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【世界恐慌期に酷似】2020年、ポピュリズムの政治家増加と世界情勢悪化の危険性

世界恐慌とコロナショック

世界恐慌といえばどちらかといえば古い歴史、昔の話。社会の教科書などで、学んだ、といった方も多いのではないでしょうか。

世界恐慌は、1929年10月24日米国のニューヨークの株価暴落を発端に始まった金融危機です。株価の暴落といえば、今年2月末〜3月にかけて起こった株価の暴落、いわゆる「コロナショック」が記憶に新しいでしょう。

最近の状況は、1930年に似ているといわれています。これは、株価だけではなく、世界でポピュリストの政治勢力の拡大も同様に似ています。今回は、世界恐慌と今を比較し、これからの株価とポピュリスト、これらで未来はどうなるのか?歴史を参考に読み解いてみます。

未来を完全に予測することは不可能です。ただ、歴史と照らし合わせ比較することで見えてくる未来があります。” 歴史は、繰り返す。” この辺を活用し、今後投資をする上でのヒントになれば幸いです。

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世界恐慌:株価は一度落ち着きそこから大暴落

世界恐慌といえば、1929年に一気に株価が暴落し、そのまま長きに渡る不況に陥ったというイメージをお持ちではないでしょうか。

しかし1929年のニューヨーク株式市場の株価暴落は、1ヶ月あまりに渡る暴落の後、一度は回復の兆しを見せているのです。1929年10月から1ヶ月の暴落、その後9ヶ月半をかけて20%以上の回復を見せました。

そこからが本当の世界恐慌突入です。それが1930年秋の出来事です。ここから想像できることは、1929年10月〜1930年8月頃までは、人々は、いつもの金融ショックくらいの感覚だったのではないかということです。

そりゃ、株価は20%以上の回復を見せていましたから。しかし本当の悲劇は1930年秋から始まり、2年間かけて米国株は83%の暴落劇となったわけです。

コロナショックと酷似、株価回復中

世界恐慌は1ヶ月の下落後に9ヶ月半をかけて回復しています。当時は、” 10年に1度のショックは去った ” 程度で見られていたのではないでしょうか。そこから信じられないほどの株価の暴落が起こりました。

気になるポイントは、今回の新型コロナウィルスを皮切りに起こった株価の暴落である ” コロナショック ” が1ヶ月あまりで回復していることです。この記事を書いているのは7月中旬です。

3月に1ヶ月かけての下落があり、その後回復していますので、世界恐慌時と比較すると、「楽観視している位置」に今があるのではないかと感じるのです。この酷似は、非常に気になるところです。

経済期待と世界情勢懸念

現在の株価の暴落後の回復は、新型コロナウィルスでの急速な経済の後退の最中に起こっています。世界各国ではロックダウンが相次ぎ、仕事すら出来ない状況が続きました。それが、少しずつ回復を見せているのではないか?といった、” 最悪期に比べての底打ち感からの期待 ” が大きくあります。

しかし、最悪期と比べれば、経済指標の数字は良くは見えるものもありますが、雇用は悪化、失業率は未だ上昇しています。新型コロナウィルス自体も、収束の目処は立たず、米国ではまだまだ感染拡大が懸念されロックダウン再来か?とも噂されています。

さらには、世界情勢でいえば、米中関係の悪化を中心に、世界各国の関係もあちこちでコロナ禍がゆえの小競り合いもあり、ギスギスした感じがあります。

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世界恐慌と今「ポピュリズム」が台頭

株価だけでなく、世界情勢で意識しておくべき点があります。それがポピュリズム勢力です。ポピュリズムとは、主に一般大衆(仲間)の利益を守り、大衆支持のもとで、今までの体制、知識人などのエリートと呼ばれる人々(敵)に対して批判的な政治的立場をさします。

ポピュリズムの特徴は、協調的より「対立的」であり、包括的より「排他的」です。簡単にいえば、人々の不安や不満を利用して、身近の「敵」を設定することで支持を得ます。このようなリーダーが世界恐慌時には多くおり、そして現在の世界でも同様に増えているのです。

世界恐慌時のポピュリズム勢力

世界恐慌下でのポピュリストは、ヒトラーやムッソリーニなどが代表的です。分かりやすいのがヒトラーではないでしょうか。

ヒトラーは独裁者のイメージが強いでしょうが、世界で一番民主的なワイマール憲法の下で行われた選挙で選ばれ、1933年に首相になっています。選挙によって、大衆に選ばれたということです。

これらは、大衆心理からきているといわれていますが、人々が不安になると、ポピュリズム勢力が拡大するということの現れかも知れません。

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現在のポピュリズム勢力

現在もあらゆるポピュリズム勢力が世界各国の政権を握っています。最も代表的なのが、米国のトランプ大統領です。そして、世界のトップにはトランプ大統領を支持する人が多く政権を握っています。

ブラジルの大統領、ジャイル・ボルソナロや英国の首相ボリス・ジョンソンなどです。ポピュリズムで際立つのがカリスマ性です。大衆が惹かれやすいポイントともいえます。しかし ” 自分の仲間さえよければ良い ” という考え方は、行き過ぎるととても危険です。

戦争懸念

世界の著名投資家の一人でもあるジムロジャーズは、これらの酷似した大きな流れで懸念していることとして、「戦争が起きる可能性は否定できない」としています。

1930年代に世界各国でポピュリストのリーダーが政治権力を握ったときと現在の状況はは、偶然の類似ではないとも述べています。

たしかに世界恐慌後は、第二次世界大戦が起こり、皮肉にも世界経済は需要を生み出し、経済回復を見せました。

しかし本当にコロナ禍で現在落ち着きを見せているのか?

新型コロナの第二波など、さらなる最悪の事態が加速すれば、世界の覇権を争う構図は避けられなくなることも考えられます。実際、武力衝突だけではなく、サイバー攻撃も頻繁に起こっているのが現状ですから。

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