成されたナチス。1933年にはヒトラーが首相に指名されて政権の座につきます。
まさに世界恐慌真っ只中の時期です。当時のドイツでは、各家庭にラジオがありましたが、ヒトラーの放送は必ず聞かなければなりません。そこで国民にヒトラーの考え方をすり込みました。人は1000回同じことをいわれると、あたかもそれが真実だと錯覚します。
例えば、「新型コロナウィルスは2メートルの距離を取れば大丈夫です。」とメディアが何度も何度も報道を繰り返していますがそれも同じことです。しかしあの2メートルには、たいした根拠がなく、米国で新型インフルエンザが流行した際に、考えられた内容だと専門家が話しています。
そしてそれはもちろん、マスクなど着用していないことが前提です。それでも現在の日本をみるとどうでしょうか?
お店にいけば、席の間の距離が取られ、スーパーなどのレジに並ぶ際にも、しっかりと距離と取るような印象があります。ソーシャル・ディスタンスの2mという距離に誰も疑問を持ちません。このような擦り込みをヒトラーは日々行いました。
プロパガンダに支配される
上述のようなことをプロパガンダといいます。プロパガンダとは、特定の「思想・世論・意識・行動」へ誘導する意図を持った行為をいいますが、まさに今このことに十分に注意する必要があります。なにも考えずに日々過ごしていると、あらゆるプロパガンダにあなたは支配されていくことになります。
不安や恐怖、自身での判断がむずかしい局面が来た際に、ついつい人任せになり、流されてしまいます。客観的に見たら「それどう見ても詐欺でしょ?」というようなニュースを見かけることはありませんか?
詐欺被害者も冷静に考えればわかることです。冷静に考えればです。詐欺をする側が、被疑者にたいして ” 冷静に考える力を奪った上での行動 ” なので被害が後を絶えないのです。至極真っ当な話口調で、メディアが意図的に流すこともありますが、意図的に流していない情報もあるでしょう。それは恐怖を感じた人が、錯乱状態になりSNSなどで発信していることがあり、その事態を素直に受け止めてしまう人が増えると世間の当たり前の空気(流れ)となってしまうのです。
冷静に考えれば、分かること
ここまでお読み下さった方は、「アホらしい、そんなの分かるだろ」とはねのけてしまうかも知れません。それは現在冷静な状態だからです。世界恐慌では、食べるものさえままならない貧困な状況となりました。そんな状況下で、冷静さを失っている中で、救世主のごとく登場する人物がいたらどうでしょう?
想像して見てください。神と勘違い、もしくは全てを委ねたくなるのではないでしょうか。投資をする方で、損失の恐怖を体験した方であれば、理解しやすいと思われるのが、大きな損失を抱えているときに、自分の考えと同じ考えを必死でネット上で探し出し、共感、安堵することと似ています。
これから仮に世界情勢が急激に悪化した際であっても、是非冷静さを失うことなく、常に最悪の事態を想定して物事を捉えてみてください。ネガティブになれという意味ではありません。同じ状況をどういった考え方、精神状態で乗り越えるかということです。必ず事態が好転するときが訪れます。その際に大きな後悔にならないように、日々心がけて行動していきましょう。
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